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~不憫ちゃんは挫けてる~

 ―-拝啓、魔王様。


 私、今までそれなりに頑張ってきたと思うんです。

 毎日ダンジョンに罠をしかけ、HP5しかないなりに生き残ろうと必死に冒険者から逃げ回ってきました。

 時には悲鳴をあげ、時には悲鳴をあげ、つまり怖がり続けながらもぷるぷる震えて生き残ってきたんです。

 なのにあんまりじゃないですか。


 なんで勇者が、世界最強の勇者が、いま私の膝でくつろいでいるんでしょうか。

「ムカゴ! お前の膝は実家のスフィンクスを思い出すぞ。すべすべでふわふわなのにしっとりとあたたかい……」

 ただのセクハラ発言じゃねーか!!!!

 とは、怖すぎて言えません。

 人間だったころの記憶もないんで私が何の罪をおかして魔物になったかはマジでわからんのですけど……お願いします。魔王様。


「どうしたんだムカゴ! そんなに震えて! そうか、寒いのか! ならば俺が温めてやろう!(純粋な山男)」

「いやああああああああああああ!」


突然マントと服を脱ぎ捨てるワイセツ物陳列罪(勇者)から

私の!私の貞操をお守りください!!!!!!!!!!!!!!!!!




とかよくわからん昔話を始める勇者から私を救ってください。



 頑張るひとは報われません。



 わたし、こと最下級モンスターのムカゴは清廉潔白に頑張ってきたと思います。

 HPもMPも最大値が5しかないので、守護するダンジョンには罠をしかけまくって



 ―-人間には過ちがあるという。


 世界を二度滅ぼした西の果ての魔王にも。

「はじまりの村」を焼き討ちされ、魔物討伐に出た勇者にも。

 神の名のもとに、聖女を育て守護する神聖クリスト教会であっても。


 でも、神様。


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