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第38話―2 介錯

「……視聴者は随分と減ってしまったが……まあ、無理もないな。もざいく、あー、ゴホン。モザイクだらけでおぼろげにしか分からないだろうが、見ての通りだ。兄上は、私が討ち取った。セミック……兄上の部下の女騎士もミルシャが討ち取った」


 そこまで喋ったグーシュは、首を抱えた四人に向けていた携帯端末のカメラを、自身に向けた。

 画面の隅に映し出された自身の姿は、出血のためか随分と顔色が悪い。


(この顔色なら、何を言っても()()()()()()()と思われるな)


 ならば、これから言う事は一つだ。

 勇ましい、堂々たる言葉を今の精一杯の力で語ればそれでいい。


 地球人は目が肥えている。

 多少の演技演出など、容易に見抜いてしまう。

 ここ百年ほどは娯楽に勤しんでいる上に、彼らにはルーリアトとは比較にならない程の、文化芸術の下地がある。


 だからこそ兄を殺した後に言う、辛さの滲んだ言葉に最大の価値が生じる。


 実の兄を殺したのだから、()()()()()


 人道という概念を育んできた地球人のその常識が、グーシュという個人の人間性を証明してくれる。


(兄上の首に口付けでもするつもりだったが、それだとかえって嘘くさい。ならば、これでいい)


 血の抜けた頭は、いつもより冷静にグーシュを思考させてくれた。

 いつも頭の中にあった、迷い、母の言いつけ、常識、感情。


 そういったものが、考えを邪魔しない。

 数百万の地球人に向けて喋っているにも関わらず、緊張も無く、迷いもない。

 ただ、自分が求める最良の言葉と言動が浮かんでくる。


(夢で殺した、あの女……)


 自分が本当のグーシュだと言っていた、同じ顔の少女。

 

 迷いの無いと思っていたグーシュの心に、チクリと棘が刺さるような痛みが走った。

 もし、今のこの心の有り様があの少女を……本当の自分とやらを殺した結果だとすれば……自分は、一体何を得て、何を失ったのだろうか……。


 心の一画に不安を抱えたまま、グーシュは透き通った思考で言葉を紡ぎ続けた。


「わらわには後悔は無い。兄はルーリアトという国にとっても、民にとってももはや有益な存在では無かった。そして、そういった存在を正す構造が、この国には存在しなかったのだ。地球の皆……」


 そこまで言ったところで、グーシュはコメント欄、そしてその場にいる四人に目を向けた。


 自分を見る数百万の視線。

 自分を見上げる八つの瞳。

 その中で涙に濡れた、もっとも馴染んだ二つの瞳。


 その瞳の持ち主の痛ましい姿を、ジッと瞳に焼き付ける。

 そうすると、自然に涙が滲んできた。

 兄も、馴染みの騎士達も、民ですらも心を動かすことは無いが、ミルシャだけはかけがえのない存在であり続けてくれる。


 本当の自分とやらを殺しても、それだけは変わらない。

 変わっていないはずだ。


「皆にこのような残虐な光景など、本当は見せたくは無かった。故郷の、我が身内の恥など、見せたくは無かった。だが皆と語る中で、見せなければならないと、わらわは強く思ったのだ」


 痛む右手を無理に持ち上げ、いつもの演説の様に動かす。

 甲冑の隙間から血が零れ、痛みのせいで涙があふれた。


「皆は、異世界制圧を悪だと言う。平和な異世界を、地球の都合で侵して、異世界の民に無用の血を流させるのだと。だが、これが現実だ。五十年に渡る平和を誇った我がルーリアトですら、このような野蛮がまかり通る有様だ!」


 思ったよりコメント欄の動きが鈍い事が気に障ったが、グーシュはそのまま言葉を続けた。

 血生臭さに引いた地球人が多いのなら、それは想定通りだからだ。


「地球の皆よ! 異世界には、野蛮が満ちているのだ。そして大半の異世界では、その野蛮を自らの力で打ち払う事が出来ずにいる……時間を掛ければ可能かもしれないが、それには多大な時間がかかり、その分多くの血が流れる……しかも時間をかけても、皆が地球の様な正しい社会を築けるわけでは無い!  先進的な文明を築きながらも、歪んだ世界を皆も知っているはずだ!」


 ここでは、あえてカルナークの名は出さない。

 確かにあの異世界は、民族浄化と文化侵略の結果生じた歪な社会だが、悪と断じるには地球はあの異世界で血を流しすぎた。

 ここでは仄めかし、想像させるだけでいい。


「だからどうか、お願いだ。わらわの様な思いをする異世界人を、助けてほしい。異世界侵略。その言葉の本当の内情を、どうか想像し、調べて欲しい。あなた方の社会がやっている事の真実を、知ってほしい。我が兄妹とその騎士二人の犠牲によって、そういった意識の変革が皆にもたらされれば、それがわらわの救いである……」


 泣き顔を隠すように、グーシュは端末のカメラを手で覆った。

 本当は痛みに慣れて涙が止まりつつあったことを隠すつもりだったが、バレはしないだろう。


「今日の放送は終了だ。すまない。次はいつものわらわに戻るから、よろしく頼む」


 早口で言うと、グーシュは生放送を終了した。

 念のため、レンズを隠したまま画面を見て慎重に確認する。

 ここまで来て、つまらないミスは避けたい。


(よし! ふぅ……)


 一息ついて携帯端末から視線を外す。

 残った、八つの瞳が不安そうにグーシュを見ていた。


「皇太子殿下……その、儀式はお済みですか?」


 おっかなびっくりといった様子で、エザージュが問いかけて来る。

 そんな態度が。皇族に向ける畏怖と恐怖と尊敬が混じった視線が懐かしくて、グーシュは微笑んだ。


「ああ、すまなかったな。だが、これも海向こうとの関係を保つ上で必要な事……許せよ」


 謝罪を口にしてから、三人のお付き騎士の頭を軽く撫でてやる。


 ついでに、羨ましそうなミルシャも撫でてやる。

 ひどい状態にも関わらず、恍惚とした表情を浮かべるミルシャを眺めると、さすがのグーシュの目にも本当の涙が滲んできた。


「……して、皇太子殿下」


 そんなグーシュを真っすぐに見据え、お付き騎士のカナバが口を開いた。

 威圧しないように、グーシュは柔らかく見えるようにゆっくり頷いた。


「この後はどうされるのですか? 俺たち……じゃなくて我らは前皇太子殿下と共にこの場に国葬が終わるまで籠城するつもりでしたが……」


「そ、そうです殿下。ルイガ前皇太子が決闘で敗れたのならば、ぼ、僕たちお付き騎士は皆従います……ですが正直言って、せ、セミックがいない、指揮者のいない状態で近衛騎士相手に籠城するのは……」


 ルライも心配そうな表情で続く。

 彼女らの言う事ももっともだ。


 お付き騎士達は、追い詰められたとは言え対応策を以って籠城策を取ったはずだが、それも絶対的な実力者であり、最強の名をほしいままにしていたお付き騎士の代表セミックの統率と、ルイガ前皇太子による威光があってこそだ。


 急な決闘で、皇太子が死んだはずのグーシュに移り変わり、セミックが死んでその変わりが両腕が不自由なミルシャでは、到底統率の取れた籠城策など取れるはずもない。


 だが、グーシュは心配などしていなかった。

 不安そうにしているエザージュからルイガ前皇太子の首を受け取ると、左腕でしっかりと抱え込んだ。


「で、殿下? 首ならば我らが……」


 ポカンとした表情のエザージュに笑いかけると、グーシュは首を抱えたまま颯爽と歩き出した。

 行く先はもちろん、近衛騎士団本部の上層階。

 それももっとも高い場所である、物見の塔だ。


「皆ついてこい。心配するな! 策はある。ああ、ミルシャは……」


 無理はするな。


 グーシュはそう言おうとしたが、すでにミルシャは立ち上がり、グーシュに続いていた。


「これくらい平気です、殿下。もちろん、僕も参りますよ」


 今度こそ涙腺が崩壊したグーシュは、ミルシャをギュッと抱き寄せた。

 切り落とされた左腕はもちろん、指を切断された右腕や、斬りつけられた背中からも出血している。

 如何に治療に当てがあると言っても、これ以上時間をかけるのは得策ではない。


 「エザージュ、カナバ、ルライ。すまんが、ミルシャを支えてやってくれ」


 頷く三人を見た後、グーシュは部屋を出て、早足で階段を登り始めた。


 精一杯威厳を持って歩き出したグーシュだったが、人間の首を抱えるというのは、思ったより大変な重労働だった。

 上層に向かって階段を登る足が、甲冑と疲労と生首の重さに負けそうになるが、腕を失ったミルシャの事を考えると、ここでへばるわけにはいかない。


 グーシュ自身も負傷しているものの、歩く過程で分かったのだが予想外に負傷の度合いは軽く、血袋状態と思っていた右腕は、せいぜいが皮膚が裂けて筋が痛んでいるだけの様だった。


 そんな程度の状態で、息を切らせ、あまつさえ膝に手をついて立ち止まる無様を晒すわけにはいかない。


 そんな事を考えていると、やっとの事で一階についた。

 やっと一息つける。

 グーシュがそう考えた瞬間、小走りでやってきたお付き騎士がグーシュを呼び止めた。


「あ、皇太子殿下! どこにいらっしゃったのですか!? 近衛の連中……」


 息を切らせながら駆け寄ってきたお付き騎士の少女の声は、想定外に小柄な甲冑の主の顔を見た瞬間、しぼむ様に止まってしまった。


(このお付き騎士は……なんといったか……幼くて可愛いな)


 邪な事を考えていたグーシュの心を読んだかの様に、グーシュが何か言うよりも早くミルシャの声が飛んできた。


「セーレ! ルイガ前皇太子殿下及びセミック殿は決闘に敗れ、見事な御首(みしるし)になられた! 見よ、我らが新たなる主、グーシュリャリャポスティ皇太子殿下にあらせられるぞ!」


 笑顔と気さくな態度で接しようと思っていたグーシュは、ミルシャの予想外に硬派な言葉に機先を制され、仕方なく威厳を感じさせるような仕草でルイガ前皇太子の首をセーレというお付き騎士に示した。


 セーレの方は、一瞬震えたように動作を止めた後、慌てたように拳をみぞおちにあてて敬礼をした。


「セーレ。お前はこの事を他の者にも伝えろ! それから……」


 ミルシャがちらりとグーシュの方を見た。

 指示を仰ぎたいという気持ちと、少し嫉妬が混じった、ミルシャが良くする表情だ。

 グーシュは危機を乗り越えた実感を改めて得ながら、指示を出した。


「お付き騎士一同は、近衛騎士団本部正面壁に総員集合せよ」


 グーシュの指示を聞いたセーレは驚きの表情を浮かべた。

 無理もない。

 正面壁、つまりは近衛騎士団本部の防御設備のうち、正面部分以外の場所を放棄しろと命じたのだ。


 この近衛騎士団本部は、周囲を水堀に囲まれた真四角の要塞だ。

 各面の城壁とその上部、四隅の物見の塔に主要な防衛機構が設置されているため、正面壁に人員を集中させては到底守り切る事は出来ない。


 グーシュが後ろを見ると、エザージュ達も同じような表情をしていた。


 しかし、これでいいのだ。

 彼女たちには、見てもらわなければならない。


「セーレ、急げよ。時間は無いぞ」


 グーシュが再び命じると、セーレは慌てて走っていった。

 角を曲がったあたりで、「グーシュ様が生きてた! セミック様が死んじゃった!」という声が聞こえてきた。

 

 グーシュは年相応で可愛いと思ったが、どうも背後の四人は違ったようで、「あいつ後で特製体操十往復だ」「気絶するまで組手」という声が聞こえてきて、グーシュは冷や汗を垂らした。


 その後も、階毎に同じような事を繰り返しながら階段を登っていく。

 傷だらけの、しかも国葬の最中の筈のグーシュを見たというのに、ルイガ前皇太子とセミックの首を示して、ミルシャがグーシュの事を新皇太子と称するだけで、皆あっさりと敬礼して、グーシュとミルシャの指揮下に入る事を了承していった。


 恐らく、地球人から見ると異質……というか薄情に見えるのだろうが、ルーリアトのお付き騎士達とはこういうものだ。


 掟や決闘の結果には、盲目的なまでに従う。

 そこに親しいとか、馴染みとか、身分すら関係ない。


 だからこそ決闘という選択を行ったグーシュから見ても、驚愕するほどの態度ではあったが、だからこそ、今の彼女たちは信頼できた。


 そうして近衛騎士団本部を進み、正面右側の物見の塔を登り始める頃には、ルイガ前皇太子とセミックが決闘に負け、お付き騎士の頭目にミルシャが付いたことがお付き騎士達に一通り知れ渡っていた。


 その証拠に、窓からグーシュが見たところ近衛騎士団本部にいるお付き騎士達は、グーシュの指示通り近衛騎士団本部正面に集合しつつあるようだった。


 すでに、正面の城壁上部部分にはお付き騎士達が隙間なく詰めている。

 城内の正面部分にも、恐らく隙間なく集っているだろう。


「殿下……見たところお付き騎士一同、すでに殿下のご指示を受けたようですが……」


 エザージュが不安げに喋ると、他の二人も続く。


「そろそろ殿下の策をお教え願いたいのですが……」


「こ、このままじゃ、側面や背後から強襲されて、ここ、落ちちゃいますよ……」


 グーシュは意味深に沈黙すると、(実際には息が切れてそれどころでは無かった)そのまま物見の塔の最上部へと登り切った。


 帝城を除けば、帝都で一番高い場所だ。

 石造りのジメジメした本部内とは違い、涼しい風が甲冑に蒸れたグーシュの熱気を散らしてくれる。


「………………ふぅ」


「殿下?」


 息一つ切らしていない四人のお付き騎士達がたどり着いたあたりで、ようやくグーシュの呼吸は整った。


 心配そうに見るお付き騎士達の方を振り向き、笑みを浮かべる。


「ここは、落ちない。見ろ!」


 そう言って、グーシュは近衛騎士団本部周辺に布陣する軍勢を示した。


 周囲にいるのは、近衛騎士とイツシズの私兵、傭兵の混成部隊。

 ドブさらい計画の途中でここに急遽動員されてきた千名強の部隊だ。


 元来が軽装備の要人を襲撃するための者たちだ。

 こじんまりとした城塞とはいえ、本格的な攻城戦を行うにはいささか厳しい陣容と言える。


 こちらの手勢が、百人足らずでなければだが。


(そうなると、相手が死に物狂いとなれば、怪しい)


「あの程度の相手に、ここは容易く落ちはしない」


 グーシュは自信満々、威厳たっぷりに言うが、ミルシャ以外の三人の顔色は優れない。


「確かに今いる連中は軽装備の近衛騎士の下っ端連中ですが、イツシズが正規の手続きを取れば、すぐに本装備の近衛騎士主力や帝都駐留騎士団がやってきます……」


「ポスティ殿下のご存在は奴に取って想定外とは言え、奴は悪知恵が働きます。如何な手段でこちらを貶め、糾弾するか……」


「ま、ましてや……イツシズの手を逃れるためとは言え、近衛騎士団本部を占拠した我々にひ、非があります……」


 口々に不利な材料を述べる三人のお付き騎士達。

 しかし、グーシュはそんな三人を楽しそうに眺めていた。


 そんな様子を見かねてか、ミルシャが口を開いた。


「殿下……そろそろよろしいでしょう。代将閣下も生放送はご覧になっていたでしょうし、あまりもったいぶると怒られ……もとい、もっと怒られますよ」


 ミルシャの言葉に、グーシュは少し残念そうにカラカラと笑い、剣帯に収めていた携帯端末を手に取った。


「すまないな、三人とも。少々、もったいぶりすぎたな」


 そう言うと、グーシュは携帯端末を操作した。

 端末から、ルーリアト人には馴染みの無い、奇妙な笛の様な音が鳴り響く。


「呼び出しの電子音だ……」


「「「???」」」


「つまりな……海向こうの将軍と、この板で会話が出来るのだ」


 グーシュの言葉に、なおも頭を捻る三人。

 三人にとっては、携帯端末は文字で会話が出来て、目の前の光景を映し出す魔法の板に過ぎない。


 ミルシャの様に映像解説や実体験を伴わなければ、とてもでは無いが遠距離との通信という概念を理解することは困難だった。


 グーシュが苦笑していると、笛の様な音……呼び出しの電子音が止んで、若い男の声が聞こえてきた。

 三人のお付き騎士達は、身体を震わせて一歩後ずさり、口々に「喋った! 板が喋った!」と騒ぎ立てた、


 そんな様子を、心底楽しそうに眺めながら、グーシュは携帯端末の上部をを耳元に、下部を口元に当てた。

 

「ああ、一木。わらわだ。グーシュだ……いや、ごめんて……」


 グーシュの謝罪に対して、しばし男の声が響いた。

 グーシュ以外にはくぐもってよく聞こえないが、怒っているようだ。 


「悪かった、反省したよ。本当だとも。だいたい生放送見たのだろう? ああ……まあ、あれも皇族の務めだ……」


 そうしてしばし、グーシュと男の声の会話は続いた。

 そして一分ほど経った頃、不意に物見の塔から、一台の馬車が近衛騎士団本部に向かって走ってくるのが見えた。


「なんだ? 近衛の増援か?」


 エザージュが眉間に皺を寄せて馬車を睨む。

 しかし、馬車が掲げる旗の紋章を見たカナバが叫んだ。


「違う……あれは、ガズル様の……帝弟の紋章だ!」


 その叫びと同時だった。

 グーシュが塔から身を乗り出した。


「ああ、わらわにも見えた。一木が乗っているのはあの馬車だな? じゃあ話は早い。お付き騎士達に異世界派遣軍の実力を見せたいのだ。どうせ、先発部隊がいるのだろう? お、マナ大尉が来ているのか! よし、いいぞ。派手にやってくれ」


 ウキウキとした、ミルシャ以外のお付き騎士達が聞いたことの無いような楽しそうな声でグーシュが歓声を上げた。


 思わず唖然として、三人のお付き騎士達がグーシュを見た。


「さあ! 我が一族最良の友よ! 我が一族の愛おしき人よ! 我が一族の最優の臣下よ! 見よ、我が命の恩人の力を。見よ、我が敵の末路を! 我が借り受けた、剣の鋭さを!」


 グーシュの叫びが響き、近衛騎士団の軍勢に目を向けたお付き騎士達が見たのは、本部と近衛騎士達を取り囲むように本部周辺の建物の屋根に陣取る、見たことの無い服装の少女たちだった。


 緑色の斑模様の服や、足首までの丈の長い服を着込んだ、異様な少女たち。


 ほんの数秒前までは、間違いなく存在していなかった、異質な者達。


 お付き騎士達は、物見の塔の三人はおろか、近衛騎士団本部正面にいる全員が絶句していた。

 そのうち半数ほどは、まるで陽炎の様な揺れと共に、異様な女たちが浮かび上がるように突然現れるのをその目で見ていた。


「マナ大尉! 撃てぇ(ファイエル)!」


 グーシュの命と共に、帝都に銃声が響き渡った。

予告より更新が遅れて、申し訳ありませんでした、

本業の多忙と、その疲労を回復するのに手間取っておりました。

年取ったなあ……。


さて、次回はいよいよ地球連邦軍が動き出します。

帝都に集い、近衛騎士達を蹂躙する地球連邦軍。

そして、ついに出会うサイボーグと最恐のアンドロイド達。

ご期待ください。


次回更新予定は、三日の予定です。

予定は前後する可能性が高いので、ご了承ください。

それではみなさま、暑いですが体調管理にお気を付けください。

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