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第31話-4 特務課

「ま、そんなに難しい話ではないのだ」


 グーシュは、どことなく一木を励ますような口調で言った。


「査問会が終わりわらわの葬儀日程が発表されて、ルーリアトに戻ってくる事になった所で、殺大佐から連絡が来たのだ。わらわの作戦に関して、実働部隊として召集予定の面々が不満に思っているとな」


 グーシュがチラリと殺大佐を見る。

 殺大佐はすまなそうな様子で説明を引き継いだ。


「情けない話だが……第042艦隊(うち)の艦隊の特務課は我の強いやつが多くてね。腕利きのベテランぞろいなんだが、師団でやっていけないような連中の集まりなんだ。それで異世界人の作戦なんか信用できないとか言い出してな……」


「そこに関しては本当に申し訳ありません」


 アーティ少佐がペコリと頭を下げた。

 それに続いて、他の課長たちも頭を下げる。


「課長たちは反対じゃないのか?」


 一木が尋ねると、課長たちの何人かが不機嫌そうな顔になった。

 それを見た殺大佐が、少し慌てたように割って入った。


「課長クラスがそんな事するわけないだろー。こいつらは偏屈集団をまとめる精鋭だぜ」

『こいつらまでゴネたらどうすんだよ! 刺激すんな!』


 口頭に被せて、殺大佐から一木宛の無線通信が入った。

 普段参謀たちは、滅多な事では一木宛に無線通信を入れる事が無いだけに、殺大佐の慌てようが分かった。


 軽く頷きつつ、一木は特務課についての情報を調べた。


 特務課を始め、参謀部に属する各課のアンドロイド達は、師団長や艦隊司令などの人間との接触機会が非常に少ない。

 その辺りの事情を艦隊司令が配慮しない限り、皆無と言ってもいい。


 そのため、彼ら彼女らは自分の業務に人間への貢献と繋がりを求める。

 シャルル大佐やニャル中佐をさらに極端にしたような者達だ。


 そして当然、そんなアンドロイド達をまとめる課長たちは曲者か精鋭かのどちらかとなる。

 ところが、まっとうな精鋭アンドロイドの場合、課長としての活動期間は短い。

 優秀な個体にとって課長職はあくまで腰掛で、すぐに参謀職へと栄転していくからだ。


 結果、課長としてベテランのアンドロイドとはすなわち、人間との接し方が不器用な、参謀職にふさわしくない我の強い者達が多くなる。


 彼ら彼女らは他のアンドロイドや師団長と諍いを起こす者も多いため、一部の艦隊に集中して配備される傾向がある。


 こういった情報を見て、一木はモノアイが動かないように慎重に課長たちを見た。

 一見柔和そうなアーティ少佐を始め、見た目では曲者とは思えないアンドロイド達だ。


(とはいえ、殺大佐の慌てようを見るとそうじゃないんだろうな……)


「なるほど。それは頼もしい。各員部署の統率を頼むぞ。期待している」


 取り繕うように言うが、師団のSSなら尻尾を振らんばかりに喜ぶ言葉にも、大した反応が無い。

 一筋縄ではいかないようだと、一木は何度目かわからない覚悟を決めた。


「そいういう訳でな、殺大佐からの報告を受けて、ミラー大佐が提案してくれたのだ。わらわが直接特務課の者達と接して、不安を払しょくする機会を設けようとな。アンドロイド相手にわらわの演説術が通用するか不安だったが、何とかなったようだな」


「いや、そういうわけではない」


 グーシュが自信ありげに胸を逸らすが、そんなグーシュの言葉に異を唱える課長がいた。

 治安維持課のジア少佐だ。

 大きく見開いたような目が特徴的な、大人びた女性型のSSだ。


「あくまで我々は、あなたの話に一理あると判断して、艦隊のためにこの場を収めたに過ぎない。別段あなた個人を認めたわけでは無いという事は、はっきりしておきたい」


 ジア少佐の目が、さらに見開かれる。

 その目には、あからさまな不信感が籠っていた。

 しかし、内心汗をかく一木とは対照的に、グーシュはそんな視線にさらされても、嬉しそうに頷いていた。


「うむうむ。美しい瞳の者よ、それでいい。あれ位でホイホイ異世界人を信用されたのでは、わらわの方が心配になってしまう。どんどんわらわを疑ってくれ。その果てに、少しばかりの信用が得られれば、わらわは嬉しい」


 グーシュお馴染みの人たらしセリフ。

 一木なら言われるたびに調子に乗りそうなセリフだが、ジア少佐は大きな目でジッと見るだけだ。

 しばし、そのまま見つめ合っていた二人だが、十秒ほどしてジア少佐の方が先に折れた。

 少し不機嫌そうに腕を組むと、大仰に息を吐いた、


「ならそうさせてもらおう。……ところで、聞いておかないとおけないことがあるんだが……」


「ん、なんだ?」


「なんで、重巡洋艦の端末がこんな所にいる?」


 ジア少佐の言葉と共に、部屋の視線が先ほどからグーシュの袖を掴んで背後に立っていた重巡洋艦のSAに集中した。

 締まりのない笑みを浮かべていた重巡洋艦は、視線に気が付くとにやけた顔を引き締めた。


「ふっ……艦隊参謀と参謀部課長ともあろう方々が、なぜワシがここにいるのかもわからんとはな……」


 いかにもカッコつけたような言い回しでもったいぶると、重巡洋艦はグーシュを後ろからギュッと抱き締めた。


「重巡洋艦オダ・ノブナガ。グーシュ(ねえ)の護衛として、地上派遣軍に艦内警備端末を一機提供する! 一木代将、以後よろしく頼むぞ!」


 絵にかいたような見事なドヤ顔で宣言すると、オダ・ノブナガは満足そうにグーシュに甘えだした。

 一木はジア少佐の方をちらりと見る。


 大きな目を顔が歪むのも構わずに半眼にして、キャッキャッと騒ぐ重巡洋艦の端末を睨んでいる。

 続いて殺大佐とミラー大佐を見るが、二人は首を横に振った。


「このことは、俺が信用されてなくて聞かされてなかったわけじゃなさそうだな」


「いやあ、ここに来る輸送機発艦の時にもんのすごい駄々をこねてな。連れて行けとあんまりにも騒ぐから、サーレハ司令にわらわが許可を取って端末を一人連れてくることにしたのだ。なんでも、常に同期? しているからこの者一体いるだけでいいんだそうだ」


 ボヤキにも似た調子で一木が呟くと、グーシュがやんわりとオダ・ノブナガの手を体から引き離しながら言った。


 オダ・ノブナガがこの世の終わりの様な表情を浮かべているのが見えて、一木は笑い声が洩れそうになった。


「まあ、そう言う事なら問題は……」


 一木がミラー大佐、殺大佐、クラレッタ大佐の方をちらりと見ると、三人は軽く頷いた。


「ないな。ノブナガ……さん」


「SAは呼び捨てにしなさい」


 ノブナガを呼び捨てという事に抵抗を感じた一木だったが、案の定ミラー大佐から叱責が飛んだ。

 クラレッタ大佐に頭をどつかれているミラー大佐を横目に、咳払い代わりにモノアイを一回りさせて言い直す。


「重巡洋艦オダ・ノブナガ。歓迎しよう。殿下の安全は君に任せた。よろしく頼む」


「うむ。ワシに任せろ!」


 勇ましい重巡洋艦の声に、どこか安心感を覚えた一木は胸を撫で下ろした。

 また面倒ごとかと身構えたが、幼いSAが一人来たくらいでは問題にならない。

 グーシュの身の安全をより完全に保てることを考えれば上々だ。

 

「ジア少佐と、他の課長も大丈夫か?」


「大丈夫でーす」


「ああ」


 課長たちのバラバラな返事。

 それを聞きながら一木は、グーシュを交えた状況で再度作戦の確認を行うことにした。


「さて。それではグーシュも交えて流れと細部を再確認だ」





「間違いないのか? 本当に、間違いないのか?」


 ルイガ皇太子の焦った声が、帝城の皇太子私室に響いた。

 椅子に腰かける彼の前には、膝をつくセミックが、苦渋に満ちた表情を浮かべていた。


「間違い、ありません。ガズル様からの情報を精査した結果、イツシズが私兵を帝都に集結させているのは事実です。そして、法務関連の官吏に確認したところ、やはり同様に間違いなく、国葬の最中は近衛騎士団に帝都の全権が集中します……」


 セミックの言葉を聞いて、ルイガ皇太子は立ち上がり、セミックを力いっぱい抱き締めた。

 それはセミックを守るようで。

 それでいて幼子の様に縋りつくようで。

 もしこの光景を見る者がいれば、どんな者でも帝国の後継者であるこの偉丈夫に失望するであろう、情けなくも哀れな光景だった。


「イツシズが、帝都の全権を手に入れれば……セミックは、セミックはどうなる?」


 分かり切った質問。

 だが、それでもルイガ皇太子は聞かずにはいられなかった。

 セミックが否定の言葉を紡ぐ可能性が一厘でもあれば、聞かずにはいられなかった。


「このまま大人しくしていれば、間違いなく消されます。殿下が、危険な目に遭う可能性は低いですが……」


「お前のいない安全に何の意味がある!!!」


 咆哮と共に、ルイガ皇太子は最強のお付き騎士を骨もくだけんばかりに強く強く抱きしめた。

 皮鎧がギシギシと音を立てたが、セミックは苦悶一つ上げなかった。


「殿下……」


「愛する妹を殺し、文官崩れの爺にこびへつらって……それでもやってきたのはお前がいたからだ! それを……あいつは俺から全てを奪おうというのか……あ、ああああああああ!」


 セミックは考える。

 全ては自身の過失だ。

 イツシズという知恵者なら、先の約定通り手打ちにするという、自身の甘い考えだ。

 結局のところ、あの男はそんな人間では無かったのだ。


 騎士の鎧を着た匹夫に過ぎないかった。

 欲深く、悪知恵の働く、汚濁の様な匹夫だ。


 そんな男に、みすぼらしく汚い老人に、なぜ、お付き騎士の自分が命と主の平穏を渡さなければならない!


 そう思った瞬間、セミックは決断していた。

 自身に抱き着く偉丈夫の強い抱擁を一息で振りほどくと、驚く主の両肩を強く握り、驚く顔に口づけする。


 イツシズの兵力は強大だ。

 私兵約三百人。

 近衛騎士約七百人。

 それに加えて、国葬の最中指揮下に置かれる帝都騎士団約四千人。


 対してお付き騎士は協力者を含めても二百人足らず。

 しかも、ここから帝都外にいて入れない者や、主の命令で戦いに参加しない者もいるだろう。


 ならば。

 叶わないのならば。

 主の命を優先して死のうとしていた。

 あの狡猾なイツシズにはとても敵わないと、諦めていた。


 だが、自分の命が、主にとって全てなら。

 主の命だけ助けて何の意味があるのか。

 

「生きましょう、ルイガ」


「セミック……」


「生きて、絶対に生きて。一緒に、この帝国をよい国にしましょう」


「ああ、ああ! しかし……手はあるのか? すでに帝都は近衛騎士に封鎖されていて、逃げる事も……」


「手はあります。敵は、帝国の法や慣例、規定を利用して帝都の権限を手中に収めました。ですがそれゆえ、その法には逆らえない。国葬は基本三日間の日程で終了することになっています。つまり、終わるまで籠城することで活路を見出します。帝都を掌握する法的根拠さえ失わせれば、帝都騎士団四千人は奴らに従う根拠を失います。そうなれば、必ずや我らに味方する者も出るでしょうし、奴らに反旗を翻す者もいるでしょう」


「それはそうかもしれないが……だが、籠城? 我々を粛清するために手を尽くしている奴の手から、三日間耐えるような籠城場所が、この帝都にあるのか?」


 ルイガ皇太子の疑問は最もだ。

 お付き騎士やルイガ皇太子には、籠城するような拠点は存在しない。

 帝城に一定の区画は保有しているが、到底防衛可能なものではない。


 また、逃げ回る事も困難だった。

 この帝都は、貧民街を意図的に作らせないように道幅が広く作られ、造成以来徹底して路地裏の様な場所を作らないように管理されていた。(実際には貧民街が無いわけでは無い。とはいえ不衛生な区画も無いので、無意味では無かった。)


 そんな場所で、庶民にはまずいない筋骨隆々の偉丈夫がうろつけば、見つからないはずがない。

 ましてや、ルイガ皇太子は庶民の人気も低い。

 市街への潜伏に必須である、民衆からの協力は望めないだろう。


「大丈夫です殿下。籠城に適したうってつけの場所があります」


「そんな場所が……」


 訝しむ皇太子に、セミックは力強く頷いた。


「大丈夫です殿下。どんな相手でも、刃を握る手首が一番脆いものです」






「……」


「いやなんで俺まで……」


「お黙り」


 一木とグーシュ、課長たちが退室した後のブリーフィングルームで、床に正座したミラー大佐と殺大佐を、クラレッタ大佐が見下ろしていた。


 いわゆる、説教タイムだ。


「ミラ―……あなたねえ、どうしてああなの? 好きな子に意地悪する子供じゃないんだから……」


「別に、好きじゃないし……悪いのは一木だし……」


「え、人間って好きなやつに意地悪すんの?」


 殺大佐がアンドロイドにとっては素朴な疑問を口にしたが、クラレッタ大佐は反応しなかった。

 人間型に戻ったミラー大佐にくどくどと、わざわざ口頭で説教していく。


 ミラー大佐は涙をポロポロ流していたが、三十秒ほどで眼球洗浄液を使い切り、辛そうな顔でクラレッタ大佐の小言を聞いていた。


 そんな様子を正座しながら、矛先が自分には対して向いていないので暇そうにただ眺めていた殺大佐だったが、不意にクラレッタ大佐の説教が止まり、視線を殺大佐の方へと向けた。


「うわ! クラレッタ悪かっ」


 殺大佐が言い終えるよりも早く、たった一歩の踏み込みで滑るように殺大佐に肉薄したクラレッタ大佐は、凄まじい速度で殺大佐の顔面に向けて拳を放った。


 瞬間、拳は殺大佐の真横。

 何も無い空間で止まった。


 寸止めなどでは無い。

 見えない何かに、とてつもない力でつかまれたように、拳が歪んでいた。


「な!?」


「誰かいる!」


 この状況に座っていたミラー大佐と殺大佐も反応した。

 さすがに参謀型の二人だ。

 即座に立ち上がり、不可視の存在に対処するべく戦闘態勢を取ろうとする。

 だが叶わなかった。

 立ち上がった瞬間、参謀型のバランサーをかいくぐる圧倒的な威力の足払いをくらい、なすすべなく転倒する。


「痛いよう……」


「いってぇ……」


 あまりの出来事に即応できない二人だが、なぜかここに来てクラレッタ大佐の反応は鈍かった。

 そして、倒れていた殺大佐もそれに気が付いていた。


「……この流れジーク相手にクラレッタがやったのと似てるな。もしかして身内か?」


「ええ、殺。一番会いたくなかったのが来たわね。サーレハの差し金?」


 クラレッタ大佐の言葉と共に、光学迷彩を解いて現れたのは、赤いベレー帽にラフな着こなしで異世界派遣軍の野戦服を着込んだ二人の女性型SSだった。


 歩兵型の様な省力化ボディではない。

 純粋な戦闘に特化した研ぎ澄まされた構造の、戦闘特化型のアンドロイドだ。


「マリオス……アイナ!」


 ミラー大佐が驚きの声を上げる。


「お前ら……稼働してたのか!」


 殺大佐の言葉に、マリオスとアイナと呼ばれた二人は、楽しそうに含み笑いを浮かべた。


「ああ、してたよー。ついさっきだけどね。さっきまでいた異世界人のガキと一緒に、ここに来たんだ」


「しばらくぶりに起きたら、042の特務課もレベルが落ちたな。そんなんだからあたい達が呼ばれるんだよ」


「呼ばれた? サーレハ司令にですの?」


 握られた拳を振りほどきながら、クラレッタ大佐が聞いた。

 マリオスとアイナは、やはり楽しそうに笑った。


「当然さ。あたい達を呼ぶのは、いつだってあのヒゲだよ。なあに、心配すんな。単純に、あのサイボーグの護衛に来たんだよ」


「そうそう。あの異世界人のガキと一緒に、帝都って場所に行って指揮を執るんだろ? ()()だからってな……」 


 アイナの()()という言葉に、ミラー大佐が反応した。

 無理もない。

 いかに一木という重要な存在であろうとも、ルーリアト帝国の戦力相手ならばそうそう危険など迫る筈もない。


「危険……サーレハは何を知っているの? マリオス!」


 ミラー大佐の大声にも、マリオスとアイナは動じない。

 ただただ、楽しそうに笑っている。


「あたい達は、ただ一木司令を守れと言われただけさ。そうしてれば、面白い事があるってな」


「面白い事?」


「そそ。面白い事。なあ、そろそろいいかな? こちとらホモ野郎にいきなり殴られてるんだ。作戦の概要も分かったし、そろそろ命令に戻りたいんだが?」


 クラレッタ大佐を罵倒する言葉に、ミラー大佐と殺大佐の表情が怒りに染まるが、クラレッタ大佐は涼しい顔をしたままだ。

 そのまま、無言で手でドアの方を指し示した。


 相変わらず笑ったまま、二人のアンドロイドは光学迷彩で姿を消した。

 廊下を歩く微かな軋みだけが、一瞬聞こえた。


「く、クラレッタ兄!」


「黙りなさいミラー」


「いやクラレッタ何を落ち着いてるんだよ! あの二人を稼働させるなんて、サーレハの奴また何か掴んだんじゃないのか? もしかしたらナンバーズがまた……」


「その可能性はありますわ……けれど、今の私たちにはナンバーズに対処することは出来ないし、その能力もありませんの。それならば、サーレハ司令の思惑にのるしかありません。司令があの二人を護衛にすることが有効だと判断したのなら、それ以上の事がわたくしたちに出来る訳でもなありませんわ」


 クラレッタ大佐の言葉に、二人は押し黙ってしまった。

 結局のところ、ナンバーズという強大な存在に対処する方法は未だ確立されていない。

 唯一サーレハ司令という、ナンバーズとかねてより繋がりがある存在しか、その方法の糸口を知らないのだ。


 しかし、それでもなお心配そうにミラー大佐が呟いた。


「でも……あの二人が一木を守ると思う?」


 ミラー大佐の言葉に、クラレッタ大佐は俯いた。

 そして彼もまた、自分に言い聞かせるように呟いた。


「たとえ、異世界の市民を何万人も殺した……殺しすぎておかしくなった奴でも、艦隊司令が有用と判断したなら……信じるしかないわ」

 

 マリオスとアイナ。

 かつてカルナークで、赤ん坊殺し(ダニャペペ・リッパー)と呼ばれたアンドロイド二人が、ルーリアトで動き出した。


 かくして、役者はそろった。


 ドブさらいの日が。

 王道の日が。

 この地に迫っていた。

胡散臭い新キャラの登場。

セミックの策とは?

いよいよ次回より、第四章も大詰め!


第32話 ドブさらい計画

お楽しみに。


次回更新は31日の予定です。

それでは。

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