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地球連邦年表

この年表には一部ネタバレが含まれます。


2099年までは二章読了後にお読みください。


それ以降は三章読了後にお読みください。


西暦

1990年

・東西ドイツが統合

一木弘和(いちぎひろかず)誕生


1991年

・湾岸戦争

・ソビエト連邦解体


1993年

・ヨーロッパ連合(EU)発足


1997年

・香港、英国から中国へと返還


2001年

・アメリカ同時多発テロ

・アフガニスタン戦争

・エール財閥、宇宙関連事業、ロボット事業への巨額投資を開始


2003年

・イラク戦争


2010年

・アラブの春により中東民主化の流れが起きる


2011年

・シリア内戦

・東日本大震災発生


2014年

・ウクライナ内戦


2017年

・アメリカ大統領にドナルド・トランプが就任


2019年

・中国武漢市で大規模な爆発事故、死傷者20万人以上


2020年

・イギリスがEUを離脱

・東京オリンピック開催

・一木弘和、交通事故により意識不明の重体


2021年

・アメリカ、アフガニスタンからの撤退を治安悪化を理由に延期


2022年

・トランプ大統領親アメリカ勢力への支援拡大を表明

・ベネズエラ内戦

・ミャンマー内戦に中国が軍事介入


2024年

・アメリカ宇宙軍正式発足。同時に宇宙戦闘部隊と月面基地建設計画始動


2025年

・シリア内戦終結


2026年

・エール財閥の医療部門により脳冷凍処置実用化


2028年

・EU常備軍創設

 

2029年

・一木弘和、脳冷凍処置を受ける


2031年

・クルド独立戦争勃発

・米英によるアフリカ大陸からのイスラム国掃討作戦が実施

・中越紛争


2033年

・東西ウクライナ戦争

・シリア、ロシア支援の下、国営軍事会社を発足

 いわば国ぐるみの傭兵会社で、ロシアの国益になる戦場ならばどこにでも出没した。のちにイランも加わり、各地で猛威を振るう。


2034年

・2月24日 ロシア、ウクライナ内戦に介入

・2月30日 ロシア、ウクライナ全土を軍事制圧

・3月3日 プーチン大統領、キエフで新ソビエト連邦設立を宣言

・3月10日 新ソビエト設立宣言

・3月11日 プーチン大統領死去

 長らく暗殺を疑われていたが、2064年の情報公開で転倒した事による事故死であることが判明。

・3月14日 新ソビエト、実質的に崩壊

・4月7日 新ソビエトの行政機能、キエフに移行

・8月24日 新ソビエト消滅 ロシア・キーウ連邦(通称新ロ)発足

・9月20日 新ロ大統領選挙でコメディアンのゼレンスキー氏が当選

 

2035年

・EU内で欧州統合推進派と非推進派の対立が激化

・東欧を中心に暴動や弾圧が頻発

 これにEU常備軍の一部が無断で参加。内戦の様相を呈し始める。


2036年

・トルコ、EUに対してアラブ系住民の保護及び自治権の付与を求める。EUは黙殺

・極右思想をもったドイツ軍の部隊が独断でアラブ系住民の居住地を襲撃し、返り討ちにあう。これによりトルコがEU内のアラブ系住民に武器を供与している事が明らかになる


2039年

・東シナ海海戦勃発

 米日と中国による艦隊戦。空母同士の戦闘よりも地上発射式極超音速対艦ミサイルが猛威を振るい、米中の空母に甚大な被害をもたらした。勢力図に変化はなく損害は互角だったが、影響は大きく各国は艦隊を動かしての大規模な軍事行動に二の足を踏むようになる。


2041年

・二つのナチスによるヨーロッパ内戦勃発

 ヨーロッパ全域でEUの可否を巡って暴力を伴う激しい弾圧が巻き起こる。独仏を主とするEU強行推進派と英伊を中心とする反EU派が軍閥化した軍や警察の部隊を巻き込み武力衝突に発展した。両陣営共に相手を「彼らはナチスの再来である」と非難した事から「二つのナチス」と称される。

・アメリカ宇宙軍、宇宙ステーションを建設開始。同時に最初の宇宙戦闘部隊を配備


2043年

・中国宇宙軍、戦闘能力を持つ初の宇宙ステーション、宇宙要塞の建設を開始


2044年

・原油等の枯渇が現実的になり、エネルギー危機への不安から経済が世界的に低迷

・米中、ほぼ同時に核融合炉実用化と月面開発による燃料のヘリウム3確保によるエネルギー危機解決を宣言し、それぞれ協力国を募る


2045年

・米中エネルギー冷戦

 核融合炉開発陣営がそのまま米中陣営の構成国となり対立が激化。


2048年

・アメリカ宇宙軍、プトレマイオスクレーターに軍事基地を建設開始

・中国宇宙軍の宇宙要塞が原因不明の爆発

 中国はアメリカによって撃破されたと主張するがアメリカは否定


2049年

・中国政府、核融合炉の実用実験に成功

・アメリカ宇宙軍、ヘリウム3の採掘に成功


2050年

・中国政府、2060年までの核融合炉実用化を宣言

・アメリカの実験炉で爆発事故

・中国やアフリカで環境汚染が深刻化(核融合炉開発の影響と見られる)


2051年

・アメリカ、中国へのヘリウム3の供給、売却を拒否

・中国宇宙軍、天帝作戦発動

 ハッキング等による電子戦を行い、その隙に大規模な宇宙軍歩兵部隊をロケットで打ち上げる事に成功。ロシア、中立を宣言するも以後中国宇宙軍への補給を担う。

・中国政府、アメリカがヘリウム3の売却を行わない場合、月面を実力で制圧すると宣言

・アメリカ、月への侵入が行われた場合中国の核融合炉開発施設を空爆すると宣言。これにより両陣営の緊張が高まる


2052年

・1月から米中と仲介のロシアによる和平交渉が断続的に行われる

・6月、交渉が決裂。中国宇宙軍、月に移動を開始

・アメリカ軍、地球規模で戦闘態勢に入る。各国も軍事行動に備える

・ナンバーズの来訪

 7月7日、月軌道に中国宇宙軍が侵攻するのと同時に、中国軍とアメリカ軍の間に割って入るように突如巨大な円形の鏡面が現れ、中から1隻の宇宙船が現れた。両軍及び地球上の各国部隊は一時的に戦闘行動を停止。

・7月8日

 宇宙船から全世界に対して会談を呼び掛ける通信が行われる。言語は英語だった。最も宇宙船に近かった米中の宇宙軍指揮官が会談に赴く。

・7月9日

 米中両政府停戦を宣言。同時にナンバーズの来歴と彼らの主張が地球上に伝えられる。

・8月1日

 ナンバーズの求める地球規模の停戦協定が結ばれる。

・10月

 主要国が停戦状態に入った結果、アフリカや中東における紛争が激化

・10月末、第一次大粛清

 ナンバーズにより北アフリカ一帯に対する軌道上からの砲撃が行われる。死者推定3億人

・11月

 地球上での紛争、大半が停止される。これに伴いナンバーズの求める地球規模の統一政府構築への動きが加速する


2053年

・地球連邦樹立構想発表

・無線電気受信装置が各国に供給され始める

・ダイソン球からの無線送電が試験的に開始

・ナンバーズ及び主要国。ダイソン球、アンドロイド、ベーシックインカムをナンバーズによる恩恵三本柱として公表


2054年

・ナンバーズが製造した最初の地球人方アンドロイドが公開

・ナンバーズ、アンドロイドの製造委託先を公募開始。アダルト用品製造会社だったサガラ社、公募に参加


2055年

・ダイソン球からの無線送電が本格的に開始される。これによりエネルギー問題はほぼ解決される

・産油国やガスパイプライン等の既存エネルギー関係者へベーシックインカムが先行実地される

・最初の地球製アンドロイド公開。人間的な動作や感情表現に注目が集まる。だが、中でも一番注目を浴びたのはサガラ社による外観や匂い、質感などに関する技術だった。以後アンドロイド開発は加速していく

・一部宗教勢力がアンドロイド技術及びナンバーズを神に背くものと宣言。また反EU勢力の一部も地球連邦政府への参加を拒否。これ以後ナンバーズ信奉者、”札付き”とアンチナンバーズの対立が激化する

・サンフランシスコで地球連邦設立準備会議が設立される


2057年

・パートナーアンドロイド構想発表

・労働用アンドロイドのServant Labor(通称SL)の企業向け貸与開始

・ベーシックインカム制度、各国で対象を絞りつつ開始される。以後順次対象と金額が拡大される

・最初のパートナーアンドロイド(通称PA)の支給が日本で開始される。以後順次支給国が拡大される


2058年

・パリ、ニューヨーク、東京、ダマスカス、イスタンブールで大規模な爆破テロ発生

 アンドロイド反対の宗教系過激派によるものだった。

・地球連邦政府準備会議、軍事用アンドロイドServant Soldier(通称SS)の初期型を公開

 この段階では戦闘方法を教育しただけで、素体はPAやSLと同型だった


2062年

・地球連邦政府設立

 首都はサンフランシスコ。ナンバーズと地球連邦政府準備会議により当面の間暫定政府を運営することになる。

・地球連邦軍設立構想の発表

 この段階では地球連邦政府は固有の軍事力を持たず、武力行動にはシリア・イランの国営軍事会社が用いられた。


2064年

・ダイソン球の関連技術習得のため、連邦政府管理下の宇宙船がナンバーズから供給される

・米中露の宇宙軍、合同で空間湾曲ゲートの管理部隊を設立


2065年

・ベーシックインカム受給率が六割を突破

・パートナーアンドロイドの支給開始が本格化

・60年代中にベーシックインカムとパートナーアンドロイドの受給率を八割以上にする目標が発表される

・目標発表後、アンチナンバーズ派の動きが活発化


2066年

・メガ・ラッダイト運動(アンドロイド打ちこわし運動)の開始

 アンチナンバーズ派市民によるアンドロイド及びアンドロイドを保有する個人、企業の襲撃が世界規模で同時多発的に発生。特にアフリカやアジア、南米では軍人、武装勢力、テロリストなども参加し、治安が悪化する。

・地球連邦政府、SSを主力とした地球連邦軍を世界に向けて公表。同時にメガ・ラッダイト運動を制圧するとして治安維持に投入する。SSの制圧能力は圧倒的で、年末までに運動は鎮静化する。


2067年

・地球連邦軍、SSの第二次生産分が配備され30万人規模に。

・連邦政府、メガ・ラッダイト運動の首謀者を反連邦テロリストであると認定。捕縛のため軍事行動を開始

・作戦開始二ヶ月で主要作戦終了。以後掃討作戦に移行


2068年

・第二次大粛清開始

 掃討作戦の途中からアンドロイド部隊が連邦軍の指揮下から外れ、ナンバーズの指揮で動き始める。以後反連邦活動と無関係の途上国の貧困層が軌道上からの毒ガスや細菌兵器散布により虐殺される。

・7月、第二次大粛清終了

 死者数20億人。以後アンドロイドへの不信感が強まる。

・カシム・サーレハ少年、大粛清に参加していたSSに保護される


2069年

・穏健派アンチナンバーズによるローマ宣言

 アンドロイドを使わない。アンドロイドに出会わない。アンドロイドに攻撃されない。の三つの権利を求めて、非アンドロイド特区を地球上に設ける事をナンバーズと地球連邦政府に求めた。

・地球連邦政府、ローマ宣言への対応を巡り政府内で対立が深まる

・ナンバーズによる非常事態宣言”No00(ナンバーダブルオー)”発令。政府の実権がナンバーズへと移る。


2070年

・地球連邦政府、ローマ宣言を受諾

 ただし非アンドロイド特区が設置されるのは火星だった。特区への移住は即ち、過酷な火星開拓団への参加と同義であり、ローマ宣言への賛同者は次々に宣言から離脱していった。

・地球連邦政府、24時間以内にローマ宣言からの離脱を宣言しない場合、火星開拓団へ強制参加させると宣言。離脱の動きが加速し、宣言は取り下げを余儀なくされる。


2071年

・地球連邦軍により、ローマ宣言から離脱しなかった人々とアンチナンバーズの幹部が拘束される

 強制収容所に入れられた彼らは、強制的に火星開拓の訓練を受けさせられ順次ナンバーズの宇宙船で火星に移送された。最終的に12万人が火星に強制移住。


2072年

・ナンバーズの直接統治によりベーシックインカムとパートナーアンドロイドの受給率が9割を突破

・地球連邦宇宙軍、初の宇宙艦隊を配備。初の戦闘艦艇としてタイコンデロガ級宇宙巡洋艦を公開


2075年

・地球連邦宇宙軍、ナンバーズの宇宙船をコピーしたワシントン級宇宙戦艦の建造をプトレマイオス工廠にて開始

・地球連邦宇宙軍、ダイソン球のあるエデン星系の調査活動を開始


2076年

・ワシントン級宇宙戦艦1番艦”ワシントン”進宙

・エデン星系内に9つの空間湾曲ゲート開放ポイントが発見される


2079年

・地球連邦政府の実権、ナンバーズから暫定政府に移管される。暫定政府、2082年に地球連邦議会の選挙と地球連邦大統領選挙を行うことを宣言

・地球連邦議会に選挙区抽選制が導入されることが決定

・各国の政党、主張や政策ごとに連立を組み始める。大統領候補者や議会立候補者の党内予備選挙も活発に行われる


2082年

・議会選挙及び大統領選挙が行われる。完全なオンライン電子投票によって行われ、投票率は98%

・第一党はナンバーズ及び連邦支持の連邦共和党。大統領にはアメリカ合衆国出身のホセ・ガブリエルが当選。彼は熱狂的ナンバーズ支持者だった。


2083年

・火星に最初の都市”フリーダム”が完成

・火星自治政府が発足

 運営は宗教指導者、政治家、技術者から選出された評議会が行う。

・評議会、移民宇宙船を改造してスペースコロニー”ジャスティス”を建造することを宣言


2084年

・エデン星系で発見された空間湾曲ゲート開放ポイントに実際にゲートを開き調査した結果、もっともエデン星系中心部に近いαゲートの先に文明がある事が判明する

・地球連邦政府、調査任務のために外惑星派遣軍を創設

 艦艇の操作を専用のAIで行うServant Armor(通称SA)を本格導入し、少人数での調査活動を可能にした。


2085年

・火星人口が五万人を下回り社会維持が困難になる

・火星移民に同情的な議員の提案により、火星移住の自由化と火星への定期的人道支援法案が可決される


2088年

・外惑星派遣軍、αゲートへ調査艦隊を派遣

・外惑星派遣軍、移動先の星系に有人惑星を発見

・有人惑星のカルナーク代表者集中共和国から通信を受ける

 この際の交信では互いに円周率や歌を聞かせ合い、友好的な交流をもった。

・惑星カルナークの宇宙ステーションにてカルナーク人と初めて会談

 未知の疫病などへの懸念から宇宙服を着たままでの交流だった。双方、相手が自分たちと似通った姿をしている事に驚きをもつ。ここでは主に言語情報を交換し、年内には基本的な意思疎通が可能になる。


2090年

・連邦共和党、パートナーアンドロイドの外見規制法を選挙公約に掲げる

・議会選挙にて連邦共和党を始めとする保守政党大敗

 親ナンバーズかつリベラルな政党が躍進し、第一党に青の党を中心とする連立政権が付く。

・大統領選挙では連邦共和党のカーナード・ロペスが当選。トランプの再来と呼ばれるポピュリストで、「人類の発展のためなら何でもする」が公約だった。彼の当選により大統領と議会第一党が異なるねじれ現象が発生し、政治の停滞が危惧される。


2091年

・火星の環境安定化

 人道支援に伴い地表ドーム都市、地下都市、スペースコロニーの建設ラッシュが発生。労働者の不足が起こり、評議会はネットを通じて「火星はアンドロイドとナンバーズのいない人類の楽園」との宣伝を活発に行う。

・火星移民、85年以降40万人を突破

・惑星カルナークの環境が地球とほぼ同等な事が判明。いくつかの病気に対するワクチンを相互に打つことで対面交流が可能になる

・カルナーク人、地球人と遺伝情報がほぼ同一な事が判明

・地球連邦政府、カルナークに外交団を派遣することを決定 


2092年

・連邦宇宙軍、全ての艦艇をSA搭載型とすることを決定

 機動戦艦、軌道空母、戦列艦、重軽各巡洋艦、駆逐艦、護衛艦と言った現在に続く基本的な艦艇の枠組みも出来上がり、以後宇宙軍の規模は増大の一途を辿る。

・火星評議会、秘密裏に独立を画策。火星民主主義人類救世連合(通称火人連(かじんれん))を組織する

・カルナーク政府との交渉が長期化

 カルナークの特異な政体(民族浄化の肯定、代表と呼ばれる血族による独裁、亜人種を家畜にしている等)が問題になった。


2093年

・ロペス大統領によるカルナーク糾弾演説

 『五十年後。君の孫に、ヤーラシュとあいさつさせるのか? ハローとあいさつさせるのか? 今がその分岐点だ!』というフレーズで有名な演説。カルナークの脅威を訴える演説だったが、議会とのねじれによって停滞する政治を対外戦争で打破することが目的だったと言われている。

 ※実際問題として、ダイソン球の隣に自力で宇宙ステーションを建造する国家があるのは非常なリスクを伴っていた。そのため、カルナークの排除を主張する強硬派は場所を問わず多かった。

・ナンバーズ休眠

 ロペス大統領のカルナーク糾弾の直後、ナンバーズが休眠する事を宣言。統治権を正式に地球連邦政府に移管する。以後ナンバーズのボディはサンフランシスコの国会議事堂に飾られることとなる。

・ロペス大統領、ナンバーズからの課題を公表

 ナンバーズから「星間国家樹立」という課題を託されたと会見で公表したロペス大統領は、カルナークの悪の政権を倒す事で早期に課題を達成できるとした。

・外惑星派遣軍の異世界派遣軍への再編が決定

・カルナーク政府との外交交渉の一方的打ち切り


2094年

・異世界派遣軍の主力歩兵SSのコンペティションが行われ、SSTLが採用される

 この一件により、サガラ社とその天才技術者賽野目博士の名が知れ渡る。

・歩兵型アンドロイドの基本形であるSSTLー01FGロールアウト

・指揮官型アンドロイドのSSTLー01Cロールアウト

・高級装備と量子通信装置を搭載した参謀型アンドロイドのSSTLー01MSロールアウト

・異世界派遣軍総旗艦ワシントンを中心とした大規模な宇宙艦隊が整備される

・パールハーバー作戦

 12月8日、宣戦布告と同時に惑星カルナーク全土の軍事施設、部隊、艦艇に対する軌道上からの空爆が行われる。カルナークの人工衛星及び宇宙ステーションは全て撃破され、軌道空母の投入により制天権が確保される。以後軌道上の艦艇と軌道空母から発艦した航空機による攻撃により、カルナーク軍のめぼしい戦力は撃破される。

・ロペス大統領勝利宣言

 12月23日、ロペス大統領はカルナークから軍事力は一掃されたと勝利を宣言。クリスマスをゆっくり過ごした後、カルナークを占領し素晴らしい新年を過ごせると楽観的な見通しを見せた。


2095年

・火星民主主義人類救世連合建国

 火星評議会、地球連邦政府に対して独立を宣言。ロペス大統領を始め、地球連邦政府は宣言を無視。大統領は「新年早々のつまらないジョーク」とコメント。しかし、以後火人連は地球の支援と移民を元に勢力を拡大。

・カルナークへの地上戦力の展開が進む

・カルナークの亜人種アイアオ人の生体レンズ採取牧場が解放される

・アイアオ人を主体にしたカルナーク国民政府が樹立。住民は激しく反発し抗議運動が多発


2096年

・カルナーク軍総軍師長にバダ・グリ66241・一等カルナークが就任

・バダ軍師長による地球軍観察作戦開始

 これ以後しばらくは目立った戦闘も起きず、異世界派遣軍の占領政策は着実に進展した。

・火人連、火星陸軍と火星宇宙軍設立を宣言

 火星軍の規模は小さく、ロペス大統領は目立った対策を取らなかった。


2098年

・ロペス大統領退任

  二期八年務めたものの、カルナーク占領の長期化により支持率が低下。身動きの取れないレームダック化の末の退任だった。

・連邦議会選挙及び大統領選挙

 ロペス大統領に対する反発から、反ナンバーズリベラル系のダニエル・リーが大統領に選出され、議会も反ナンバーズリベラル勢力の連邦民主党が第一党となる。

 

2099年

・カルナークにおいて市民の間に反地球感情が広がる

・カルナーク軍、核の傘作戦を開始

 地下秘密基地からICBMを発射し、核爆発に伴う電磁パルスを利用して異世界派遣軍をかく乱。人間の指揮官を殺害するという強硬策だった。カルナーク人死傷者100万人以上。異世界派遣軍死者2600人。損壊アンドロイド二万体以上。

・カルナーク軍、アイアオ人部隊による超長距離狙撃戦術を開始

・カルナーク軍、赤ん坊爆弾”ダニャペペ”による襲撃を開始

 これ以後異世界派遣軍の駐留部隊に被害が続出。地球に厭戦感情が広がり始める。

・異世界派遣軍、カルナーク軍の地下秘密要塞をほとんど把握していなかった事が判明する

 

2100年~2103年

・カルナーク軍、民間人を盾にした作戦行動により異世界派遣軍に出血を強いる。

・リー大統領、カルナーク市民を守りながら敵の強硬派のみを叩く二正面作戦を表明。

 市民感情までをも考慮すれば一番早期の終戦が望めるという論法だったが、実態としては現場に過度の負担がかかり、被害が増大した。

・異世界派遣軍、特殊仕様のアンドロイドの投入により戦局打破を図る

 ・偵察用複眼装備アンドロイドロールアウト。(ダグラス大佐と同型)

 ・近接戦闘特化型アンドロイドロールアウト。(クラレッタ大佐と同型)

 ・要塞歩兵構想の素体アンドロイドロールアウト。(ポリーナ大佐と同型)

   ※これら三機種はコスト等の問題で正式採用されず。

 ・文化収集型アンドロイドロールアウト。(シャルル大佐と同型)

  ※この機種は後に文化参謀用として正式採用。

 ・端末統制型アンドロイド、試作機完成(殺大佐及び猫少佐と同型)

  ※統制アンドロイドが端末アンドロイドに過度な感情を抱くため開発停止。端末アンドロイド試作機は実戦試験で破損して残存一名のみ。

 ・全長8mの人型戦闘兵器、強襲猟兵の初期型ロールアウト。

  ※機種名はAHMー01 ティーガー ジーク大佐の最初の機体。

 ・艦隊統制型アンドロイドロールアウト。(ミユキ大佐と同型)

  ※この機種は後に艦務参謀用として正式採用。

 ・防御力強化型アンドロイドロールアウト。(ミラー大佐と同型)

  ※この機種はこれ以後様々な用途で用いられるロングセラータイプとなる。もっとも、単純に豊満な見た目から製造されることも少なくない。

・ロクセータ市包囲戦において初めて純カルナークによる自爆攻撃が行われる

 部隊指揮官のハンス・ベルクマン大佐戦死。大佐には離婚後火星に移民した妻子がいたが、遺産の受け取りを拒否。

・カルナーク政策の迷走やPA規制の動きへの反発もあり、年末の大統領選挙でリー大統領落選。議会選挙でも連邦民主党が大敗


2104年

・非民主主義国家由来の政党である人民と鉄の党が第一党に。大統領にはイーゴリ・(ジャン)が選出される

・将大統領、任期中にカルナーク戦を終結させる事を宣言

・アンドロイド無制限製造開始

・国防長官及び参謀総長。物量、無差別、無慈悲の三方針を掲げる


2105年

・カルナーク人の犠牲者増大と反比例して、異世界派遣軍の人間被害者が減り始める。アンドロイド被害は増大。

・それまで完全に所在不明だった東大陸地下要塞の索敵に成功。軌道砲撃で水爆を投下し破壊に成功するも、大規模な地殻変動によりカルナーク人、異世界派遣軍共に甚大な被害が出る


2107年

赤ん坊殺し(ダニャペペ・リッパー)作戦開始

 カルナーク人に厭戦気分を広げるためと、厄介なダニャペペを封じるための作戦。地球の世論を考慮して秘密裏に行われた。

・年末、SNS上に赤ん坊殺し(ダニャペペ・リッパー)作戦の情報が流出

 情報を流したのは国防省の職員だった。この頃から反ナンバー系の官僚が増え始め、問題となり始める。

赤ん坊殺し(ダニャペペ・リッパー)作戦の指揮官、自殺。正式に作戦中止が決定。


2109年

・カルナーク政府が降伏

 戦争の長期化により、カルナーク政府から恩恵を受けた事の無い市民が増えたため、過酷な作戦行動に必要な忠誠心を持った人員を確保できなくなったためと言われている。

・事後処理のためカルナーク駐留軍が組織される

・アンドロイド無制限製造により余剰AIが七千万体分発生

・カルナーク星系内の空間湾曲ゲート開放ポイント先に複数の文明が発見される


2110年

・異世界派遣軍、異世界の融和的制圧作戦を継続することを宣言

 ※これ以後100以上の異世界が制圧下に入る。


2121年

・地球の出生率低下が問題になる

・子供がいる世帯へのベーシックインカム増額が決定

・単身者にもPAの受給者である事を条件に養子や代理出産により子供を持つことが許可、推奨される


2136年

・新型参謀型アンドロイドの素体を輸送中の航宙輸送船が遭難

・火人連政府、輸送船が領域侵犯したため拿捕したと発表

 輸送船及び輸送船のSAは返却されるも、積み荷は返却されず。(不幸中の幸いで、量子通信装置は素体に搭載されていなかった)

・輸送船を故意に火星に渡した疑惑で、国防省の職員が逮捕される


2141年

・統一共和党、青の党、人民と鉄の党、連邦労働党の四党が連立を組む。

・親ナンバーズ強硬派であるハインリヒ・フォン・ゾンダーブルクが大統領に就任

・連邦民主党、リベラル融和党、人類救済党の三党、野党連合を結成

 ※これ以後、与党連立政権とその出身大統領による地球統治が二十年以上続くこととなる。


2144年

・火星陸軍、新型サイボーグによる特殊部隊「円卓(ラウンズ)」を組織することを宣言

 136年に入手した参謀型アンドロイドの素体を基にしたと考えられている。技術的問題から十数体の製造が限界と考えられたことからこの部隊名となった。


2145年

・火星陸軍、技術的問題の解決により特殊部隊の規模を大隊規模に拡大。部隊名を「300(スリーハンドレッド)」へと変更


2146年

・火星陸軍、サイボーグ化手術に適性が必要な事が判明したため、部隊規模を五十名程度に縮小。部隊名を「RONIN」に変更


2147年

・惑星ワーヒドでグーシュリャリャポスティ誕生


2155年

・火星軍、安価で安定したサイボーグ技術を確立

 RONIN用の高性能サイボーグ技術を流用することで、非常に安定したサイボーグ製造技術を習得した。以後火星軍は構成人員のサイボーグ化を促進していく。


2159年

・火星陸軍、RONINを正式発足

 技術的問題の解決に手こずり、ここまでに製造されたサイボーグの大半が死亡していた。

・RONIN構成員の訓練開始


2162年

・一木弘和、55式強化機兵に脳を移植。目覚める

・一木弘和、SLのシキをPAにする申請を行うも却下される

・一木弘和、異世界派遣軍将官候補生に応募、合格


2163年

・一木弘和、将官学校に入学


2165年

・一木弘和将官学校を卒業。上級大佐に任官し、研修のため惑星ギニラスに赴任。

・ギニラス襲撃事件

・一木弘和、第042機動艦隊に配属

・一木弘和、ワーヒド星系において師団単独での作戦行動を開始

・一木弘和、グーシュリャリャポスティと会談

読者の皆さんには設定の羅列を読ませてしまい、申し訳ありません。

ただ、作者としては設定と本文のすり合わせが出来たので非常に有意義でした。


次回更新予定はすこしお時間を頂き10月5日。

しばしプロット作成に勤しみ、本編を開始したいと思います。

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