設定解説 感情制御型アンドロイドについて―3
アンドロイドの機能について
・戦闘、身体能力
機種によって大きく異なるので一概に言うのは難しいが、作者の脳内設定的にメタに言うと以下のようになる。
参謀型や一部の戦闘特化型……Fateシリーズの弱めのサーヴァント
一般的な歩兵型SS……攻殻機動隊の高性能サイボーグ
SL……人間の強めの軍人や警察官
・五感……以下は歩兵型のものだが、特殊なタイプ以外はSLを含めほぼ同じ部品を使用している。
視覚……両目の光学センサーは数キロ先の豆粒に書かれた文字を認識できる程。さらにレーダーや赤外線センサー等のデータと連動することでさらに詳細な情報を広範囲にわたって認識する事が可能。
ただし、これらのデータを常に認識すると内蔵コンピューターや精神を激しく圧迫するため、非戦闘時は数メートルから数十メートル圏内程度に認識範囲を縮小している。
この辺りアンドロイドの性格なども関わっているため、マリオスとアイナの様に精神を病んだ個体だと常時数キロ圏内の情報を収集、分析している事もある。
聴覚……視覚同様に強力なセンサーを内蔵しているため、犬並みの鋭敏さを備えていると言われている。
ただし視覚以上に人間のプライバシーを侵害する能力であるため、平時の制限は視覚以上に大きい。
触覚……人間と同等の感覚を備えたセンサーを搭載しているが、歩兵型の場合そのほとんどが手に集中しているためそれ以外の部位だと感じ取れない仕様になっている。
指揮官型や参謀型、人間と直接接する業務に着く個体程搭載箇所が増えていく。
最高峰は性産業に従事するSLや伝統産業に着く職人型の個体。
味覚……大半の個体に搭載されておらず、非常用に人体に有害な物質を(一部のみ)検知するセンサーが口腔内に設置されているのみである。
指揮官型以上の、人間と見た目が同様の個体になると単純な味覚だけを認識可能なセンサーが搭載され始め、人間と会食するような高級士官や人間の世話をする業務の個体になってようやく人間と同レベルの味覚が搭載されるようになる。
文化参謀の個体が最高レベルの味覚センサーを搭載していると有名で、シャルル大佐は「トンカツを揚げるのに使ったラードの豚の種類や産地も分かりますよ!」と豪語している。
嗅覚……味覚センサーと連動しているため、味覚センサーと概ね同じ搭載事情である。
だが、ほとんどのアンドロイドが人間に好かれたいがために自分では分からない体臭にこだわって体臭用のリキッドを仕入れ、自らの体に仕込んでいる。
そのため歩兵型や現場レベルの個体だと(非番の際)自分の体から悪臭を漂わせながらニコニコして近づいてくることがあるため、気が付いた人間はやんわり注意してあげよう。
・喜怒哀楽
喜……喜びの感情は人間から好印象を受けられると思っているため、ある程度こなれた個体は大抵ニコニコ笑っている事が多い。そのため慣れた人間だとアンドロイドのトラブルを見極める際、わざと厳しく叱責した際の反応を見てそのアンドロイドの状況を把握することが出来る。
怒……怒ったアンドロイドは人間に嫌われると思っているため、普通の個体はまず怒らない。信頼関係を築くとようやく嫌味や不満を匂わせてくるため、アンドロイド達と良好な関係を築きたいのなら、まずは怒鳴られたり軽く嫌味を言われる関係を作ろう。
哀……怒り同様にアンドロイドが隠す感情だが、感情と連動した眼球洗浄液の放出機能のためすぐに分かる。ただし、眼球洗浄液の放出量には個体差があるため、泣き虫ではない個体の場合感情が読み辛い。
楽……喜びに次いで表に出すことの多い感情である。ただし悲しみに次いでアンドロイドの意思に関係なく表面化する感情でもあるため、他の感情の陰にある楽の感情を読み解くのがアンドロイド管理の達人への近道である。
・三大欲求
食欲……バッテリー減少に対する危機感は持っている物の、食欲に相当する欲求は持っていない。
睡眠欲……意外な事に精神負荷を軽減する目的で睡眠を欲することがある。
機能をスリープモードにした上でデフラグと呼ばれる精神負荷をまとめる作業を機能停止して行うためだ。
性欲……「性行為は人間にとって重要な行為で、気を許した相手としかしない」と思っているため、信頼の証として気を許した人間に求めて来る事がある。
別にムラムラしたり子供を作りたいわけでは無く、単純に好きな人間から大切にされている証が欲しいと言う承認欲求から来る行動なので、不都合が無い限り受け入れてあげるのが望ましい。
ただしあまり無遠慮に行為に及ぶとアンドロイド達の関係性が歪むので、適度に節度を持つことが望まれる。
余談だが、人間のリアクションのせいか女性型アンドロイド程性的に積極的で、逆に男性型アンドロイド程抑制的である。
人間の女性が美男子とは言え男に強く言い寄られれば不安を覚えるのは当然なので、仕方のない仕様である。
・人間的機能
汗……汗の分泌機能は潜入工作用以外には搭載されていない。現状の技術だと衣服の汚れの原因となる事を避けられないためである。
涙……眼球洗浄液としてほとんどの個体に搭載されている機能。実のところ洗浄というよりも、感情表現手段として搭載されている機能で、実際涙を見てアンドロイドに親近感を持ったと言う意見も少なくない。
ちなみに減少した眼球洗浄液は口腔内に水分を流し込む事で補給される。これ以外の液体の補充も同様に口腔内に流し込む事で行われる。
鼻水……鼻水の分泌機能は潜入工作用以外には搭載されていない。ただし鼻水をすする音声は流せるようになっている。
顔色……感情表現のため感情と連動して顔色が変わるようになっている。またそれ以外にも、バッテリーの減少と共に青白くなるようになっている。
咳……発生する機能は搭載されていないが、音声と仕草で再現可能。
くしゃみ……発生する機能は搭載されていないが、音声と仕草でのみ再現可能。
唾液……主に人間との接触時に快楽をもたらすために搭載される機能。
様々な味やフレーバーのアンドロイド用唾液が発売されているため、キスの味はアンドロイドによって千差万別である。
美人アンドロイドとキスしたら和牛ステーキの味がしたりするので慣れていない人間は注意が必要である。
体液……こちらも様々な味やフレーバーのアンドロイド用体液が発売されている。ただ凝ったフレーバーの体液は意外とカロリーがあったりするので、毎晩営みをしていたら体重が増えたと言う異世界派遣軍の軍人もいたりする。
老廃物……基本的には老廃物は発生しないが、シャルル大佐のように味覚介助や業務で食べ物を食した場合のみ口から腹腔内の専用スペースにため込んだ食べかすを吐き出す必要がある。
体臭……基本的に無臭で、よくよく嗅げばゴムやシリコン、培養皮膚の少し酸っぱい匂いがする程度である。
しかし、大抵の個体は人間に好かれたくて様々なフレーバー体臭リキッドを飲み込んで、様々な体臭を発生させている。
人気なのは普通の汗の匂いや香水の匂いだが、所有する人間や上官が変な趣味に走った結果ベーコンの匂いがする艦隊参謀や焼き立てパンの匂いのするPAなども存在する。
一応悪臭に対する規制はあるのだが、リキッドが複数混じったり体臭リキッドと香水を併用した場合飛んでもない匂いになる事があるため注意が必要。
※小説の投稿が間に合わないため設定解説の更新です。申し訳ありません……。
次回更新予定は6月3日の予定です。