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勇者と魔王の子って…  作者: 一樹瞬也
2/2

元日本人です。

第2話


「え?総合魔術高等学園を受験する?」


唐突だった。俺が15歳の誕生日を迎え、親戚が集まりパーティをしている時だった。

急に父さんがそん事を言い出したのだ。


「そう、受験して貰う」

「父さん、どうして急に?」

「私から説明するわね」

「母さん」

「レン、貴方は生まれてから外の世界を知らないでしょう?」

「そうだね」

「だから世間を知って貰うために、学んで欲しいから受験して欲しいの」

「んー、確かに気になるけど…」

「どうかしら?」

「うん、頑張ってみるよ」


そう言った途端に皆んなが騒ぎ出す。

まぁ、気になるって言うのは嘘ではないし、もっと魔法を学んでみたいし。


「じゃ、入学に合わせて引っ越すから、準備を始めとくかのお」

「ん?引越し?どうゆう事、マークおじさん」

「え、言って無かったんですか?師匠も?」

「リベ兄も知ってたの?何も聞いてないんだけど」

「全く、しっかりして下さいよ」

「いやいや、ヘレ姉からも聞いてないよ?」

「んん、それはいいんですよ。私の仕事ではないんですから」

「あ、逃げた」

「に、逃げてなど…何ニヤニヤしてるんですか、気持ち悪い」


リベ兄がニヤニヤしてる。本当に気持ち悪い…

それよりも、


「引越しかー、ええと、寮?なのかな」

「あぁ、その事なんだが…夜に話そうか」

「そうね、今はパーティを楽しむ事が優先ね」

「うん」


もう一度乾杯をして、再びパーティがはじまる。

引っ越しか…そういえば日本ってどうなってるんだろうか。

あれからどれぐらいの年月が経ったのか…



「では、私達はこれで、失礼します」

「失礼します。またな、レン」

「うん、またね、リベ兄、ヘレ姉」


パーティが終わり、片付けも終わった。

寝る支度が終わった頃に父さんと母さんに呼び出された。昼の続きだろう。


「それで、話って?」

「あぁ、実はな…」

「母さんね…魔王って、呼ばれてたの」

「……は?」

「父さんは勇者と呼ばれてたんだ」

「……は?」

「だから、ま…」

「き、聞こえてるよ。え、魔王?勇者?それってあの?」

『そう』

「う、え?いやでも、え?敵同士じゃなかったの?」

「そうね」

「そうだな。俺たちは敵同士だった」

「でもね…」

「そこには海よりも高く、山よりも深い理由がだな…」

「いやいや、ほとんどないじゃん」

「とにかく、そう言われていたのよ」


知らなかった。と言うか、この世界にも魔王と勇者ってゆう概念があったのか…

そんな素振り一度も無かったのに…


「でも何の関係が?」

「そう。俺は勇者で、魔王を倒して、世界を救って、英雄になった、訳なんだが」

「倒してないじゃん」

「だからそこには(以下略)」

「はいはい、で?」

「俺はある国と契約をしているんだ」

「契約?」

「そ、私も初めて聞いた時は溜息がでたわ」

「なにそれ」

「契約は…『旅の資金と引き換えに、勇者の子供を学園に入学させる』だ」

「はぁ」

「なぜ!?お前も溜息だと!?」


なんてこった。勇者と聞かされて、少し見直したのに…

昔から変わっていなかったのか…このおっさん。


「で、どこに引っ越すの?」

「あぁ、異世界の…」

「ちょいちょいちょい!!異世界!?」

「そうだが?」


そうだが?、じゃねぇよ!!異世界?そんなもんが存在する訳が……あるわ

そういえばここも異世界だった。


「わかった、あるんだね、異世界が。で、国って?」

「日本、と言うところよ。ここと言語が同じなの」

「ふーん、日本ね……え?」

「なんだ、知っとるんか?」

「いやいや、え?日本なの?」

「えぇ、そうよ」

「ほら、3年ぐらい前に言ったじゃん、俺には前世の記憶があるって」

「そうだな、言っていたな」


そう、俺は前世の記憶があることを、2人にだけ話したのだ。

経緯は…海よりも(以下略)


「所謂転生なんだけど…」

「そんな事もいっていたな」

「転生前、日本に住んでいたんだよ」

「おぉ、それはそれは」

「えぇ、なかなか無い偶然ね」


に、日本か…確かにどうなったか気になってはいたけど…ん?


「日本に魔術があるの?」

「あるわよ」

「魔人も住んでいるの?」

「住んでるぞ」


か、変わったな…変わり過ぎだろ…

まさか日本に魔術があるとは…


「ま、経緯が知りたいのなら、しっかり学ぶ事だな」

「うん、そうするよ」

「さて、そろそろ寝るか」

「そうね」

「おやすみ、父さん、母さん」


急な展開すぎて……はぁ。

少し楽しみな自分がいる……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「準備はできたか?」

「うん、大丈夫。行こうか」


ついに日本へ行く日がきた。

日本、と言うよりも、異世界にはゲートで行くらしい。

ゲートは次元を歪め、地点を繋ぐから、応用でできるらしい。


「さぁ、行こうか」


俺はゲートをくぐり、ある家の前にでた。


「ここが新しい家?」

「そうだ。ここが俺たちの新しい家だ」


ぱっと見は広めの、豪邸とまではいかないけど、大きい家だった。

二階建て、モダンな雰囲気だ。



引越しの片付けも終わり、昼食を摂った。

昼からは特に予定も無く、街をぶらつくことにした。


「はー、変わったな」


一軒家が立ち並ぶ住宅街、見上げても見えないかと思えるほど高いビル群。

人で溢れかえり、賑わっている商店街。都会だな。


「串カツ1本」


やっぱ、歩きながら食べるのは串カツだな。

ここら辺は人が多くて歩きづらいな。ま、商店が立ち並んでるんだから仕方ないか。


「ちょっと、なにすんのよ!!」

「えへへへ、まぁそう怒んなって」

「近づかないで!!」


あ?なんだ?どっかで叫び声が…

お、あそこか。やっぱ、見てるだけなんだな。


「まぁまぁ、そう言わずに」

「気色悪いわ、話し掛けないで!!」

「調子に乗んな!!」


これ以上は流石にまずいかな。

面倒だし、関わりたく無いけど…


「よ、おっさん。そろそろやめねぇか?」

「あ?誰だてめぇ」

「ただの通りすがり、通行人Aですが」

「助けてください!!」

「ん、了解、できれば話し合いで終わらせたいんだけど」

「うるせぇ、正義のヒーロー気取ってんじゃねぇよ!!魔物を狩り、守ってやってるのはこっちだろうが!!」

「はぁ、守る人傷つけてどうすんだよ…」

「黙って聞いてりゃ…おい、やるぞ!!」


ふー、3体1か。でも丁度いいや。ここで日本もレベルがわかるし。

相手してみるか。


「おらぁ!!」


1人が殴りかかってくる。のだが、


(お、遅い…欠伸もできるレベルだぞ!?)


俺は相手の懐には入り、屈む。

そして相手の勢いを利用して、


「ぐあっ」


投げる。軽いな、それともこいつらが弱すぎるのか?


「てめぇよくも!!」


そう言って2人が剣を抜く。構え方が素人極まりない。


「おおおおおお!!」


同時に切り掛かってくるけど、やはり遅い。

両手を握りしめ、同時に鳩尾を殴る。


「ぐはぁ!!」


2人同時に吹っ飛んだ。やべ、生きてるかこれ!?

蹲って動かなくなった。


「ありがとうございました」

「いや、怪我、ないかな?」

「だ、大丈夫です」


お、2人いたのか…それにしても、


この、助けを呼んだ子は、髪が赤く、目も赤い。

身長もそこそこあるし。かわいい。


もう1人は、なんとゆうか…

銀髪で、目が少し垂れ気味。控えめな性格なのか、縮こまっている。

けど、かわいいけど、綺麗だな。


「お礼をするわ。この後大丈夫?」

「あぁ、問題ない」





まだまだ続きます。

基本15:00更新。

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