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スライムって不味すぎだろ

次の話からチートスキル使います。

アルカディアを出国してから一日が経過した。フライハイト帝国までは最低馬車で五日はかかるらしく、長旅となる。


 魔法で行けって思うがチートスキルは基本他人に見られたくない。何より景色を堪能したかった。馬車に揺られて旅をするのも悪くない。


 しかし気まずいな。一日経過して俺は未だに挨拶以外会話していない。唯一馬車の運転手である御者が話しかけてくれるくらいだ。


 「なあ自己紹介しないか。ほら暫くは四人での長旅になるんだし」


 俺の提案にクラーラは頷き、エミリアは顔を背け、アウラは溜め息をついた。


 いやいや仲良くしようよ。一応パーティーなんだからさ。


 「私の名前はクラーラ宜しく」


 「私はエミリアよ」


 「はあ~。私はアウラ。これでいい」


 こいつらやる気なさ過ぎだろ。一番まともなのがよりにもよってクラーラとは、この先が心配すぎる。


 暫く馬車で揺られていると、馬車が急停止した。


 なんだなんだ。外で何かあったのか?


 「こんな所に森なんてないはずです。このままでは馬車では行けません。此処からは自分達で何とかしてください」


 は? 御者の野郎ふざけるな。仕事放棄して自分だけ帰りやがった。


 「地図上に森なんか存在しない。これは誰かが魔法で人工的に作った森。森を作れる程の魔力を持った何かがいる」


 何か雲行きが怪しくなってきたぞ。仕方ない森の中に入ってみせるか。


 「仕方ない森に入るぞ」


 俺以外の全員が溜め息をつき、仕方なく俺について行く。


 いやいや俺も嫌だからね。勇者だから仕方なくなんだよ。


 日が暮れて来ている。今日は野宿になりそうだ。


 夜俺達四人はスライム狩りを行い、火で溶かしてスープにして飲む。これがゲロマズである。


 うえええ、まっず。スライムってこんなに不味かったのか。


 「ねえルクス。エミリアに勝ったって本当? それも圧勝でって」


 「ああまあ」


 エミリアがアウラを睨みつける。アウラはエミリアを挑発する。


 「ナンバー5もこの程度なのね。がっかりだわ。まあ所詮ランク戦に出場して雑魚からポイント稼ぎの結果のナンバー5だものね」


 「な……私に喧嘩を売っているのかしら。ランク戦にすら出てない貴方が言える立場なの?」


 二人の仲は最悪で空気が濁っている。


 はあ。先が思いやられる。


 俺達はその日四人心がバラバラで一日を終える。


 それにしてもスライム不味すぎだろ。胃液が逆流して気持ち悪い。


 もう二度とスライムのスープを飲むのは止めよう。


        ~~~~~~~

 「不自然な森が出来てるわね。調査に行ってきなさい。ついでにルクスに接触してきなさい」


 「はいゾンネ様」


 仮面を付けた赤髪の少女は静かにゾンネの後ろ姿を見つめていた。


 ゾンネは月を眺めていた。その月は赤く光る満月だった。

        ~~~~~~~

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