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託す思いとリヒトの真実

多くの方に見て貰えて嬉しいです。PV伸びて来て嬉しいかぎりです。

リヒトの素顔など物語が再び大きく動き出します。

ゾンネは俺を見て苦笑いをする。


 「ルクスだっけ。貴方一体何者?」


 俺はゾンネの絶望的な表情を見て、何故か快感を覚える。


 「転生者だ。宝石の所持者なのか?」


 ゾンネは目を見開き俺に近づいてくる。


 「ルナと一緒だ。貴方ならルナを救えるかもしれない。ねえお願い私を殺してルナを助けて」


 俺は目を瞑り、全てを理解する。


 「宝石の所持者なんだな。宝石を継承すると前の所持者の過去が見える。ルナはお前の記憶にいるんだな」


 ゾンネは悲しそうな表情で笑う。


 「ええ私が宝石の所持者よ。ハイルにはバレないようにしていたけど、宝石同士は惹かれ合うのかしらね。今なら彼女にもバレてるかもしれないわね」


 「俺がお前を殺してやるよ」


 ゾンネは俺の肩を掴み、真剣な表情で頼む。


 「ルクス一つだけお願い。ルナを助けてあげて。私はこの世界からいなくなるけど、ルナには幸せになって欲しいの」


 俺は目を瞑り口を開く。


 「ああ約束するよ。ルナを救ってやる」


 「ありがとう。もう悔いはないわ」


 俺はチートスキル悪魔の剣(デーモンソード)でゾンネの首を跳ねた。


 そして残りの肉体をチートスキル魔眼(デーモンアイ)で抹消する。


 ゾンネは死亡した。存在を抹消されて。


 首を跳ねた快感が俺の脳に伝わる。


 ああ俺は完全に狂ってしまったのかもしれないな。


 ゾンネの宝石を継承すると、ゾンネの記憶が俺に雪崩れ込み、俺はその場に倒れ込んだ。


 

 俺はゾンネの記憶をガラス越しの様な感覚で見ていた。


 ゾンネは泣き虫で、いつもルナに励まされていた。


 ゾンネとルナはいつも一緒だった。


 二人の日常シーンが垣間見える。ルナはいつも笑顔だった。ゾンネはいつも泣き虫だった。


 ある日ゾンネはルナが急に意識を失って絶望していた。


 そこにリヒトが現れる。


 『ルナは転生者だから普通の人間とは相容れない存在なんだ』


 『転生者? 何の話なの。どうしてルナは意識を失って』


 リヒトはフードを更にグッと被り、笑顔で語る。


 『彼女は選ばれし存在で、だが今は魔力が膨大すぎてコントロールできずにいるんだ。ルナを目覚めさせるにはアヴァロンに行かなければいけない。そしてその先に…………いやその先はあるのかな』


 そこで急に記憶が途絶える。


 何だ、宝石を継承したのに全ての記憶が見えないだと? 何故だ。


 「やあルクス。君にルナの居場所を知られては今は困るんだ。だから記憶は全ては継承できないようにさせてもらったよ」


 「リヒト……俺の意識に⁉ お前は一体何者なんだ」


 リヒトは俺の前でフードを取る仕草を見せる。


 「君には素顔を見せとこうと思ってね。地球より面白い星だろう。いつか君とは戦う気がするよ。それが味方としてか敵としてかは不明だが」


 リヒトの素顔が俺の視界に映り脳内に焼き付く。


 銀髪のショートカットで銀色の瞳の綺麗な中性顔だった。


 身長は俺と同じくらいで恐らく同い年だ。


 首に十字架のネックレスをしていて、もう一つ何かを首からさげていた。


 「僕はアヴァロンに行くよ。そしてその先にいる『アレ』を殺しにね」


 『アレ』とは何だ? 一瞬リヒトの表情が真剣になり俺は凍りついた。


 目が笑っていなかったな、今。


 「なぜ地球を知っている?」


 「君と同じ地球で生まれ地球で殺され、この星に転生者として転生したからだよ。僕は前世でのそして今世での『アレ』の僕にした行いを絶対に許す訳にはいかない」


 な⁉ 同じ地球からの転生者だと。


 やはりいたのか俺以外にも転生者が。


 だがなぜだ、俺と違い転生者であることに、何より転生したことに不満を持っているように感じる。


 「君に一つだけこの世界の不変の真理を語ろう。それはこの世界には一人の独裁者によって支配されているのさ。記憶の改竄すら行える独裁者によってね」


 「独裁者? 記憶の改竄?」

 

 「もう時間がない。今は一つだけ覚えておくといい。転生者の敵は転生者だと言うことを」


 俺は太陽の塔の最上層で目が覚める。


 そこにはリヒトの姿はなく、アウラとハイルとエデンの姿だけがそこにはあった。


 「心配したわよ。ゾンネを殺したのね。私の宝石が反応しているわ」


 ああゾンネを殺したんだよな。リヒトとの出会いに衝撃を受けすぎて、忘れる所だった。


 「ああ無事宝石は二つ揃った。ハイルのも合わせれば三つだな」


 俺の複雑な表情を見てエデンが口を開く。


 「何があったかは知らぬが、兎も角アルカディア国の平和は維持されたのじゃ。もっと喜ぶがいい」


 「あ、ああ」


 俺はこの日自分の部屋に帰るとひたすら天井を眺めるだけだった。


 ルナの居場所を探さないと。


 ゾンネとの約束だ。


 何より転生者がこの世界に複数いるんだ。


 俺はこの世界の真理を解き明かしたい。


 俺はそしていつの間にか眠りについていた。


 

 

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