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第九十四話 色々な準備の準備

 ウサ族が持ってきてくれた食事を摂っているとダンジョンから狩人たちがゾロゾロと出てきた。


「あれえ?ユウさんじゃないっすか?もう戻ってきたんですか?」


 そうか、そういう反応になるのが普通か。確かに行って帰ってきたにしては早すぎる。パンが先に来て転送門ゲートの設置作業等したはずなんだが、其れは目撃されていなかったのだろうか?


「あー、なんというかまだ旅の途中というかな。まあ、また便利な道具を作って移動してきたと思ってくれよ」


「そっか、ユウさんだもんな。普通に考えちゃだめだな」


 その通りなんだが、なんだか俺がおかしな人みたいな言い方は辞めていただきたいものだ。おかしいのはパンだけであり、俺個人はそこらの村人と変わらないんだからな!


「ま、そんなわけでまた直ぐに居なくなるよ。でさ、お前達の誰でも良いから頼みがあるんだ」


「ん?なんすか?俺達で出来ることなら何でもやりますよ」


 なんでも?いやいや、置いとこう。


「別に難しい話じゃ無いんだ。この手紙を村に居るシゲミチに渡してくれ。落とすなよ」

 

「難しい話じゃ無いって言ったじゃ無いですか……わかりました!落とさぬようがんばります!」


 ただのお使いを難しい話と思って貰っちゃ困る……。たまにシゲミチのように賢い連中も居るが基本的にパンレベルって感じなのがここの住人なんだろうか。いやいやまさか……。


 狩人達にお手紙を渡したら用事が済んでしまった。


 手紙はドワーフの村に関する話だ。シゲミチに弟子を一人連れて塩のダンジョンまで来て欲しいと言う内容だ。

 準備もあるだろうから一応、約束の日は10日後にしてある。移動時間を含めても準備期間として余裕があるだろう。


 手紙には弟子と共に新しい村を作る手伝いをして欲しいと言うこと、キンタには少しの間居なくなると伝えておくこと等は書いたが、ここから火のダンジョンに移動しそこでドワーフの村を作る手伝いをすると言う事までは書いていない。


「ふふふ……シゲミチ……驚くだろな……」


「ユウさん、この手紙何が書いてあるんですか?凄く悪い顔してますが……」

 

 狩人から突っ込まれてしまう。おっと、口に出ていたか。危ない危ない。


「別に悪いことは書いてないぞ。ただ、ちょっとだけ教えておくと、そのうち珍しい食べ物が食べられるようになると思う。後新しい武器もだな。期待して待っててくれよな」


「マジッすか!俺達も結構やるようになったんですが、あのタルットとか言うおっさんだけはどうもだめで!アレを打倒できる日が来るかも知れないんすね!」


「まあ、あのオッサンを倒せるかどうかは別として、近接戦闘用の武器を用意できるようになると思うからな。多少は期待しても良いだろう」


 やったぜ!と狩人達は盛り上がり、そのテンションのまま村へ向かって走って行った。


 ダンジョンで身体が鍛えられてるのか知らんが、元気な奴らだ……。あの分だと狩りの腕も結構上がってるんじゃ無いかな。


 

 さて、用事も済んだし帰るとする……あ!そうだ忘れて帰っちまうところだった。


 折角来たのだからアレを持って行って温泉を良い感じにしようと思っていたんだった。


 受付に行き、ウサ族の娘、リリィに声をかける。


「おっすリリィ!」


「今度はどのようなご用件でしょうか、ユウ様」


 すっかり受付嬢が板についてきたな。そのうちここを冒険者ギルドとかにしたらギルド長にするのも悪くは無いな。


「生きが良いウサ族が5~6人、余ってないか?」


「ヒッ、ま、まさか生け贄に……」


「ごめんごめん、言い方が悪かったよ。今ちょっと別のとこに行ってるってパン辺りから聞いてるだろ?」


「はい、ルー様とご一緒に来た際に聞きましたし、ユウ様達が出てきたアレに関係してるんですよね?」


「うむ、転送先にはまた別のダンジョンや集落があってな、そっちにも宿泊施設を作ったんだよ。そこで働いてくれるウサ族が何人か欲しいんだ」


「ええと、こちらには帰ってこられるのでしょうか?」


「そうだな、従業員となるウサ族達にも転送門ゲートを使えるようにして貰うから、交代で家に帰れるようにはなるだろう」


 できるよね?とルーちゃんを見るとこっちを見てなかった。ナーちゃんと塩の採掘に夢中になっている。……できるよね?


 まあ、出来なかったらパンになんとかさせるまでよ。無責任万歳。


「そういうことなら、喜んで手を上げる者は多いと思いますよ」


「ほほう、ウサ族も職に就きたい者が多いのかい?」


「はい、ここや先日からオープンしている宿屋でのお給金はたまにここに来る村人から野菜やお肉を買う貴重なお金なんですよ」


「いつの間にそんな交易みたいな真似を」


「元々は冒険者から売って貰ってたんですけどね、もっと欲しいって言ったらついでに沢山持ってきてくれるようになって」


「素晴らしいな、そういう事はどんどんやって良いぞ」


「ありがとうございます。それで、人間達の作る野菜ってとても美味しいじゃ無いですか?我らのお給金だけじゃあんまり買えないので、もう少し働くウサ族が増えればなと」


 必要に駆られ労働意欲が増しているというわけか。なんか知らんがほっといたら上手く世の中が回り出したような気がするな。見てるかパン?お前が失敗した仕組み、適当にやってるうちに上手く回り出してるぞ?


 まあ、見てねえんだが。


「うし、じゃああと2時間くらい居るから適当にウサ族連れてきてくれ」


「はい!わかりました!直ぐ戻りますので、受付けお願いしますね。何故だか知りませんが、今私一人なんですよう」


「おう、急がなくても良いからな。ゆっくりしてこい」


 ウサ族二人はさっき宿屋にパシらせたからな。コックとメイドを一人ずつ、教育係に連れて行くのだ。

 

 危なく忘れて帰るところだった……。


 しかし、リリィはよく働いているようだな。俺が後でやろうと思っていた交易所の走りみたいなことまでやってるし。後でこっそり給料を上げておいてやろう。



 

 やっちまいました。九十三話 予約時間ミスです!昨日の19時にセタップしたつもりが

 今日の10時に……。けしてモンハンばかりやっていたわけではありませんよ……けして。

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