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第八十四話 ナーちゃん

  帰りの心配が無くなったところで気になる所をチェックしていく。他にも恩恵があるらしいのでそれを聞いていこうじゃ無いか。


「ここと行き来しやすくなったのはデカいな。で、他の恩恵は?」



「わかりやすいとこから行くと……ルーちゃんと繋がったことにより、ルーちゃんのスキルの一部がナーちゃんにも付与されたの。ちょっとステータス見てみてよ」


 どれどれ……


 =====================================

 名前:ナール

 職業:ダンジョンコア

 LV:1

 体力:2400

 魔力:1800

 スキル:人化 ダンジョン管理 使役 召喚 自動翻訳 熱気無効付与 炎無効付与

 =====================================


 おお……、色々ついてるな……。ダンジョン生成ではなく管理なのは新たに生み出すことは出来ないが、今あるのを弄れるっていう感じかな。


 使役はできても勧誘が出来ないのは外から連れてこれないってことか。熱気無効付与や炎無効付与ってのは俺達につけてくれたレジストだな。恐らく接続をしなかったら「人化」「ダンジョン管理」「熱気無効付与」「炎無効付与」くらいしかつかなかったのだろう。くらいしかって結構立派なもんだけどさ。



 っと、ついでにルーちゃんも見ておこう。これだけのことをやったんだ、レベルが上がってるだろう。



 =====================================

 名前:ルト

 職業:マスターコア

 LV:16

 体力:7200

 魔力:8000

 スキル:人化 ダンジョン生成LV3 勧誘 使役 召喚 自動翻訳

 =====================================


 思った通りレベルが上がってるが、ダンジョン生成が育ってるな……?


「なあ、ルーちゃんのダンジョン生成が3にあがってるぞ」


「うそっ!?うわ、まじだ!なにこれ!」


 いやいやあんたが何これとか言うなよ。本人に聞いてみるか。


「ルーちゃんや、ダンジョン生成が強まってるけど,何か感じるかい?」


「んとねー、ダンジョンの中でならユウみたいにおうち創ったり出来るようになったみたい!」


 階層のアンロックでは無く、出来ることが増える方向で強まったのか。今までは魔物の皆さんに頑張って貰ってたけど、ルーちゃんがサクッと生成出来るようになったって事かなあ。帰ったら試してみよう、面白そうだ。


「なんか凄い子になったね」


「そうね……、そのうちダンジョン内に限って私より出来ること増えちゃうかも……」


「まだ他に恩恵はあるのかい?」

「そうね、後はマスターコアになったからここの魔物もルーちゃんに従うわよ。ルーちゃんとナーちゃんから別の命令をされたらルーちゃんが優先されるレベルで」


「ルーちゃん……偉くなったな……」

 


 シミジミとルーちゃん達を眺めていると、扉の向こうから何かがこちらの様子をじっと伺っているのに気づいた。


 影からすると結構大きく、どうやら人では無いようだ。しかし、今は言葉が通じるだろうし、使役の管理下にあるだろうから戦闘にはならないだろう。


 ……声でもかけてみるか。


「そんなとこに突っ立ってないで入ってきたらどうだ?」


 言ってみたかったセリフ23位を炸裂させる。


 扉の向こう側で「ヒッ」と言う声が上がったが、ゆっくり慎重に扉が開き、ヌっと大きな魔獣が入ってきた。


 あー、こいつさっき逃げてった飛ぶ奴だ。ええっとステータスは……。


 =====================================

 名前:レッドドラゴン

 職業:フロアマスター

 LV:8

 体力:420

 魔力:120

 スキル:ファイアーブレス、龍の睨み

 =====================================


「えっお前ドラゴンだったの?俺の顔見るなり逃げてったから火のトカゲ的な何かかと……」


「ううっ……酷いですよ……、二人して凄い形相だったし、一人はなんだか意味分からない気を纏っているし、一人は……そんな、そんなおっかない物振り回しながら下りてきたら誰だって逃げますよ……」


「熱くて覚えてないな……パンは……?」


「身に覚えが無いわね……」


 余程怖かったのか、ナーちゃんの影に隠れてビクビクと俺達を責めるドラゴン。つーか、龍の睨みってにらみつける的なあれか?

 

「父上、母上……。こやつはナーちゃんのお友達なので、どうか許してやって下さい……」


「あー、うん。許すも何ももう俺達はこのダンジョンに手を出すことは無いよ。あー……来る途中、色々やっつけちゃったけど……ごめんね?」


 立ち塞がる魔獣達を適当に狩っちゃったからな……。塩のダンジョンと違ってまだ例の仕掛けをしてないからリスポンすることもないし、失敗したな。


「いえ、父上達に向かっていった者達は知性無き者達なのでお友達ではありません。お友達はみな、父上と母上を見て隠れていたので……」


「……」


「それに、倒された者達も時が経てばまた増えるでしょうし、心配には及びませんよ」


 そういう事なら良かった。


 しかし、このダンジョンは恐らく森のダンジョンより難易度が高いだろう。暫くは内部への侵入は禁止して転送門ゲートだけ使って貰うことになりそうだな。


「……ん?そう言えば、上の住人達は最下層の事を知っていたようだったな……。よくまあこんな所までこれたもんだね?」


「ああ、上の人間達が来た頃はまだここまで熱が溜まっておらず、お友達も産まれていなかったので普通の人間でも来られたのですよ。今はせいぜい少し入ったところまで来て小型の魔獣を狩ったり、採掘をしたりして帰るくらいですよ」


 なるほど、そういう事か。


 ……って、ナーちゃんを今後どうするかについて有耶無耶になってるぞ!こら!女神!

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