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第五百二十二話 どんどんお話を進めていきましょうね

 まったく! フィーちゃんには困りますね!といいますか、そもそもの話ですね、俺の薄い本がこちらの世界にあるのがおかしいんですよ。クロベエと共に散歩に出たままの装備で此方にさらわれたんですよ?

 一体何処から薄い本が出てくるのでしょうか? って、犯人はわかりきってますわ。パンの奴が例の図書ルームにこっそり俺の薄い本を持ち込んでやがったんでしょう。


 悔しいけれど、あいつとは結構趣味が合いますからね。まったく、持ち込んだんならきちんと子供の目の届かない所で管理していただきたいところですね!


 って、そんな話はどうでもよくて!


「ええと……ウチらの歌が何かと交換出来るってことかい?」


「そうだね。ゾネスの歌はお金になる。そのお金があれば冷蔵魔導具だろうが、外の変わった食材だろうが酒だろうが、なんだって手に入れることができるよ」


「そうかい……ウチらの歌でねえ……しかしねえ……ううん」


 なんだか難しい顔をしています。これはアレでしょうな。狩猟民族としての誇りだとか、種としての力が落ちる原因となるとか、なんかそういう民族的なアレのソレですんなりとウンとは言えないのでしょうな。


「母ちゃん、オヤカタのウチとしては悪くない話だと思うんだけど、先代として許せないところでもあるのかい?」


「そうだね。こればかりは先代オヤカタとして言わせていただきたいんだけどさ」


 むむっ。どうやらアイリちゃん的にはOKだけど、マサエさん的にはやはりNGって感じなんですかね。やはりこう、こういった民族でも伝統を重んじる古参VS改革したい若者みたいな対立が起きてしまうのかっ


 しかし、それは俺としては見逃せません。どちらの言い分もしっかりと聞いて、なんとかギスらないように和解案を……!


「あの……お二人さん!」


「ウチらは確かに儀式から離れた身ではあるけどね!まだまだ歌えると思うんだよ!ユウさんは若い娘どもを連れていきたいんだろうけどさ、ウチらだってそんな面白そうな仕事やってみたいんだよ!」


「正気かよ母ちゃん!一緒にブタイに立つとか勘弁してくれよ……ウチらが見ていていたたまれなくなるよ……」


「なんだってえ!」


 ……そういう方向かよお!


 ぎゃいぎゃいとキャットファイトを始める親子。なんと言いますか、お母さんも見た目はかなり若組みえますので、露出が多いビキニのようなお洋服を召されていることもあって、非常に眼福ですな。


(なにさじっと見つめちゃってさ!ユウのどすけべ!)

(ち、ちがわい!どうやって喧嘩を止めようか考えてるだけじゃい!)

(ふうん? 単純な話じゃないの)

(ああん? じゃあ一体どうやってこの場を収めるっていうんだよ)

(わからないのお? フフン)

(あっ 殴りたい、その笑顔!)


(簡単な話よ。2ユニット作っちゃえばいいの。それで別々に興行すればアイリちゃん達、この世代は親の世代が歌う姿を見ずに済むってわけ)


(なるほど……しかし、そう簡単に話は進むかな……)


「……てな感じでさ、マサエさん達の組とアイリちゃん達の組で別れて活動するのはどうだろう?」


 ダメ元でパンが言うとおりに説明をしてみたところ……。


「母ちゃんたちとは別の所で歌うわけか」

「アイリ達と何方が盛り上げられるか勝負ができるね!」

「おっ!そうだね!流石に引退組には負けないさ!」

「言ったね!ウチらはあんたらより長くやったんだ!こっちだって負けないよ!」

「「わっはっはっはっは」」


 ……なんか一瞬で和解したんですけどお……。


(ドヤァ)


 くっ!男女平等パンチしたい!


 悔しいですけど、なんだかいい具合に話がまとまってしまいましたよ。問題は他の人達がこの話に乗るかどうかってとこなんですが……。


「他の連中?乗らないわけがないだろ? ウチらは何かと理由をつけて歌う機会を設けてんのさ」


「そうさね!なんでも無い時期にヨソモノとは言え男衆達の前で歌えるんだろ?ウチ、年甲斐もなく楽しくなってきちまったよ」


「おいおい、やめてくれよ母ちゃん。父ちゃんが泣くぜ?」


「いいんだよ!女衆は何人男衆を泣かせられたかが勲章になるんだからさ!」


 ……なんだか酷いことを言ってますけれども、歌うだけですよね? 歌で盛り上げて何かこう、誘い込んだりしませんよね!


「ああ、安心しなよユウさん。流石にウチらだって節度って物はあるよ。そう、年がら年中気に入った男をさらうような真似はしねえさ」


「そ、そうだよ!そもそもウチにはまだそういうのは早いし。ただ歌えれば良いのさ」


「……アイリはそろそろ男衆の一人や二人攫ったほうがいいんだけどねえ……」


「その話はまた今度だ!ったく、ほ、ほら!ユウさんもそ、そんな目でウチを見るな!しっし!」


 しっしって! あーあー!トマトみたいに顔を赤くしちゃって! まったく可愛い生き物だな!

 

 それはそれとして、ここまで乗り気なら一気に話を勧めちゃっても構わないだろう。ふふ、この世界初のアイドルユニットの爆誕ですよ。


 俺はドルオタではないので、気が効いたプロデュースは出来ませんけどね、こっちには残念な大人たちが揃ってますからね!誰か一人くらいそういうのに詳しい人が居ることでしょう。


 ハッハッハ大陸がアイドルファンで染まる日は直ぐそこまで来ているぜ!

パン(待って!あたしだってアイドルはわかんないわよ!)

ユウ(まあそうだろうな。お前には期待してない)

パン(ちょ)

ブー(私もよー。声優ライブにはたまに行くけど、ノウハウまではちょっと……)

ユウ(あれれっ)

フィー(私は言わずもがな。生物はあんまり興味ないからね。二次元アイドルは好きだけれども)

ユウ(おいおい……まいったな……誰か一人くらいと思ったんだが)

パン(あ!ねね!カズくんはどうなの!?あの子声優さんとか好きそうじゃないの!)

ユウ(たしかにあいつは声優が好きだが……ライブに行く度胸も金もありゃしねえのさ)

パン(あっ……)

ユウ(助けて!グッグル先生ーっ!)

パン(結局そうなるのね……)


誤字報告ありがとうございます!

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