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第五百十九話 どっかでみた設定だなこれ

 ……色々と衝撃的な事実が発覚したわけですけれども、まあ何といいますか、切望していたエルフさん達を生み出してくれたのだという事で、今回の件に関しましては不問とすることにしました。

 非常に遺憾であり、管理世界を維持する神族としては決して軽んじてはいけないことだとは思いますけれども。


 まあ、ぶっちゃけ今こうして余所様のお宅にお邪魔している状況でグダグダと念話で詰め寄るのも疲れますし、なによりホストであるマサエさん達の失礼にあたりますんでね、取りあえず今のところはブーちゃん先生によって発覚した事は先送りにしまして、いよいよ謎の食生活について踏み込もうと思いますよ!


 ようやくか!


「ウチらが主食としているガーベは中々強くてね、日が三回変わるうちににいっぺん取れたらいいくらいなのさ。だけどガーベの肉はそのままだと日が落ちて次の日が昇れば食えなくなっちまう。そこでこれさね」


 取り出したのは……何やら赤い葉っぱである。


「こいつを肉にすり込むとね、不思議なことに日が10(とお)も昇っても腹を痛くしないんだ。その代わり火炎味に慣れてなきゃ辛い思いをするけどね」


 なるほどな。この種族は香辛料を保存料として使用しているってわけか。ううむ、前に読んだノベルにそういう種族というか民族が登場していたが……さてはパンの奴それをパクって知識を伝えたに違いない。


(し、失礼ね!いくらあたしでもそんな事するわけ……ないじゃないの……)


 ちょっと自信なさげな念話が届きましたね。

 これはあれですね、先の映像――ブーちゃん先生が見せてくださった泥酔時の我身を見せられたのが相当に効いているようですね。

 我身に覚えが無いやらかし……いいですよね……よくない!


「なるほど。それでゾネスの飯はイチイチ火炎味が強くて刺激が強いってわけですか」


「ウチらだけじゃなくてウッホの連中もだけどね! 子供らは勿論の事、成人したウチらでも苦手な奴は居るからねえ。ただ、このカプランの葉を使わない事にゃ肉は持たないし、肉を食わないとウチらは持たないしで仕方なく頑張って食ってるのさ!」


 が、頑張ってときたか。つうかなんだ? カプランだ? 冬の大地はヒゲミミの地でみっけたからーい実の名前がカプルだったよなあ。今回初登場の真っ赤な葉っぱの香辛料の名前がカプランときたもんだ。


 これはやっぱり女神が適当にカプサイシンからとってつけたのが見え見えですな!


(記憶にございません)


 これに関してはマジでそれっぽいから困る。まあ、泥酔して命名したのだろうし、例えそうであろうともこいつの責任には変わりは無いですけどね!


(うう……酔ってやらかすことは誰にでもあるはずー!)


 知りません。飲酒が何故成人指定されているのか。勿論、成長期に飲むと余計に毒であると言う事もあるのかも知れませんが、自分で責任を取れる年齢という事で成人指定されていると思うのです。


 泥酔して前後不覚になろうとも、いくら記憶が無かろうとも、自分がやらかしたことにはキチンと責任を持つべきです。社の飲み会の翌日、何故か上司が悲しげな視線を向けてくる。不思議に思って同僚を見渡せば、目を反らしたり、何故か困った表情を浮かべてくださる。


 ああ、俺は昨日の飲み会で何をやらかしてしまったのだろう。上司にどんな失礼な事をしでかしてしまったのだろうか。


 未成年であれば『子供がしたことですから』と許して貰えるかも知れませんが、ところがどっこいその未成年はお酒を飲んではいけません。飲酒というのは覚悟を決めて挑むべき事柄なのです。


(あ、はい……覚えてないけど取りあえずすいませんっした……)


 何かいきなり謝ってきて意味がわからないのですが、俺に謝られても困るのでスルーしておきましょう。


「うーん。と言う事は、火炎味がつかずに肉を同じくらい食える状態に出来ればとっても嬉しい感じですかね?」


「そんな事が出来るんならして貰いたいもんだね!ウチだってね、代々色んなもんを試してきたんだよ。それでも結局ダメでさ、未だにカプラン頼りなんだ。何か良い方法があるってなら、是非教えて欲しいもんだね」


 まるで夢を語る少女のような表情を浮かべてマサエさんはそう語った。

 ううん、このゾネスという種族の人達はパンが作りだしたこの世界の住人にしてはかなり努力をしている人達だと思う。もしかすれば、放っといても長い年月をかけてかなり良い文化を気付くんじゃないかなって思えるほどだ。


 ただ、俺に課せられた使命という物は言ってしまえば世界の早送りだ。本来ならばやってはいけないと思われる外部からの干渉における急激なブレイクスルーをしまくるって言う乱暴な介入が俺のお仕事だ。


 なんかこう、作品によっては「こんなやりかたダメだー!」とか主人公が神に切れそうな方法ではあるけれど、生憎俺も女神も残念な性格をしてますんでね……。


 ここはいっちょ楽な方法で、かつ楽しくなる方向でやらかしてしまおうと思いますよ!

パン(ていうかさ、マジで泥酔した時の自分って別人だと思いません?)

ユウ(わかるー! パチッと目を開けてさ、お部屋だったときの絶望感!あるよねー!)

パン(そうそう!あれ?なんで?って思ってるとブーちゃんから楽しげなメールが来ててね……)

ユウ(昨日は凄かったわね。大丈夫だった?ちゃんと帰れた?とか届いてるんだろ?)

パン(うんうん!でね、みんな怒ってないからね、次気をつければいいからとかさ)

ユウ(まともな大人はそうなるまで飲まねえんだよなあ)

パン(あ、あれ?いきなり手のひらを返された!?)

ユウ(まあなんつか、神様と言えどもね?女の子なんだから酷い飲み方はやめなさいね)

パン(え?あれ?)

ユウ(神様的な男子にも悪い人は居るんだろ? 酔ってねちゃったら危ないって。気をつけなね?)

パン(あ、はい……あれ?あれ?普通に心配されちゃってる?)

ユウ(当たり前です!いくらパンさんでも女の子ですからね!危ない目に遭うのは見過ごせません!)

パン(ふええ……なんか……なんか……ご、ごめんなさい……気をつけます……)

ユウ( (ふふっちょれえぜ) )

ブー((ユウ君……リーちゃんの扱い方に慣れてきたわね……) )

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