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第五〇九話 陰謀説

 出発である。


 誰がなんと言おうと、出発である!これ以上グダグダぐだぐだしてられませんからね! いつものノリでうだうだやってると、お話がいーーっこも進みやしませんから、この辺りで心を鬼にしてグイグイと進行していきたいと思います!ユウです!


 というわけで、ぐっすりと寝コケている連中を叩き起こしまして、エルフさん(仮)を交えてささやかな朝食を速やかに摂り、オラオラ急げや急げとエルフの集落(仮)に向け、出発した次第でありますが……。


 さっきからエルフさん(仮)がチラリチラリと俺を見てくるんですよ。俺を見なくていいから前を見ろと。キチンと集落まで案内しろと言いたいのですが、どことなくナギサちゃんと似たオーラを感じるため、強く言えないんですよね。


 っていうか、いつまでも仮、仮めんどくせえな。


「ところで、わたくしユウと申しますけれども、貴方のお名前なんとおっしゃる?」


「ななななな、ウチのなな、名前を? き、ききき聞いてどうするんだ!」


「どうもこうもねえよ!呼びにくいから名前を教えてくれって言ってんの」


「そ、そうか!そうだよな!お前にはもう居るものな!はは!ああ、ウチの名前はマイだ。かか様が付けてくださった偉大なる名前だぞ。心して呼ぶように」


 マイちゃんか。なんか普通の名前だな……いや、普通でいいんですよ。なんかこう、いい加減な名前に毒されてると言うかなんというか。


「でさあ、マイちゃんさあ」


「い、いいいいきなり距離がちかいぞ!」


「これから仲良くするんだし、気を遣うのは無しかなーって」


「ま、まままったくもう!ああ、もう!」


 なんつうか、アレですね。この子というか、この子達が住んでいる集落からめんどくさそうな香りがするんですけど気の所為ですかね……。


 いやまあ、いまさら無しー!ってのも面白くないので行きますけどね? 間違いなく面倒くせえことが起きますよこれ。


 

 結構近いのだろうと思いこんでいましたが、道があるようでない感じのジャングルなので、マイちゃん達の集落付近に到着は未だ見える様子がありません。かれこれ1時間は歩いてんだぞ。


 お蔭でカズはすっかりグロッキーになり、ナギサちゃんに担がれる始末。全く情けねえやつだ。


「ははは。ホームセンターとかいうやつは雑魚だな!うちの男どもみたいだ!」


「おい、カズ!笑われてるぞ!」


「うう……ちゃんと"カズ"だって自己紹介したじゃないかあ……」


 そこかよ。


 つうか、カズがホームセンターって呼ばれ続けるの何なんでしょうね。俺がカズ、カズと呼んでいても周りは遠慮なくホームセンターですからね。おもしれえからこのままでいいと思いますけれども、神様の悪戯感あるよね……。


「な、なによ!いきなりあたしの顔見ないでくれる?」


 なんか頬を赤らめていてムカつきますね……チゲえよ、お前の仕業じゃないのかって思っただけだよ。


「はは、やっぱお前ら(つがい)なんだな。そこのちっこいのはお前たちの子だろ?」


「「はあ!?」」


「くふふ。そう、我が名はフィーちゃん。偉大なる女神にしてリプラシルの唯一神リパンニェルと漆黒の闇より這い寄りし混沌の神、ユウ・ナルセの娘!光と闇が合わさって最強に見えるとは我の事なり!」


「「フィーちゃん!?」」


「やっぱそうか。何処と無く似てると思ってたんだよ。言ってることの半分もわからないけど、やっぱりあんたら番だったんだな。となると……そこのショボいのと、背負ってるモノノフも番なんだな」


「あたいがホームセンターと? うーん? おい、ホームセンター!あたいとお前が番に見えるんだってさ!あはは!」


「ええ……うがい? 今はいいよお……」


 くそ!フィーちゃんの酷い自己紹介のせいで、いい具合にナギ☓カズが進展しそうなのに弄りそこねたぞ……つかなんだよ、そのリアクションはよ。グロッキーになっていい加減なこといってんじゃねえぞ!カズう!


 と、ぐだぐだとしてきたぞ!なんとか嫌な方向に話が流れる前に着いてくれー!!!


「お!シルシが見えたな。ちょっと待て、ウチまでもうすぐだ。一度ここから連絡させてもらうよ」


 うおおお!神様って居るんですね!


「だ、だから!そうやってじっとみるな!」


 ちっ! たまに神様扱いしてやるとこれだ!って、またグダグダでだめだめないってはいけない流れに足を踏み入れるところだった!あぶねー!


 どれ、お歌を歌うマイちゃんでも見て癒やされましょう。


「ナーナールー♪ ルーララー♪ ルルルン♪ ララロン♪」


 いいですよね、美少女の可愛らしいキレイな歌声! ちょっとワイルドな格好をしてるのもいいですよね!グッときます!


「何よあんたロリの者だったの?」


「ちゃちゃちゃちゃうわい! そりゃ二次元ではグッと来ないことはないけれど、リアルでは年相応に成人済みのお姉さんが好きだっちゅーねん!」


「そ、そそうよね!ふん!知ってたわよ!だってあんたあたしを見る目がたまにエロいし!」


「う、うるせえ!お前なんて従姉妹のねーちゃんくらいのポジションなんだい!」


「なにおー!」


「ははは、ほんと仲睦まじい番だな、お前らは。ウチも早く良い男誘い込んで番を作りたいもんだ」


「「仲睦まじくないわー!」」


 ……くっ!なんなんだこの流れ!何か陰謀めいたものを感じるぞ!

ユウ「ったくさー。設定だけだっツーの!設定!設定!」

パン「そうよねー!あんたと夫婦設定は便利だからそうしてるだけだし!」

ブー「ねえ、知ってる?ユウくん。りーちゃんね、気が緩むと一人称が「あたし」になるのよ」

パン「ブフーーー!」

ユウ「ああ?なんですか、その突然の情報は!」

ブー「最近のりーちゃん、ユウくんの前で『あたし』って良く言ってるなあって」

パン「ぶ、ぶぶぶぶっぶうちゃん?」

ユウ「な、なななな!あ!そ、そりゃそうだ!一年半も一緒に居るんだし、慣れたもんなんだろ」

パン「そ、そうよ!実家のような安心感ってやつ? それよ!それ!」

ブー(うふふ……そう思っている事自体、もうすっかり……ね?)

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