第五〇二話 グダグダとマリーノへ
約束というのは言わずもがな。
マリーノで俺が運用している養蜂場との渡りを付けるというアレだ。
カズに俺の正体をバラさないとい代わりにした約束なので、今となっちゃ別のブッチしてもいいよね感あるけど、あの場で正体がバレなかったからこそ、俺がかっこよく正体を明かすという最高の演出ができたわけなのでキチンと約束は果たすつもりだ。
『そんな事言ってるけどさ、ナギサちゃんに殴られるのが怖いんでしょ』
『地の文に茶々入れるの辞めて下さいませんかねえ?』
◆
ッてなわけで!やって来ましたマリーノ!青い空!蒼い海!良いですよね!夏!ただしエアコン完備に限る!
「ひゃあー! ここがマリーノかあ!おい見ろ!ホームセンター!でっかい水たまりがあるぞ!」
「テンプレリアクション頂きましたあ!無邪気なナギサさんはかわいっすね……いでえ!?」
「かわいいとか言うんじゃねー!」
「いだい!いだい!理不尽だー!」
微笑ましいですね。俺にもこういう無邪気な仲間と旅に出て、テンプレやりとりをする展開が欲しかった!だって、俺のパーティーメンバーって女神ですよ、女神!
この世界を創造した創造神ですよ? 何処に行っても『あーここね。ノリで作ったわ』みたいな感じで語るもんだから、仲間と初めて訪れた○○ー!見たいな思い出が作れないんですよ!その他のメンバーつっても、その女神と俺が創った娘たちとか、頭がおかしいウサ族とか、見た目詐欺の亀とかですよ。
海を見て純粋に感動してくれる様な無邪気な娘さんと見知らぬ大地目指して冒険したい人生だった。
ま、その辺りをマルリさんなどが補ってくれたので、なんとかやってこれましたけどね。婆さんなのを忘れればマルリさんだって立派なロリっこヒロインですし!
……くっそ、ぶっちゃけカズの立場は結構羨ましいぞ!
「くふふ……合法ロリ姉御キャラとうだつの上がらないダメ主人公……いいよね……ゆーちん……」
「悔しいが同意するぜ……フィーちゃん。いやほんと良いっていうか"それになりたい"だわ」
今回の旅のメンバーはカズとナギサちゃん、俺とパン、そしてフィーちゃんだ。残りの娘たちはお留守番です。
いやあ、たくさん居るとですね、キャラが沈むと言いますかなんと言いますか!何の話しだって知らないけども、まあ、少人数の方がやりやすいんですよ、色々とね!
で、今回フィーちゃんを連れてきた理由としては、この子ほっとくとひたすら籠もりますからね。籠もるだけなら良いんですが、遊びに来たウサ族のラミィなんかと組んで、俺がしらんところでやらかしますからね!
こうして俺の目が届くところにつれだしたってわけなんですよ。決して最近影が薄かったからとか忘れられないようにとか、そう言う理由では無いぞ。クロベエのことだってちゃんと覚えてるんだからな!
「なにメタいこと言ってんのよ。ほら、さっさと宿に行って今回の流れを説明しなさいな」
「はいはい。ザックリとしか説明してなかったからな。おーい、お二人さーん。海でロマンスを味わいたいのはわかるが、まずは先に宿にいこ……いっでえ!おいくそ!ナギサちゃん!バナナ投げちゃダメでしょ? 頭が割れちゃうよ!?」
「……なんでユウさん平気な顔してんだ? つうかナギサさんが投げたのバナナじゃ無くて岩だったろ……」
「あっはっはっは! ホームセンターと良い、ユウさんといい、ホント頑丈で殴りがいがあるね!」
「「殴らないでね!?」」
カズとハモってしまった。
いやいや岩投げちゃダメでしょ。遠回しにゴリラって言ったのバレるかと思ったけどセーフだったみたいだ……いっでえ!?
「ユウさん、あんたからカズみたいな気配がしたから取りあえず殴ったわ。すまんね」
「お、おう……」
ほんとおっかない娘さんだ……。
ともあれ、話しがいっこも進まないのでサクサクッと宿に移動しました。ナギサちゃんはあちらこちらにある露天やお店に寄りたそうな雰囲気を凄まじく出していましたが、話しが進まないのでスルー。
ここがカズと俺の違うところね。俺は!暴力には屈しない!
「ったくよー。ユウさんはよー。寄り道くらいさせてくれてもいいじゃんかよー」
「だめです!そんな事したらまーたグダグダしたまま一話引っ張る羽目になるんですから!」
「何言ってんだ……?」
知らなくて良い。
「と言うわけで、今後の予定だけど、ちゃっちゃか当初の予定を済ませてから一週間くらい自由行動って感じにしようと思うんだよ」
「そうこなくっちゃ!」
予定さえ済ませてしまえばこっちのもんですからね。マリーノからはじまりの街への移動はそこらの幼女でもソロで可能なくらいイージーな道のりです。なんたって転移門乗り継げばいいからね。
なんならナギサちゃんとカズを置いて俺達はさっさと家に帰ってもいいわけですよ。マリーノは確かに良い場所だけど、俺に取っちゃ今更感があるっつか、ここの施設は大体俺が関わってる物だから、今更楽しみようが無いからなあ。
「てなわけで、明日の朝、飯を食ったらジャングルに移動。俺が車を出すから、あっという間さ」
「そう言うとこっすよね、ユウさんは。車とか空気読めてなさ過ぎっす」
「じゃあ、カズだけ歩きで」
「ごめんなさい!」
どうしてもって言うなら歩いてもいいんですよ? でもさ、養蜂場は街から結構距離があるからね? 養蜂場の連中にだって車を貸してやってるくらいなんだ。
徒歩で行ってご覧よ。移動だけで二日三日かかるから。しかもあれだよ? 野生のタルット達がウザ絡みしてくるんだよ? そんなのが楽しいってんならいいけどさ、俺はごめんだよ!
「養蜂場についたら君達を紹介して、ハチミツ採取体験。その後はハチミツを使った料理を考案・試作したり、そこらを探索して遊んだりして一泊って感じだな」
「うおおお!ユウさん!明日と言わず今日今から行こうよ!あたい、滾ってきたよ!」
「そうは言うけど、今から移動すると夜になっちゃうからね。夕食までちょっとだけ時間があるし、その滾った気分は近場の見物でもして発散してきな。お店はまだまだ開いてるからね」
「うおお!それはいい!おっしゃ、いくぞ!ホームセンター!」
「え、ちょ、俺は部屋でダラダラした……ちょーー!!ナギサさん!エリが!襟が伸びるから!引っ張らないでーーーー!!」
まったく賑やかな連中だ。それに比べてウチの連中ときたら……。
「フィーちゃん、そっち植えて……あと露天にマグロ置いて頂戴。マルリルに無茶振りされたのよ」
「ほいよ、いつもの値段で置いたよ……あ!その花まだこっち咲いてないよ!植えて!」
親子仲良くソシャゲに夢中とくらあ……。
こいつらもカズ共々ジャングルにブチ込んで鍛えた方が良いんじゃ無いっすかねえ。
ユウ「はあ、グダグダッすわ。静かだと思ってたどっかの親子がソシャゲしててグダグダっすわ」
パン「あんたがあんまりにもメタいことばっかり言うから退屈になっちゃったのよ」
フィー「そうそう。そもそも私はゲームのイベントがかぶってて忙しいんだよ? 林檎のある限り回したいんだよ!種火大事!わかるよね?ごはんの時間すら惜しい!」
ユウ「だからフィーちゃん連れてきたんだけどね!たまにはお外で遊びな!っていうか、お前らだけソシャゲずりいだろがよ!」
パン「言うけどさあ、あんたもカズくんも色々終わったら2017年の12月に戻るのよ?物理的にロールバックするの。耐えれる?」
ユウ「できねー! 」
パン「あんたのスマホでソシャゲ不可にしてるのは私なりの優しさと思いなさいな」
ユウ「くそが!」




