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第四百七十九話 ユウです!ユウですってば!

 ユウです。皆の主人公、ユウさんです。ユーサンじゃあないし、主人公交代成功だぜ!ってそうは行くか!ってな感じのユウです!


 ナギサちゃんなるカズにはもったいなさすぎる良い感じの新ヒロインちゃんの活躍により、サスケ=ユウとバレかけたのですが、カズが馬鹿だっただめなんとか回避!


 でも、今後も同じようなことが有れば流石のカズでもわかんじゃね?ってことで、奴がいい具合にピヨった隙にちょっと闇魔術の【睡魔の誘い(スリープ)】をちょちょいとかけまして、探偵のおっちゃんよろしく眠っていただいた次第であります。


「つーわけで、ナギサちゃん。はじめまして、ユウです」


 仮面を取って挨拶をすると、一瞬なにやらびっくりした顔をしていましたが……噂のユウさんの顔をみちゃったわけですからね。うわ、マジか!ってなってしまうのは仕方がありません。


「あー!アンタがユウさんだったのか! いやあ、気づかなかったよ。いっつも死んだ魚のような目で街をウロウロしてたアンタがなあ……」


 ……。


「ごほん!ごほんごほん!えっと、まあ、それは良いとして、ナギサちゃんにお願いがあるんですよ」


「お願い? 事と場合によっちゃ奥さんにチクるけど、覚悟はできてんだろうな?」


 一体何を想像してんですかね、このちみっこは。つうか、そのセリフ好きだな!


「エッチなお話じゃないぞ!いやさ、実はコイツと俺は同郷で知り合いなんだよ」


「ああ、それで妙に遠慮がないわけか」


「そそ。で、このカズ――ホームセンターはさ、訳あって修行のためにこっちに来てるわけ。でも、ホームセンターじゃん? 一人でほっとくの不安じゃん?」


「あー……わかる。コイツ、ちょっと見てて不安になること有るんだよな」


「だろ? かといって、同郷の者が近くで補助をしてしまえば、コイツは安心しきって成長が出来ない。だから俺はサスケとして身分を偽って陰ながらサポートしてたってわけなんだよ」


 と、それらしく言い訳をすると、それがナギサちゃんに良いぐあいに刺さったようで……。


「く~!泣けるね。友情?師弟愛?わかんねえが、男同士の熱い繋がりを感じるよ。でもさ、あたいのせいでコイツにあんたがユウさんだってバレちまったんじゃ……」


「ああ、それについてはご心配なく。こいつ馬鹿だから『ユウ』じゃなくて『ユーサン』と言う名前の別人だと勘違いしてんだよ。コイツが知ってる俺にはコイツが言う『ユーサン』みたいな活躍が出来ないらしいからな!」


 一瞬キョトンとしたナギサちゃんでしたが、次の瞬間プっと吹き出して大笑い。暫くヒーヒーとひどく笑って、それが終わるとはぁはぁと息も絶え絶えになっている。


「な、なるほど……お願いってのは、コイツにこれ以上ユウさんの正体がバレないようにしてほしいってことであってるかな」


「ああ、大正解だ。そうだね、それとなく『ユーサンって奴はトーキョーって言うすげえ遠くの街から来たらしい』とでも言っておいてもらえると助かる。そうすればアイツは完全に別人だと確信するだろうからね」


「アイツ単純だからな。うっし、わかったよ。協力する!」


「ありがとう。お礼と言っちゃあなんだけど、これをあげるよ」


 ボックスから折りたたんだ紙を取り出し、ナギサちゃんに手渡す。カズがナギサちゃんの世話になってるのは知ってたからね。何かのタイミングでお礼をしようと思って用意してた物なんだけど……ここで使ってしまっても構うまい。


「これは……紹介状?」


「ああ。夏の大地にマリーノって街が有るだろう?最近そこで売出し中のハニーサクサクってお菓子、知ってるかな?」


「ああ!知ってるぞ!交易市場でこの間見かけたんで食ってみたんだが、ちょっと変わった甘みがあってさ、すげー美味かったんだ!」


 ハニーサクサク……その名の通り、はちみつを使ったクッキーだ。サクサクがブームになったマリーノのサクサク信者達は日々新たな味を追求し続けていたんだけど、この間遊びに行ったらいつの間にか新たなフレーバーを生み出してたんだよな。


 それがハニーサクサクというわけなんだけれども……。


「そこの地図に書いてある店に行って紹介状を見せると良い。ハニーサクサクに使われている『はちみつ』を手に入れる手伝いをするように書いておいたから、君が欲しがっているだろう新たな食材を手に入れる手助けになると思……わっぶっ!?」


「ありがとう!ありがとうユウさん!こんな冴えない男がほんとにユウさんなのか?って少し疑ってたけど、アンタはやっぱり本物のユウさんだ!あたいが欲しがってるものを知ってるなんてやっぱただもんじゃないよ」


 そりゃそうだ。何時も女神と一緒にヲチ……見守ってましたからね。っつか、この子いきなり抱きついてきてやべえな。モニタ越しにカズがやられてるの見てはいたけれど、実際味わうとカズが勘違いしてしまうのも頷ける……ってか、力強いなこの子!痛い!痛いぞこのラッキースケベは!


「ははは……喜んでくれた様で何よりだ……っと、そろそろ離してくれないかな……」


「あ!ごめん!あたい、嬉しいと直ぐ抱きつく癖があって……ていうか、あんた見かけによらず強いね!ホームセンターにこれやるとさ、気を失って暫く目を覚まさないんだよな」


 うん、ナギサちゃんの力が強すぎてカズくんアチコチ折れちゃってるからね。パンさんがこっそり回復してあげてるおかげで生きてるからね。目を覚まさないのは本気で死にかけてた反動だからね。ていうか『強いな!』っておもっくそ力込めてるの理解してんじゃねえかよ!


 そしてすやすやと安らかな寝顔を見せるカズの上でナギサちゃんと固く握手をし、ここに秘密の契約が成立したのでありました。


 ……よし! 撤収!


パン「あんた……わかっちゃいたけど強くなったわねえ」

ユウ『……俺もびっくりしてる。前にパンさんが耳を疑うような事を言ってたけど、それマジなんだなって』

パン「ああ、アンタが"こちら側"に近くなってるって話ね」

ユウ『そうそう。俺としては非常に複雑なんですが、まあ生きてる内は関係なかろうしいいかな感』

パン「いい加減なんだか前向きなんだか。でも頑丈になったのとそれは関係ないわよ?」

ユウ『なん……だと……?』

パン「初期のるーちゃんの成長具合覚えてる?別に戦闘をしなくてもレベルって上がるわけよ」

ユウ『つまり俺は……適当に色々やってたおかげで無駄に頑丈に……?』

パン「今なら多分野菜みたいな名前の戦闘民族に殴られても凄く痛いだけで済むわよ」

ユウ『そんな俺に痛みが伴う抱擁……ベアハッグをしかけられるナギサちゃんって……』

パン「あの子……一体何なんだろうね……」

ユウ『だからお前がそれを言うなよな』

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