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第二百八十一話 大会反省会……という名の語り回

 釣り大会はまさかまさかの……ルーちゃんが優勝という面白い結果に終わりました(予定調和)


 さて、さらっと流しましたけれど、なぜ亀チーム以外のチムメンは大魚を釣り上げられたのか?

 釣りスキルの事はまあ、道具が補ったとして、問題はいくら腕や道具が良くたって獲物が居る場所に投げなければどうもこうもありません。


 その鍵は養殖場。


 タルット共が管理・運営している養殖場にありました。育て育てと、珍しく馬鹿が気を回した結果、養殖場の魚たちはスックスクと育ち……そだち……育ちすぎるくらい育ち……。


 雑なアイツはきちんときっかり養殖場にのみ的を絞って加護をかけるということをしなかった様で、養殖場からかなりはみ出る感じで『加護スポット』が生まれていました(大会後調査済み)


 不味いことに女神奴、加護の対象を『水』ではなく『空間』に指定していました。

 まあ、これは理由がわかります。湖の水というのは循環していますので、加護がかかった水がぐるりぐるりと巡って最後には雨となって降り注ぎ、思いも寄らないイレギュラーが発生することも考えられます。


 なので、空間を指定し、その範囲内に居る生命体……この世界の場合は魔物の生育を促進させるというわけで、養殖場周辺を縄張りとして住み着いていたフィッシュイーター共はすくすくと成長し、そこに訪れた各チームのメンバー達は高確率で大物と出会える状態になっていたわけです。


 不幸だったのはナベゾコ村の面々。


『この土地は季節で言えば春じゃ。あまり高くはない水温じゃから、シャローを中心に攻めるのが良いのじゃ!』


 と、まあ正解と言えば正解の采配をした結果、加護を得た魚達が潜む深場に行くことは無く、事実上の縛りプレイみたいなことをしていた感じになっていたわけですね。


 ちなみにこの世界の魚は『魚』ではなく『魔魚』なので、魚としての常識は通じず、水温が低い深場だろうがなんだろうが元気いっぱいにごはんを食べるので亀ちゃん乙!ってとこですね。


 はい、というわけで色々と終わって現在は会場でのんびりとお疲れ会をしている私、ユウです。

 

 こうして皆でお酒を飲んでいると……なんだかこう、手元が寂しく感じることがありまして、なんでかなあ?なにかなあ?って考えてたんですがアレですわ。家に留守番としておいてきたクロベエ分が足りないんですわ。


 最近、たまーに2階層のフロアマスターであるヒカリの所に辿り着く冒険者がたまーに現れるらしくって、家族ごと迂闊に呼ぶことも出来ないため、寂しいけれどクロベエもセットでお留守番してもらってます。


 そのうち誰か適当に森っぽい魔物を鍛え上げてシフト組ませる必要がありますね。


 ちなみにウサギンバレーがある3階層のフロアマスターは巨大ロボ……もとい、戦闘用ゴーレムが暫定的に務めています。これには理由があって、現状4階層及び5階層をちゃんと作っていないため、超えられると困る……っていうか、超えたところで『未実装』の札と共に入り口に戻る転送門(ゲート)が現れるだけなんです。


 で、ここでゴーレムをフロアマスターにしている理由と繋がるわけですが、ゴーレムは……もうぶっちゃけてしまえばまあ、ロボ!ええ、そうですよ!エネルギー系統なんかはまあ魔力なんで、魔術的に作られたゴーレムと呼んでは居ますが、ぶっちゃけロボですからね、設定を……プログラムを変えることによって難易度調整が容易いんです。

 

 現在の難易度は最高難度の『狂乱』に設定されているため、触られた瞬間死亡判定を喰らうはずです。女神の加護だからこそ出来るこの設定!もしも俺がスキルで似たようなシステムを組んで作ったダンジョンでこんな真似をすると、多分死亡判定を喰らう前に蒸発してリスポーンすら出来ないんじゃないかな?って思います。


 まあ、そんくらいしないと安心できないこの世界の冒険者達が隠し持っていた底力が恐ろしいわけなんですが……。


 っと、話しが超脱線した。


 まあ、そんなわけでして、大会も終わってしっぽりと飲んでいるところです。


 色々とグダりましたが、終わってみれば結構楽しい大会だったなと思いますが、次回からは個人大会や、村対抗をやるにしてももう少し面白い感じにやりたいなと反省。


 で、さっきから入れ替わり立ち替わりやってくるのが色々な村の住人達。


『魚を眺められる施設が欲しい』だの『温泉に遊べる施設を作って欲しい』だの、要するに全村分やる羽目になった優勝賞品……もはや参加賞ですが、『俺が何か施設を作ってやる!』のおねだりというか、提案というか。


 いやいや、これがまた別に嫌な感じはしてないんですよ。自発的に自分たちの村をなんとかしよう!って考え、行動してることが嬉しくって嬉しくって。

 

 結局の所、現状以上に良い生活があるという事に気づけなかったというだけで、少し良い思いをさせて後押ししてやれば、勝手に自分たちで次を求めていく様になったというわけで。


 ぬるま湯のような甘やかされた世界でも、原始的な生活をしていたわけですからねえ。文明の味をちょいちょいと知らしめてやればこの通りですよ。


 多分女神の予想よりハイペースで世界が動き出してるんじゃないかな?って思うんですが、任期は確か2年くらいあったはずなので、それまではまだまだ働いてやりますわ。


 まあ、なんだかんだ言ってこのデタラメでいい加減な世界好きなんだよなあ。

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