第1ピース:記憶無き少女
ふと目が覚めた…… 最初に気づいたことは、自分がベットの上に居るということだ。
辺りを見回すと横には千羽鶴がかけられその下には聞き覚えのない名前に対してお大事にと書かれていた。外では静かに雨が降っている、辺りを見回して気づいたことはこれぐらいで、後わかった事は自分が病院に入院しているということだけだ。
後は、なぜ自分が入院しているのか、今が西暦何年の何月何日なのかまったく分からない。
そして、普通ならわかって当然のことが分からない。私は一体誰だろう………
性別は辛うじて女だと分かる、しかしそれ以外は自分がなんという名前なのか何歳なのか、学生?社会人?自分の情報が全く浮かばない。
ガラガラガラ
不意にドアが開き私は驚いてドアの方に目をやった。「ナナッ!気が付いたのね良かった」
そう言ってドアから入ってきた女の人が私に駆け寄ってきた。
「大丈夫?3日も寝込んでいたから心配したのよ、ナナ」
誰だろうこの人は誰だろうナナって。
「あのっ」
「何?」
考えて分からないのでは素直に聞くしかない。
「ナナって誰ですか?」 「………何言ってるのよ三浦ナナ(みうらなな)あなたの名前じゃない」
三浦ナナが私の名前……なぜだろう全然聞き覚えがないだけど確かに千羽鶴にも同じ名前が書かれているところを見ると真実なのだろう。
「三浦ナナ………」
「やだ、ホントに覚えて無いの?先生呼んでこなくちゃ」
診察されると私は記憶喪失というものらしい、日常生活する知識は十分にあるようなので今日中に退院して良いそうだ。
「記憶喪失か……仕方ないよねあんなことあったら、じゃ改めてあなたのこと説明してあげる、あなたの名前は三浦ナナ桜の宮高校に通う高校二年生の17才よ」桜の宮高校やはり聞き覚えなど微塵もなかった。
「ちなみに私も自己紹介しとくね、私の名前は御手洗奈乃葉あなたとは同級生であり幼なじみであり親友よ」
「あのー奈乃葉さん私の家族はいないんですか?」
「………言いづらいけど残念ながらいないわ、あなたはお姉さんと二人暮らしだったのけど二週間前あなたはあなたのお姉さんと一緒に何者かに誘拐されてしまったの。そして、3日前なぜかあなただけが返された意識のない状態でね、それから3日たって今に至るというわけよ」
「姉さん……」
「そうよ、三浦ミミ(みうらみみ)あなたの3つ歳上でとっても美人だったの覚えてない?」
「ごめんなさい……」
全然心当たりがない。
「別に謝らなくていいわよお医者さんも言ってたように無理に思い出さない方がいいわ、それより記憶の無い女の子が一人じゃ大変だろうから今日からしばらくは私の家に泊まったらいいわ父さんも母さんも賛成してくれてるし」
「そんな迷惑かける訳には……」
「いいのよ遠慮しないで、むしろにぎやかになってありがたいわ」
確かに一人で今日から生活できるかと言われるとそんな自信はまったくなかった
「じゃあ、お言葉に甘えてよろしくお願いします奈乃葉さん」
「うん、よろしく後、奈乃葉でいいよ」
こうして私は無事に病院を退院することができた。
今は、一刻も早く記憶が戻らないか祈り続けるしかなかった。
まあ、その……一話目終了です。何人かの人は「BOXは?」みたいな疑問を持ったかもしれません。………まあ、なんでしょうストレートに言うなら、続きが浮かばないんです(自分がB型なのも要因の一つでしょうが)もしかしたら、ネタが浮かべば、そちらも更新したいと考えています。下手くそな自分の小説を、一人でも多くの人が、楽しんでくれれば幸いです。