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14 エピローグっぽいネタばらしです。

 


 気付けば来た時と違い、機械的な部屋に立っていました。

「よう、大所帯でうまくやったみたいだな」

 男女二人がソファーに座ってティーカップを持っています。

「あなたもいかがですか?」

 二十歳くらいの金髪の女性がティーカップを指します。

「結構です。呼び出された時の声はあなたですか?」

 黒髪のアジア人…二十代半ばくらいの日本人に見える男性に訊いてみます。

「まあ、そういうこったな」

「行きしなにこの位の余裕が欲しかったです」

「無理いうな。それこそ時間の流れが最低5倍の差がある。

 召喚者がいたしな」

「…ここはどこで、あなた達は何者で、何をさせたかったのですか?

 あと師匠…ジンとノブヒコとの関係は?」

「気持ちは分からなくもありませんが、焦らないで下さい。

 順を追って話しますから大体の知りたい事は説明できます」

「…分かりました。」

「ノブヒコは次元移動の研究者で今いるここ、次元の狭間まで辿り着いてこの研究室を構築したんだ。

 だが、別の世界などなかった。見つけられなかった。

 しかし、創る事はできてしまったんだ。

 創った世界の時間を早める事で人類の歴史がシミュレートできるわけだ。

 条件設定する事で好みの世界を作って入る事にも成功した。

 ただ、条件設定をいちいち考えるのが面倒らしくてな、古いゲーム設定をそのまま流用してその歴史が再現されるように条件付けた。

 そして2030年…15年前のその頃、俺は新米の刑事、つまり警察官だった。

 他にも違法行為の疑いのある研究者のノブヒコをマークしていたが、ドジって誘い込まれて君達の前の物語、パート2の物語で主人公をやるハメになった。

 しかし俺は正規パーティでもサブヒロインでもない、このノインと愛し合った。

 本来なら家族と融合組に混ざるはずの、このノインと付き合う事で矛盾だかエラーだかが発生したらしい。

 この俺はこのノインを連れてクリアしてここに戻ったが、俺がノインに付き合って融合組に混ざる選択肢が発生していたらしくてな。

 そっちの俺達はフヅキ、君を生んだ。

 ノブヒコは余計な事を知った俺を痕跡なく殺せるあちらの世界で俺を捜し、別の俺達…お前の両親を捜し当てて殺し、奇妙なハーフのサンプルともいえるフヅキを連れて帰ってきたわけだ。

 俺達がクリアしてここに戻ったのは、その後で何も知らなかった。

 あの世界は最初の条件に人の意思の介入はあっても俺達の世界と同等の現実だ。

 フヅキも分かるだろう?」

「…はい」

「だが現実問題としてあの世界の事、そこで起きた事はこちらの法で裁けない」

「…そうでしょうね」

「ノブヒコを捜そうとも考えたが、ここを放置できないし俺は警察官としての立場が足枷、邪魔になる。

 捜索はノインと仲間のジンを頼った。

 ジンは期待通り証拠が残らないように遠距離魔法でノブヒコを抹殺してくれた。

 ノインは戻って来たが、ジンはこちらに興味があるとか用ができたとか言って日本に住み着いた。

 俺達に知らせなかったが、おそらくノブヒコの許にいたフヅキを引き取って育てる為に。

 知らせたら俺は絶対に反対したろうからジンの判断は正しいとも言える。

 俺達がシステムの使い方の初歩を解かり始めて出入りログが読めるようになり、フヅキの正体が想像できる頃になって、今度は俺とノインの遺髪を使った召喚儀式だ。

 当然、俺達も引っ張られたが俺達より強力に引っ張られたのがフヅキ。

 これでフヅキの正体を確信した。

 即座に介入したが、なんせマニュアルもヘルプもないワンオフシステムなもんでよ。

 俺達より強力に引っ張られたのなら潜在的なポテンシャルは俺達以上のはずだろうが、いきなり隷属やら強制の魔法でも喰らったら抵抗できないかもって事で、なんとか召喚場所を離れた所に変更して、俺自身が体験した困り事をあの場で思い付く限りアイテムでフォローしたんだ」

「じゃあ、Lv2の祝福と呪いは…?」

「フヅキ自身のユニークスキル」

「後からでもフォローしてくれてもバチは当たらないですよ?」

「今の所俺達の把握できている操作では5倍速が最低速だぞ?5倍速なんかそうそう見てられるか!

 それに俺達のル-トならともかく内部への転移とか干渉のやり方は良く解からん。

 しかし、まあ、DNA的には俺達の娘って事になるわけではある。

 ジンの弟子というか孫娘というか実質、養女でもある。

 時々は覗くくらいはしてたが何の心配もなく、ノブヒコが持ち出した負の遺産のバグへの対処まで始めたのは分かった。

 もう、放置してるのが最善だろって事にして待っていたわけさ」

「…聞き捨てならない事をサラッと言いましたね?」

「…バグはノブヒコが私の世界から持ち出しました。

 あれの発生も私とシズマが選んだ歪みかもしれません」

 …だから人類の敵、なのですね。


「みんなはどうしてるの?先に行きました?それとも戻してくれました?」

「最初のフヅキと同じ感じの所で話を聞いてる」

「話って、今ここでの話!?」

「こんな所まで付き合ってくれた仲間だろ?あの人数の質問は困るが話くらい聞かせてやらないとフェアじゃないだろ。

 一応宣言しておく。

 元の魔法陣に戻れる魔法陣は用意してあるし、地球にいる限りフヅキとは通信できるようにしておく」

「…あなたは来ないの?というか若いですよね、話から計算できる年齢より」

「…俺の物語の誰も選ばないル-トのエンディングを知ってるか?

 俺の場合、それに該当するらしい。

 世界を見守る神みたいな存在への階段を登るんだ。

 ノインと一緒に登ったらここに着いた。

 おかげで2人して不老だ。神らしい権能はないけどな」

「…神頼みは人事を尽くしてからですか」

「そんな感じだ。

 行って来いよ、フヅキ。

 フヅキは俺より強い。

 フヅキ達は俺達よりずっと強い」

「分りました。

 行ってきます、DNA的お母さんお父さん」

 皮肉も込めたつもりですがDNA的両親は悪い気はしないみたいでした。




 これでわたしの物語は終わります。

 皆さんの物語は始まったのでしょうか?

 師匠の物語は終わるのでしょうか?

 待たせた仕事を終わらせます。

 そしてまたあそこで言うのです。


「今日もわたしに仕事はありませんでした」









ここまで御付き合いして下さった方に感謝致します。

誤字脱字、意味不明ワード、矛盾点等がありましたら御指摘下さると幸いです。

可能な限り対処改稿したいと思います。

…後になるほどで自分で見つけた時に恥ずかしいので。

ありがとうございました。



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