6
ー??年ー
某所??
「もしや我等以外にあれを探す者が出てくるとはな」
何かの威厳のある声が響く場所は暗闇に包まれており姿形の確認は出来ない
「もしかするとあれに辿り着いちゃいますかね?」
先ほどの声とはまた違う落ち着いた雰囲気の声が遠くとも近くとも言えぬ場所から飛んでくる。
「かもね、対処は?」
女性的な高い声がどこからかまた飛んでくる。
「ヤッチャウ?ヤッチマオウゼ」
狂気を孕んだような歪な声
「やらない方がいいと思う!」
無邪気さを含む発言
最初に発言した「威厳のある声」が場を取り仕切る。
「静粛に、この案件についてはもう少しばかり様子を見る異論はあるか?」
異議を唱える声、賛同を示す声二つの声が聞こえてきたが
どうやら賛同を示す声の方が多いようだ。
「ではこの案件については保留とする」
「威厳のある声」がそう発言すると威厳のある声以外の声たちがどこかへと消えていった。
威厳のある声は思案する。
あれに気付いた科学者
「確かシリウスという名であったか・・・」
奴は我々の計画の邪魔となるのかそれともこちら側に取り込めるのか
現段階で判断することではない。
現状あの科学者は我々の存在に気付いていない筈だ。
・・・もしかしたら奴等が・・・いいや考えすぎであろう。
あの科学者として人間だ。我等の存在に気付かされたとしても対処は出来まい。
さてゆるりゆるりと進めて行こう。
総ては決まった事なのだから。