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-某日ー
俺は友人と街に出かけている。
何の当てもなく暇を潰すためにぶらりぶらりと仕様もない話をしながら。
「おい、あれ面白そうじゃね?」
今まで無駄なことをべらべらと話していた友人が真面な話題を出してきたかもしれない。
友人が指していたのは露店。
占いみたいだ。
「いいよ、行こう」
暇を潰せるのならなんだっていい。
そうして露店の前のわずかばかりの客の後ろに並び順番を待っていると
占い師にある夢の事を聞いてみようかという考えが浮かんできた。
毎年決まって同じ日に見る夢。
でもあれが夢だとは思えない。
もしかしたら何かの暗示?
この夢について考えていると他の話が耳に入ってこない。
正直俺が聞いていようともいなくとも話し続けている友人は楽だ。
自分の考えに没頭できる。
おっと、順番が来たようだ。
占い師が俺たちの顔を見て言葉を発する。
「いらっしゃい、今日はどちらを診断しますか?それともお二人?」
友人は短く
「俺はいいです」
なら友人分の空き時間が出来るわけだな。
「じゃあ俺だけお願いします」
「それじゃあ占いを始めましょうか、まず初めにお名前は?」
「堂島・・・堂島泰我です」