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ー2015年8月31日ー
「またここか」
俺がここに来るのは一体何回目なのだろうか。
小さい時からありもしない日、
そうだな仮に8月32日だとしよう。
8月32日に俺は1年に一回来ることが出来るんだ。
閑散とした都市。
本当だ。嘘は言っちゃいない。
「それにしても・・・何も変わっていないよなぁ・・・」
小さい頃からこの年は何も変わらない。風化を知らないのかな??
・・・
ここを出るのには条件がある。
空間の歪みを探し修正するんだ。
修正と言っても難しいことはしない。
俺が触れると勝手に直るんだ。
小さい頃はこの条件が分からず出るのに苦労した。
とにかく今回もそれに倣って歪みを探していたのだけども
ある一点を見つめ俺は目を離せなくなった。
いる筈のないものがいた。
誰もいないはずの都市に人がいたのだ。
その人は私を見るとゆっくりと近づいて来る。
動けない。
そして手と手が触れ合える距離に来るとその人は何かを呟いた。
そして俺は気を失った。