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koimayuです。


今回は現在のみです。

 







 僕は小百合の手をそっと包んでゆっくりとリビングの椅子に座らせる。深く腰をかけて背筋をスッと伸ばした小百合は、寝るときに着ているほとんど無地のネグリジェの効果もあってか、本当に綺麗だと思う。こんな美人が妻になってくれるなんて、10年前の僕には考えることすら無理だろう。バカップルだの、周りからはツッコミを喰らいそうな心情だが、事実なのだから仕方がない。


「じゃあ、美澄を起こしてくるね」


 毎日見ているのに全く見飽きそうにないその姿を改めて目に焼き付けて、僕はまだ寝室で夢の世界に入ったままの娘を起こしに行った。


 程無くして、僕はまだ夢の世界から抜け出せていない眠たそうな美澄を抱っこして戻ってきた。美澄の頭は僕の胸に預けられている。ありゃ、二度寝するのはよくないな、思わず笑みがこぼれてしまう。


「美澄、おはよう」


 毎朝、小百合は小さくて重い小百合を抱っこするとその額にキスをする。それをする理由は聞いたことがない。いや、聞く必要は無かった。母親としての愛情はそりゃもちろん世間の母親と変わらないと思う。でも何より、どうすることもできない理由によって女性が必ずかなえたい母親になるという夢を小百合は諦めてしまっていたのだから、母親になれたという喜びは何物にも換えがたい。肌で自分の産んだ娘を感じたいのは至極当然だ。


「ママ~、おはよう」


 やっぱり眠たそうな美澄の声はふわふわとしていた。幼いときはいつでも眠たいものさ。


「さあ、手を洗っておいで」


 その小さな手でグシグシと目を擦っている美澄は子動物を思わせる愛らしいものだ。


「は~い」


 微妙に波打っているその声は僕達を自然と笑わせくれる。さて、そろそろ朝御飯の支度を始めないと、そう思う僕だった。





























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