2
koimayuです。
今回はかなり短めです。
現在の様子も少し入れてあります。
それでは、再開です。
12年間に渡るエスカレータ式の進級と言うのは、現在あるいは未来の視点では一日一日がとても長く感じられるものだ。毎日同じ席に座ること6年が経過して、さあ4月から中学生だーって言っても中学、高校の校舎は同じ敷地内にあるのだ。小学生と中学生の差は僅かに歩く距離が長くなるだけなのだ。これでわかってもらえるだろうか。そう、思考が勝手にあと6年もいることを考えると早く卒業したい、言い換えると早くここから出たいと思うようになってしまうのだ。それに自分を含めた新入生のおよそ三分の一がこれまでほとんど顔を会わせてきたメンバー······もう嫌になってくるものだ。というのは半分冗談なんだけどね。
えっと、これから固有名詞を出すのは面倒なんで先に呼び方を説明しておくね。僕のように小学校から高校までずっといるメンバーのことを「12年生」、中学から新たに僕らの学校に入ったメンバーを「6年生」と呼称するから。
それで、その12年生の中でも男、まあ僕もその中の一人だったんだけど、男達は正直飢えていたんだよ。何かって、そりゃ女の子にね。ううん、そうじゃなくて12年生の女の子も勿論可愛かったんだけど、男の思春期に入るのってだいたい小学校の6年生くらいからって言われいるけれど、ずっと見慣れている女の子って恋愛対象というよりはやっぱり友達、親友のレベルまでしか見ることができなかったんだよね。僕がそうであったように。あ、これも余談だけれど僕らの学校内で知り合って結婚してるのって大半が12年生と6年生のペアが多いんだよ。もっとも全体的な母体が少ないからなんとも言えないけど。
「なら、私達が結婚したからその母体も少し増えたのね」
小百合がゆっくりと上半身を起こそうとするから僕はさっと上着を着せてあげる。春はまだまだ遠いようで朝は冷える。
「ん、ありがと」
小百合はふわりと掛けられた上着を少し上に上げると手を僕の顔に当てる。指で僕の唇の位置を確認するとその薄桃色の唇で僕のに重ね合わせてくれる。
「朝ごはんにしよっか」
それなりに深いキスをし終えると、小百合の方のベッド脇に回ってその手を取る。コクンと頷いた小百合の手をそっと引いてリビングに行った。