00 愚神
“天界”と聞けばどんなのを想像するだろうか?
可愛い天使たちが飛び交うお花畑。輝く空。澄んだ空気……そんなのを想像するのではないだろうか?
死後の世界とされている地獄と天国。その天国のことを指す天界は人々の最高の終着点となっている。実際にはあるかもわからない空想の世界だが、人々にとっては最高の土地という認識になっている。
しかし2034年ーー。そんな“天界が崩壊した”。
それは前触れも兆候も無く突然起こり、比喩や空想などでは無く実際に崩壊し、事実、“天使が堕ちて来た”のだ。
堕ちて来た天使は自我を失い、混沌に飲まれ、幼い少年少女の可愛らしい姿から一変し、“愚神”と名付けられた。
愚神は下界の人々を襲い、地球人は自衛隊まで出動させて愚神を排除しようとしたが全く効果は無く、数ヶ月で地球は壊滅寸前まで追い込まれてしまった。
そんな世界を救ったのは、日本の一人の高校生だった。
少年は“神器”という名の武器を手に、次々と愚神を切り倒していった。
拳銃。ミサイル。核兵器までも通用しなかった愚神をいともたやすく切り裂く少年は、崩壊しかけだった世界を一人で支え続けた。
それから徐々に“神器”を持つ人 たちが増え、彼らは最初の少年を筆頭に、対愚神のグループ“ギルドナイト”を結成した。
ギルドナイトのメンバー達は、今日も神器を手に広野を駆け抜けるーー。