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早速だけど幼なじみが来るらしい

はい、性懲りもなくまた新しい小説です。

他の小説あるのに何してんの?っていう意見もあると思うんですけど、やりたくなっちゃって!←

続きは思い付かないのに、新しいものばかり思い付くんですよ。

他にもバカップル異世界にて冒険やら、遺跡に縛り付けられた人間やら。

どうしようもないです。


じゃあ本編へGO!←

 やあやあ、皆さん。いきなりで悪いんだが、俺を知らない人も多いと思うので自己紹介をさせていただきたいと思う。

 俺の名前はピースレイン・オーリオーツ・キルメイ。

 今年で23歳。身長は178cmで結構高めであり、太ってはいない。金色の髪を適当に肩辺りで揃えており、容姿については酷くはないと自分では思っている。そう、酷くはない。


「酷くはないよな…。うん…絶対酷くはないよ…」


「ピースレイン様ー? ぶつぶつと呟き始めてどうされたんですか? …はっ! まさか…、ついにおかしく…?」


「おい、ついにってどういうことだコラ」


「ひぃ…! 痛っ! 痛いですよごめんなさいすいません申し訳ありません!」


 このガシッと俺にアイアンクローをくらい、涙目になりながら謝ってくるのは従者のローズ・ローンローズだ。 種族でいうと猫人族。姿形は人間族(俺みたいな)に似ているんだが、違うところが一つだけ。それは猫耳と尻尾がついているということだ。

 猫人族について、俺は本などで読んで知っていたんだが、会う前はぶっちゃけ、は? 猫耳ですか? 可愛いもん付ければ何でも可愛くなると思ってんなよ(笑)な勢いであった。だが実際、ローズに会ったらそんなふざけた考えを持っていた自分を殴り殺したくなりましたっ。

 ローズの耳と尻尾は純白の綺麗な毛並みをしている。普通、猫人族は耳や尻尾を他人に触られることを極端に嫌うのだが、ローズは俺に触られると喜ぶので頭を撫でる時は耳も一緒に撫でるようにしている。そういえば顎を撫でられるのもお気に入りだったな…。本当に猫みたいだ。

 と、話が剃れたが、気になる能力はというと、やはり動物の力がプラスされているためか身体能力は高い。しなやかな肉体は、力はないものの柔軟性、速さに秀でており、それを持って相手を翻弄していく。決定打がないのが弱点といえば弱点と言えるだろう。

 よし、次はローズの容姿について説明しようか。

 肩甲骨辺りまで流している髪の毛はやはり純白。同じように肌も白く、爛々と輝く赤い眼がよく映える。すらりとした手足、小振りながらも形のいい胸、キュッと括れた腰、足に向かって素晴らしいラインを描いているお尻と、身体も抜群のプロポーションをしている。ローズさん、マジハンパないっす。美少女という言葉はあなたの為に生まれたじゃないでしょうか?

 なんて冗談は置いておき、続きを。従者であるのにさっきはあんな事を言っていたが、然るべき時には俺をちゃんと立ててくれる出来たやつであるため、不満などない。むしろ俺なんかに忠誠を捧げてくれたことに感謝したいくらいだ。

 あ、そうそう。言い忘れていたが俺、魔王です。従者とかも納得?


「ったく。お前はもう少し口を慎め。こんなんでもお前の主なんだからよ」


 そう、主なんだ。なのに、ついにおかしく…? だなんてこの従者はほざきやがったわけで、俺でさえ主従関係を疑ってしまう。内心では俺を馬鹿にしてるんだろう。泣くぞ。


「うぅー…。だとしてもアイアンクローはやり過ぎだと思うのですが…」


「………はぁ…。悪かったよ。ごめんごめん」


 涙目になって訴えてくるローズを見て、流石にやりすぎたと思いローズの頭を撫でる。と、目を細めて気持ち良さそうに頭を掌に押し付けてきた。その、もっとぉ〜とでもいうように甘えてくる姿はとても可愛らしく、自然に頬が緩む。そしてゴロゴロ言いはじめた為、顎を撫でるも追加。


「うにゃーん♪ピースレイン様ぁ〜…」


 膝の上に乗ろうとしてきたローズを迎え入れ、頭やらお腹やらを撫でてやっていると、その場にピピピと電子音が鳴り響いた。

 と、ここで「その場って何処だよ?」という疑問にお答えしよう。え? 聞いてない? うるさい。

 今俺がいる場所、いや国は、大陸の最南端に位置する闇の国オーリオーツ。人族ではない者たちが住む場所であり、その広さは大陸の三分の一を占める程である。魔王である俺が統治する国だ。そこにある魔王城の謁見の間にて、玉座に座っている。

 そんなことより、この椅子の坐り心地は凄まじい。座れば程よく身体を包み込み、何の負担もかからない。もう天国か?というような感じだ。装飾は赤と黒で施され、デザインもなかなかである。実に俺好み。この椅子を作ったやつはきっと後世に名を残せるだろう。つか俺が残してやる。名前知らないけど。

 おぉ、また話がズレたな。気になっている今の電子音はというと…。


「あ、メールだ」


 そう、メールだ。俺の世界ではケイタイなるものがあり、それは遠く離れた者同士で魔法を使わなくとも話せたり、手紙を送ることのできる優れものである。ケイタイは誰が発明したか。それは広い大陸にある国の一つが発明したのだが、今は割愛させていただこう。正直今は関係ない。


「メールですか? 誰からでしょうねぇ? ………んっ……にゃふふ♪」


 甘えるような声で聞いてきたローズの質問に答えようと、メールの受信ボックスを開く。そこには見覚えのある名前があった。


「お、リィちゃんからだ」


「………またその女ですか? 用件は何て?」


「そう邪険にするなって。機嫌直せよ、よーしよしよし」


「…んうっ………あふ……………♪」


 ムツゴ〇ウさんばりに撫でまくり、ローズの機嫌を取りつつメールを確認してみると。


『From:

 リィちゃん


 件名:

 大好きなピーちゃんへ♪


 本文:

 ピーちゃんヤッホー!!元気にしてた?私はすっごい元気だよー(^O^)/

それはそうと、近々そっちに遊びに行くね?

前遊び行った時も負けちゃったけど、今度は負けないよー?勝ってピーちゃんのお嫁さんにしてもらうからね!?

あれから新しい魔法も覚えたんだよ?すごいでしょー?褒めて褒めて♪


んじゃあそういう訳だから準備しといてね?

バイバーイ(^O^)ノシ 』



 …………………うん、いつものリィちゃんだ。相変わらず嵐のようなやつだな。

 リィちゃんとは俺の幼なじみである、リィナーゼ・メルベルンのことだ。同じ村で生まれ、隣同士の家に住み、大体二人でいたため、近所の人達にはセットで覚えられていた。だから一人でいると驚かれたほどである。そんな俺達だったが当然別れは来るもので、きっかけはリィちゃんが魔物に襲われたこと。ある日森で迷子になったリィちゃんを探していたら、悲鳴が聞こえた為その場へ急行。そしたらなんと、リィちゃんが狼型の魔物に襲われているではないか。リィちゃんを守ろうと必死だった俺は、戦闘の途中で自分の中にある枷が外れたような感覚を覚えた。それが魔力の解放であり、魔物がビビって逃げてしまうほどに強大だったらしい。それから、俺に先代魔王を軽く上回る強大な魔力があると知ったオーリオーツが、俺を村まで迎えに来た。オーリオーツの王、魔王は一番の強者がなるものであるとされているため、強い魔力を持つ俺に白羽の矢が立ったわけだ。一応俺の意思も聞いてくれたのだが、あれはもうすでに決まっているようなものだったな。顔は笑ってるが目は全く笑ってない大人達が子供を囲み、意思を聞く。いいえとはとても言えない雰囲気であり、まだ12歳であった俺には少々堪えた。半泣き状態で頷いたのは懐かしい記憶だ。忌ま忌ましくもあるがな。何せトラウマものだったし。

 というか丸っきり話が変わるのだが、もうお互い20歳越えたっていうのに、今だに相手をちゃん付けで呼ぶのは流石におかしくないか? もう大人だというのにちゃん付けは少し………。まぁそれは今度リィちゃんにも言ってみるか。改善してもらおう。

 それじゃあリィちゃんが来る事は皆にも伝えとかないといけないな。あいつが来ると、決まって城が半壊するから…。心の準備を、ということで。あ、あと本文中にあったお嫁さんのくだりはスルーしてくれ。いつもの事だから。


「ローズ、今から皆をここに呼ぶ。そろそろ降りてくれないか?」


「え? 何故です?」


「いやー………近々あいつが来るらしくて…」


「………なるほど」


 あいつが来ると言っただけで全てを分かってくれる出来た従者。ローズの頭にもあの惨劇が刻み込まれているだけあって納得してくれた。…にしても本当に残念そうに膝から降りるな、ローズは。


「それより、ピースレイン様。またあの女は嫁だ何だとほざいていたので?」


「ああ、今回も書いてあったな」


「………あの女は…。ピースレイン様のお傍には私だけで充分だっていうのに…」


 すごい恐い形相で呟いているローズの今の姿は、どす黒いオーラが出ているように見えるほどに恐い。今のローズの近くにはいたくないな…。俺にそう思わせるくらいだから、他の人にとっては相当なものだろう。だって般若が見えるよ? 取って食われそうだよ?


「にしても、あいつも嫁だとか言ってからかわないで欲しいな…」


「………でもこの方はいつまでたっても鈍感。私も、気に入らないけどあの女もこれ程までにお慕いしているっていうのに…。報われないなぁ…。はぁ………」


 今度は寂しそうな顔で呟き始めた。鈍感とか報われないとか言っているがまるで意味がわからない。それにしても、ローズをここまで落ち込ませるなんて許せんな。誰かのせいだったら俺の魔力を極限まで込めた神話級魔法ぶっ放してやる。…あ、ダメだ。国が半分吹き飛ぶな。

 つか、そろそろ皆を呼ばないとまずいか。


「さて、じゃあメールを一斉送信で…」


 玉座の間に集合、っと。




〜20分後〜




「さて、皆集まってくれたか?」


 玉座の間に集まったこの国の重鎮達を見る。すると俺の横に立っていたローズが俺に耳打ちをしてきた。その顔からは何と言うか、呆れの色が見て取れたため、ある程度の予想は出来たが一応耳を傾ける。


「失礼します。ピースレイン様、ウルツがまだ来ておりません」


「またあいつか…。あいつはケイタイ音痴だから…」


「苦手意識からか触ろうともしませんしね…」


 ウルツ。フルネームはウルツ・ウィルムーン。人狼族の青年である。人狼族も人族とあまり変わらない。ただ人族よりも身体能力に優れ、五感も遥かに鋭い。あと決定的に違うのが、満月の夜に二足歩行する狼へと変身することである。変身すると人間時を圧倒する身体能力、特に速さに関しては他の追随を許さない。

 と、能力は実にハイスペックなのだが、ウルツはなんと容姿の方もハイスペックなのである。


「すいまっせーん!! 遅れましたー!!」


 ………。今、調度入ってきたため説明しよう。後ろで結われた銀色の綺麗な長い髪に、よく鍛え上げられた身体とギラギラと輝く黒い眼が引き立てる精悍な顔は、世の中の女達を虜にしてしまうのではないかというほどに魅力に溢れている。とても妬ましい。それで、この国では魔王親衛隊隊長という地位にも就いている為、実にモテることだろう。もう本当に妬ましい。


「あの……主? すごい怖い顔をしていらっしゃるのですが…」


「ん? ああ、すまん。お前は本当にモテるだろうなと思ったら、つい、な?」


「えぇー………」


 いや、それはお前が悪い。モテるということは女性に好かれると同時に、男からの嫉妬に身を焼かれるということだ。そこは覚悟しとけ。


「ピースレイン様。私は貴方様の方が魅力的だと思いますよ」


 そんな事を言われ横を見れば、ローズが柔らかく微笑んでいた。一瞬見惚れてしまうほどの暖かい笑顔、思わず頬に触れたいと手が動いてしまうほど。


「ん、ありがとうローズ。世辞でも嬉しいよ」


「………お世辞なんかじゃないのに…」


 ローズが何か呟いているのだが、よく聞こえないため聞くのを断念。そして話を進めようとウルツの方に向き直る。


「で? 一応聞くが、遅れたのはやっぱりケイタイが満足に扱えないからか?」


「は「あー、いいうるさい」おい聞けよぉぉ!! 聞いたの主じゃないっすか!! なら、はいぐらい言わせろよぉぉぉ!!」


 今までのやり取りで分かったと思うが、ウルツはギャグ要員だ。さて、あいつはまだ何か叫んでいるがそろそろ本題に入らないといけない為あえて無視させてもらうか。俺は表情を真剣なものに変えて、今一度皆を見渡す。………こう見ると女性の数も多い方だな。って、違うぞ。本題に入れ、俺。


「皆、よく集まってくれた。急に呼び出してすまなかったな」


 そう言って頭を下げる。今はそうでもないが、始めの頃はとても驚かれた。魔王という存在が頭を下げるなど前代未聞なことらしく、うろたえだしたのを今でも覚えている。あの時は俺もうろたえてしまったな…、うん。


「今日集まってもらったのは一つ、知らせがあるからだ」


「知らせ…ですか? 私達全員を集めるとは、そこまで大変なことなのでしょうか?」


 文官の一人が言う。財務を仕切ってもらっているエリナ・トリスというエルフ族の女性だ。

 エルフという種族は、総じて魔法の能力が高い。近接戦闘は大体からっきしであるが、後方からの攻撃を任せれば期待以上の働きをしてくれる。それ以外には理解力がずば抜けていることが挙げられる。エルフは賢いのだ。いや、別に他の種族がアホだとは言っていないが、やはり比べると頭一つ抜きん出ているからな。

 エリナの容姿についてだが、切れ長の眼、瑞瑞しい唇、通った鼻筋、尖った耳、それらが神懸かっているといっていいほどバランスよく配置されている。そして眼鏡をかけているのでインテリ美人といった感じだ。スタイルは抜群。あの兵器としか思えない大きい胸はどれだけの男を魅了したのか。きっとすれ違う男の数だけだろう。なんともまぁ………、けしからん、実にけしからんぞ。だが俺は胸よりも触り心地のいい髪が気に入っている。何度か頭を撫でたが癖になりそうなほど気持ち良かった。指をすり抜けていく艶のある新緑色の髪はやばい。頬を染めるエリナが可愛かったのも気に入っている理由の一つであるが。でもその度にローズが睨みつけてくるのは何でだろうな…? その髪が最高なエリナの質問に答えるため、より一層顔を真剣なものにする。


「ああ…。心して聞いてくれ」


 どこからかゴクリと唾を飲む音が聞こえてきた。そして俺は口を開く。


「近い内に、この魔王城に勇者がやってくる」






 ………一番最初に悲鳴を上げたのは誰だったか。

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