第3話 少女覚醒
「で、でも、陸兎さんが…」
レナは判断に迷い、その場で立ちすくむ。
陸兎が次の言葉を声に出すのを待ってくれるはずもなく、モンスターは身動きが取れない陸兎に向かって、手から変形させた刃で陸兎の右腕を突き刺す。
「ッ!!」
陸兎はオーラで体を防御しようと試みたが、拘束せいでオーラをうまく出力できなかった。右腕はモンスターの刃で貫かれ、そこから吹き出すように血が流れる。
「陸兎さん!!血が…、そんな、私のせいで、こんなことに…」
レナは自分を責めた。自分のせいで恩人が傷ついたと思うと、心の底から後悔と怒りが湧き出てくる。
「大丈夫だ、レナ…、早く、逃げろ。これほど強い拘束、永久に保つのは不可能だ。しばらくしたら拘束は解けるはず…」
陸兎はレナをなんとか安心させて、この場から離そうと考えた。しかし、自責の念に駆られたレナは逃げるなんてできなかった。
「でも!、その前に陸兎さんが殺されちゃう!」
次の瞬間、モンスターが再び、刃を振り下ろした。その刃は陸兎の左腕に向かっていた。
「あっ。」
レナはまた陸兎が傷つくのを悟ると、悲鳴すら出なかった。
再び刃が陸兎の左腕を突き刺し、腕から鮮やかな血が流れる。
「…私の、せいで、陸兎さんが、…許さない。許さない」
レナは涙を流しながら声を荒げ、ふつふつと湧き出る怒りを抑えきれない。レナは睨むようにモンスターの方を向き、唇を噛みしめる。
次の瞬間、レナの体の周囲には白い靄が溢れ出ていた。それはまるで湧き出る怒りを体現するかのように周囲の空気を揺らがせる。
「そ、それは…、オーラ!」
血を流して倒れている陸兎はレナの体から溢れる白いオーラに驚愕する。
モンスターは標的を変えたのか、刃をレナの方へ向ける。
「グァァァァ!」
モンスターがレナに向かって刃を振るうと思われた瞬間、レナは踏み込み、風を切って一瞬で距離を詰めた。
「はぁっ!」
レナはモンスターが動くよりも早く、腹部にオーラが伴った打撃を入れる。
「グハッ!」
モンスターは窓を超え、ベランダの柵に吹き飛ばされた。レナは反撃してこないだろう思い、最後のとどめを刺そうとした。しかし、モンスターもオーラを纏っているため先程の攻撃は致命的ではなかったようだ。
「ガァァァ」
モンスターは叫ぶと同時に、手と融合していた刃を弾丸のように真っ直ぐレナに向けて飛ばしてきた。
「いたっ!」
レナは少し反応に遅れたため、飛んできた刃が頬にかすってしまった。
「大丈夫か!?レナ!」
陸兎は床に倒れたままで、レナが攻撃を受けた瞬間を死角で視認できなかった。
軽く攻撃を受けたレナは、恐怖を抱くのではなく、ここで自分が勝つという強い意志を持っていた。
「少し、かすっただけです!大丈夫です、陸兎さんは私が守ります!」




