第2話 冷凍パスタは美味い
「それってどういうこと?」
陸兎はレナから出た言葉に驚きを隠せない。
レナは一瞬沈黙したが、この人になら話してもいいと思ったのか、意を決して話す覚悟を決めた。
「…実は私、ある研究機関で育てられた実験体なんです。さっきのモンスターは多分、私の居場所を特定するために機関が作り出したものだと思います。」
レナは手を震わせながらも、はっきりと自分自身について告白した。
「…そうだったのか。」
「…」
陸兎は一瞬の沈黙のあと、すぐに話題を切り替える。
「さっきみたいなモンスターがまた襲ってくるかもしれない。早く俺の家に向かおう。」
「は、はい。ありがとうございます、陸兎さん」
レナは自分の境遇について、陸兎が気にならないの少し不思議に思った。
この時のレナは陸兎が本当は何者なのか、機関がレナを手放したくない真の理由はなんなのか、知る由もない。
2人は住宅街の一角にある、少し古いアパートにたどり着いた。陸兎の部屋は2階の203号室だ。鍵を開けて中に入ると、そこには簡素な一人暮らしの空間が広がっていた。
「さあ、中に入って。」
「おじゃまします…」
レナは申し訳無さそうに、玄関に足を踏み入れる。
「とりあえず、レナの服ボロボロだしシャワーに入りなよ。」
陸兎がそう促したとき、グゥと小さな音が狭いワンルームに響いた。レナは顔を真っ赤にする。
「あ、お腹空いてたんだ。気づかなくてごめん。今、冷蔵庫にあるのが冷凍パスタしかないんだけど、これでもいい?」
恥ずかしそうに俯くレナに、優しく応える。
「は、はい!それがいいです。」
陸兎は冷凍パスタをレンジで温めると、皿に盛りつけテーブルに持っていく。
「どうぞ。」
「わぁ…!おいしそうです、いただきます!」
レナは勢いよく熱々のミートパスタを平らげる。
「おいしい…、こんなおいしいごはん食べたの初めてです!」
「食べるのはやっ!、冷凍パスタをこんなに美味しそうに食べてる人初めて見たよ。」
「私3日間ぐらい何も食べてなかったので、つい…」
レナは口元を手で隠し、照れながら説明する。
「満足してくれたならよかった。好きなときにシャワー入っていいからね。」
陸兎がレナの食べ終えた冷凍パスタを片付けようと思い、屈んだその時、’パリンッ!’という音が部屋中に響き渡った。窓ガラスが割れると同時に、煌めく光の輪が陸兎を瞬時に拘束し、陸兎は部屋の壁に打ち付けられる。
「クッ!!、油断した!」
「陸兎さん!」
咄嗟の出来事にレナは陸兎の名を呼ぶことしかできなかった。
ベランダからは先程の公園で襲ってきた人型モンスターと同種の黒い怪物が侵入してくる。
「この拘束、強いオーラが込められている!簡単に解けそうにない、レナ、ここから離れるんだ!今は俺を標的にしているが、次に狙われるのはレナだ!」
「で、でも、陸兎さんが…」




