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キラキラと輝くキミに、出会って直ぐに恋をした。
でも、キミの隣は売約済み。
俺の気持ちに気付かずに、いつもキミは嬉しそう。
ぷっくりとした口から零れ落ちるのは、アイツの事ばかり。
他の男を思って笑う顔に、更に恋に落ちるとか、俺ってホンマにアホだなぁ。
キミの幸せそうな顔を見るたびに、胸の奥が締め付けられる。
キミの横で、俺が何を思ってるのかなんて、全く興味もないんだろうな。
燃え上がる熱情に、燃え尽きそうだ。
あぁ、俺のものにならないかな。
「…ぐすっ」
暗い顔をすることが増えたキミの、声を抑え、すすり泣く声が聞こえた。
「ごめん、大丈夫。なんでもないから」
声をかけるとすぐに隠されてしまう。
俺ってそんなに頼りない?
アイツのために零された涙にすら、嫉妬を覚えてしまう。
「本当に?」
だから、俺は、一歩踏み出した。
もう限界だったんだよね。
俺も、キミも。
「好きなのって、キミのこと?」
俺はキミのこと、愛しているよ。
「キミを思って?本当にそう思ってるの?」
キミをそんなに苦しめているのに?
「彼が本当に大切なのはな〜んだ?」
それが何かなんて、俺は知らんけどな。
今までの憂い顔が、嘘のように晴れやかな顔のキミ。
あぁ、やっと終わったんだね。
後ろから近づく俺に、少し驚いた顔をしたキミ。
だけど何も言わず、ただ静かにそこにいた。
歩き出したキミの隣には、もう俺がいる。
End.




