モノローグ
苦しみは なぜ いつでも中途半端なの
ひとりの部屋 ずっとずっと可哀想なのに
傷はぜんぶ 健康的にかさぶたになった
ずぶぬれの服も もとどおりかわいた
窓にぶつかって 秋が死んでいた
恥ずかしそうに あつい雨が洗う
ぼうぜんと 両手で午後をもて余し
垂れ流しの時間に いよいよ気が焦る
大胆なチョウに いつでも物怖じするくせ
日かげの花には 軽蔑をおぼえる
華やかな都市から 電車がはこばれて
ガタンゴトンのリズムが 私を寝かしつける
どこかに逃げたい 迷子になるように
それでも宇宙の中は まったく丸見えだ
いっそ誰か むかえにきてよ 強引に
私が意味のない言葉に使われきってきえてしまう前