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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

膀胱炎を放置したら、おむつで生活することになった件

作者: 062

初めて違和感を覚えたのは、体育の授業が終わった後だった。 汗をかいていたせいか、トイレに行くと少しヒリヒリする感じがあった。でも、生理の終わりかけだったし、たまたまだろうって思って、気にしなかった。

それから数日、なんとなくトイレが近い気がしたけど、深く考えないようにした。前にも似たようなことがあったし、そのときは自然に治ったから、今回も放っておけば大丈夫だろうって。


でも、次の週には明らかにおかしくなってきた。 トイレの回数がめっちゃ増えた。授業の合間に行っても、またすぐ行きたくなる。しかも、出し切ったはずなのに、残尿感がすぐ襲ってくる。


「え、なにこれ……?」


不安になったけど、病院に行くのはちょっと気が引ける。ママに相談すればいいんだろうけど、「トイレが近い」なんて大したことないし、学校で変に気を使われるのも嫌だったから、何も言わなかった。



そして1週間後。

私は授業中、机の下で足をギュッと閉じて、必死に耐えていた。 トイレに行きたい。でも、3時間目の途中で一回行ったばっかりだし、また「先生、トイレ行っていいですか?」なんて言うのは恥ずかしい。


「あと10分……あと10分……」


そう思ってたのに、残り5分で限界がきた。


(じわっ……)


ヤバい、少し漏れた。でも、ほんの少しだからショーツが吸ってくれて、なんとか授業終了まで耐えた。席を立つときの違和感はすごかったけど。


「バレてないよね……?」


心臓バクバクのまま、急いでトイレへ直行。確認すると、ショーツに染みができてた。こんなの初めて。


「嘘でしょ……?」


焦る気持ちを押し殺して、私は「疲れてるだけ」「たまたま」って、自分に言い聞かせた。

翌朝、最悪の気分で目が覚めた。 シーツが冷たい。 え、なんで? 手を伸ばすと、下着もパジャマもびしょびしょだった。


「嘘……?」


信じられなくて呆然としてたら、ドアが開いた。


「ミユキ、起きた? 朝ごは——」


ママの声が途中で止まる。


「……なにこれ」


私は必死に誤魔化そうとした。


「違うの! たぶん寝汗とか、そんな……」


でも、ママは布団を見て、一発で理解した。


「……いくつよ、あんた」


そう言って、ため息をついた。 私は恥ずかしくて、消えてしまいたかった。

それから、私は何も言えないまま布団を片付けた。でも、その次の日も、そのまた次の日も、朝起きると濡れていた。

3日連続でやらかした夜、ついにママが言った。


「もうダメ。夜はオムツしなさい」

「は!? いや、そんなの無理!!」

「無理じゃない。布団をこれ以上汚されるほうが無理なの」

「だって、そんなん恥ずかしい……」

「誰に見られるわけでもないでしょ? いいから履きなさい」


結局、私は押し切られてしまった。

その晩、私は仕方なく渡されたオムツを履いた。 違和感しかない。もぞもぞするし、ムレるし、最悪。


「こんなの、すぐやめてやる……」


そう思って寝たけど、朝起きると……


「……また濡れてる……」


しかも、オムツのおかげで布団は無事。 ママは「ほら、正解だったでしょ?」みたいな顔をしていた。 私は何も言えなかった。



それからの私は、トイレの失敗を隠しながら過ごしていた。でも、状況は悪化するばかりだった。 授業中に耐えられず、また少し漏らしてしまうことが増えた。放課後には、ショーツまで染みていることもあった。



ある日、4時間目の途中で、また強い尿意が襲ってきた。 「あと20分……耐えなきゃ……」 机の下で拳を握り、足をギュッと閉じる。だが、力を入れすぎると余計に膀胱が刺激されるのか、じわっと嫌な感触が広がった。

「やばい、止めなきゃ……!」

必死に力を入れる。でも、止まらない。

じょわ……

温かいものがショーツに染み込み、制服のスカートの内側にまで広がっていくのを感じた。 焦るほどに、制御がきかなくなる。


「お願い……もう止まって……」


心の中で必死に祈るが、膝を閉じたまま微かに震えながら、どうすることもできなかった。


休み時間のチャイムが鳴った瞬間、私はそっと立ち上がり、何もなかったふりをして廊下へ向かった。


制服のスカートがどうなっているのかもわからない。でも、早くトイレに行かないと——。

しかし、すれ違ったクラスメイトが不思議そうにこちらを見た。


「……ん? なんか、水こぼした?」


背筋が凍る。


「ペットボトル倒しちゃって……目立つ?」


そう言って、私は急いでトイレに駆け込み、スカートの後ろを確認した。


「嘘でしょ……?」


薄く広がる染み。どこまで気づかれていたのか、それを考えると、頭が真っ白になった。



そして、最悪の瞬間が来た。

5時間目、昼休みにトイレに行ったけど、間に合わなかった。授業が始まって少しして、違和感に気づいた。


……濡れてる。


え、うそ……? って思ったけど、止まらなかった。じわじわ広がる温かい感触。やばい、やばい、やばい……! でも、すぐに気づいた。スカートまで濡れてる。


教室の空気、完全に凍った。


静まり返る中、なんとなく感じるクラスメイトの視線。いや、絶対こっち見てる。っていうか、私の足元、水たまりに集中している。


心臓バクバクして、どうしようって思ってたら、先生が気づいたみたいで「保健室、行く?」って小声で聞いてきた。私は何も言えず、ただうなずくしかなかった。

保健室に着くと、先生がすぐにお母さんを呼んだ。


病院に行くことになった。お母さんは「念のためね」と言ってたけど、私はもうわかってた。だって、ここ数日で何回失敗してる?

診察室で先生に症状を話すと、先生は少し考え込んでから言った。


「いくつか検査をしましょう」


尿検査やエコー検査など、いろいろ調べられた後、女医の先生が診断を下した。


「慢性膀胱炎ですね。この状態では、まず症状の悪化を防ぐのが最優先です」


私はホッとしたような、でも不安なような気持ちだった。でも、その後、お母さんが先生と相談しながら言った。


「今の状態では、昼も夜もおむつをつけておいたほうが安心ね」


その言葉に、頭が真っ白になった。

翌朝、当然のようにおねしょして目が覚めた。 濡れたおむつを交換して、制服に着替えて、おむつの上からスカートをはいた。

おむつで登校するのは本当に恥ずかしかった。でも、もう選択肢はなかった。


学校に着くと、みんな最初は遠慮してる感じだった。でも、時間が経つにつれて、私が頻繁に保健室に行くのを見て察したみたい。


午前の授業中、やっぱりおもらししてしまった。最初は大丈夫かと思ってたけど、気づいたらおむつが湿っていた。


休み時間に保健室に行って、おむつを替えてもらう。先生は優しく

「気にしなくていいからね」

と言ってくれたけど、やっぱり情けなかった。


お昼休み、


「ちゃんと替えてきた?エライね、よしよし」

と言って頭を撫でられたり、

「着替えできる?やってあげようか?」


とかのお子様扱い。

放課後、友達が


「荷物持ってあげよっか?」


と笑いながら言ってきた。


「子ども扱いしないでよ」


と言いながらも、私はもう逆らう気にはなれなかった。

結局、私はこのポジションを受け入れるしかなかったんだ。



だって、この中で私だけ、おむつだもん。


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