第二話 異世界転生と説明
まず最初にご説明しなければならないことがございます。あなたは召喚ではなく転生です。そして転生するのはあなたが世界で初めてです」
「何それ、ちょっと嬉しい。なんか特別なことあったり?」
「特に差はございません」
「上げて落とすタイプだ…」
「勝手にあがらないでください。まぁとりあえず聞いてください。」
そして異世界召喚についての説明が始まった。
「昔あるところに力を求めた王がいた。かの王は魔族との対立に終止符を打つべく力を求めた。
かの王は神に祈りを捧げた。
魔を打払し大いなる力を人族にお与えください。
神は使徒をかの王に向けて遣わした。」
「これが異世界召喚の始まりです」
「なるほどね、てなると、あんたが神様でこれから俺が遣わされる使徒ってことか?」
「正確には違います。私は神の力の一部を行使できる神の使徒の一人です。いわゆる天使ですね」
「え、まってくれ、使徒が使わされたんじゃないのか?あんたが使徒なら、俺は何になる?」
「私は運命の神の使徒で、貴方は私の使徒ということになります」
「なんかややこしいな」
「でしょう?縦社会なんですよ。神の世界は。一応説明しておきますが、最初に異世界召喚を行ったのは人族の創造主である時間の神です。異世界召喚は神であっても容易とはいきません。にもかかわらず、人族があんまりなん度も召喚を行うもんだから時間の神に仕えている運命の神に丸投げしました。そして私に丸投げされたので私が今は異世界召喚に応じています」
「たらい回しだな」
「それは言わないお約束です。私は使命を果たしているだけに過ぎない忠実な僕ですから」
「ちなみにどれくらいの人が召喚されてるの?」
「30年に1人です」
「あれ、思ったより少ない?」
「いいえそんなことはありません。召喚するのにはとてつもない魔力が必要なのです。本来人族の魔力をかき集めても大変なんですよ?それがこんなに大量に召喚するんじゃこっちも大変なんです。」
規模感がわからないからなんともいえないな
「さて、ここからが本題になります」
「先ほど、召喚ではなく転生だと説明させていただきました。」
「それが何なんだ?」
「つまり、人族の召喚ではないということです。」
「!!」
「貴方は私が転生させました」
「女神様ぁあ!!!」
「うわっ。」
「その反応は流石に傷ついた」
「勝手にしてください。とにかく、貴方は私が転生させました。」
「つまり、、、何かしろと?」
「話が早くて助かります。そうですね、あなたには一度だけお願いを聞いてもらいます。」
「一回でいいの?」
「はい。一回でいいんです。それ以外は好きにしていただいて構いません」
「なんつう好条件‼︎いや待て、何をさせようとしている?」
「異世界召喚が大変だと先ほど言いましたよね?」
「それが?」
「それを終わらせていただきたいのです」
「……なるほどね」
「ご理解いただけたようで安心です」
つまりこうだ。女神様は異世界召喚をもう行いたくない。だから俺を使ってそれをやめさせようとしている。俺は女神様の使徒。あとはヒャッハァーーー!!こういうことだ。
「そういうことです」
「うわぁ!!」
「全部聞こえてましたよ?」
「ひゃあああああ!!!!」
「うわぁっ。突然叫ばないでください…もういいや言うこと言ったし、いってらっしゃい。えいっ」
「え、ちょっとまっ………」
その瞬間俺は酷い睡魔に襲われて意識を失った。