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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第二章】呪われし国と無敵の天使
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【77】託された希望

AIイラスト注意

白い…ただ真っ白な世界が広がっている、そこには光も闇も音も無く、ただ無常に白だけが広がる無情にして無慈悲な世界……


しかし、どこか暖かな気持ちになるのは何故だろうか?


挿絵(By みてみん)


「白…さん?」


しばらくして光が収まり、視界が戻ってくる。目に映ったのは頂点からバラバラと崩れ去っていく夜と、何故か幼女から女性と言えるほどまで成長している白さんだった。崩れた夜の外….山脈の向こうから差し込む朝日に照らされるその姿は何処から神々しく見えた。


「良くやったぞドーン…おかげで全部上手くいった、ちょっと呆気無かったしきもするがな」


そう言ったのはいつから居たのかるしさんで、るしさんはひと安心と言った感じで一息着くと白さんの元に向かい、背伸びをして頭を撫でる。


「しかし、急に随分と大きくなったな、ちょっと前まで俺より小さかったのに」


「多分これは…彼女達の贈り物です」


「彼女達…そうか」


彼女達?そう疑問を呈し、るしさんに問い掛けようとした直後……


ーーーゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!


突如辺りに何かが崩れて行くような轟音が響き渡る!


慌てて周囲に気を巡らせるとあの大量の呪いが吹き上がり、魔王が這い出て来た大穴が崩れて行っていた。大穴の崩落は土埃を大きく巻き上げ、轟音を盛大に鳴り響かせるとても派手なものだった。


「本当に終わったって感じだな…地下遺跡を維持してた呪いも無くなったからそれで……あ!」


「どうかしたのか?」


「あ〜いや、地下遺跡はこの国の地下の全域に広がっててな?だから多分そう遠からずお前達への報酬である宝物庫も…な?」


「なに?それらな急いで向かわないと」


「ああ、宝物庫があるのはあっち…あの一番でかい城だ」



「ドーンのバカ!本当に死んじゃったかと思ったよ!!」


「ごめん金華…あの攻撃から白さんを守るにはにはああするしか無かったんだ、そう怒らないでくれ」


城にある宝物庫に向かう前に何処か唖然とした金華と黒蓮の方に向かうとこの有様である。敵が白さんに向けて放ったブレス攻撃に自分が割って入り白さんを庇った所をちゃんと見ていたらしい、別にこの体が死んでも自分が死ぬ訳じゃ無いって戦いの前に説明したはずなんだけど……まぁ体が一つしかしない身だと理解し難いのも分かるし…無茶したらちゃんと起こってくれるのは少し嬉しくもある。


「むーー!!」


ーーーポカポカポカポカ


ポカポカと胸を叩く金華をなだめながら、黒蓮の方を見ると所在無さげにしており、視線が合うとぷいっとそっぽを向かれてしまった。


「黒蓮も心配してくれてありがとう」


「別に!心配なんてしてないわ」


「はは…そうか?」


そんなに一幕の後、古城の近くにまでダンジョンを移動させ、そこから古城の城内に魔法で転移した。


石造りの古城は当然ながらあちこちがひび割れ、蔦が這い回り、所々崩れてさってしまっていたが辛うじて建物として体裁を保っており、堀を越えられるならばそこまで侵入は難しく無さそうで…もしここが追先程まで呪われた土地でなかったとしたら、とっくの昔に財宝の類は無くなって居そうな惨状である。


「こっちだ」


そう言って先頭を歩くるしさんの後に続いて、城内を進む、城内の光景は外から見た寂れた雰囲気と殆ど相違無いものだったが、数多く残っている備品の数々と夥しいまでの戦闘痕が差し込む朝日でも中和しきれないほどの不気味さを醸し出していた。


ひび割れた廊下を進み、崩れた階段を上り、崩落した橋を渡った先…遂に宝物庫にたどり着いた。


「さぁ着いたぞ、この中にある全て物を今回の件の報酬としてお前達やる、遠慮無く持って行くと良い!」


そう言ってるしさんが宝物庫の扉を開け放っとそこには金銀財宝の山が……無かった。


扉の向こうに広がって居たのは浪漫の欠片もない薄暗い倉庫であり、大量の朽ちた木箱がズラリと並んでいるせいか悪臭も漂ってくる……一応朽ちた木箱の影にはお宝らしき物が見えるので報酬になりそうなものはあるっぽいけど….かなり手間がかかりそうだな。


「取り敢えず整理する所からだな、二人とも良い感じのがあったら、取っていいから」


「え、ええわかったわ」



…数時間後


早朝頃から始まった宝物庫の整理は五人がかりで行ったにも関わらず、終わる頃には既に昼過ぎになってしまっていた。崩落の音は先程よりも大きくなって来ており、るしさんの言う通り本当にここの地面も崩落してしまう感じがする。


「いやーお風呂にご飯まで貰っちゃって悪いねドーン」


「別に大した消費じゃ無いし気にしなくて良い」


「そうか?それじゃお言葉に甘えとこうかな♪」


戦闘と整理で汚れた体を洗うためにダンジョンのお風呂貸したため、しっとりしてるるしさんはそう言ってソファー深く座り込んで寄りかかる。ラフな格好をしている事もあってその弾みで大きな胸が揺れて…ん゛ん゛


「ドーン、他の三人はまだ風呂にいるか?」


「うっ!そりゃ…まぁいるがまさか覗きに行くつもりか!?」


「んな訳ねぇだろ?まぁ?興味が全く無いわけじゃねぇけど、お前の反感を買ってまでやることじゃねぇな」


「…じゃなんだ?」


「なぁに、ちょっとプレイヤーとしてお願い…いや、依頼したい事があってな」


()()()()()として?」


「そう、プレイヤーとして。報酬はそうだな…前払いで…これを渡そう」


「!?」


そう言ってるしさんが『次元収納(インベントリ)』を開き、何かを取り出した瞬間!場の空気が一変する様な凄まじい気配が辺りを支配した!ゲーム無いとはいえかなりの場数を踏んで、修羅場もぐり抜けて来ている自分でも、緊張と驚愕を全く隠し切れない。るしさんが取り出したそれは…紛れもない〈()()()〉だった。


「!前払いで〈創世機〉!?一体何を企んでるです?」


「フフ、企んでるなんて人聞きが悪い。ただ単純に…ユグドラシルメンバーが居ないか、探して欲しいってだけさ」


るしが笑みを浮かべながら、ソファの背にもたれかかる。その顔にはどこか余裕すら感じられる。


「他のユグドラシルメンバー?この世界にいるんで…のか?」


ドーンは眉をひそめ、少しだけ身を乗り出す。バスローブの袖口が少しずり落ち、白い肌が覗いた。


「知らん、だが。ここに俺がいてお前がいる、なら他のプレイヤーがこの世界にいてもおかしくないし、そこにユグドラシルのメンバーが居ないとも限らないだろ?」


「それは…理屈的にはそうなんだろうが…」


ドーンは腕を組み、視線を宙に彷徨わせた。まだ湿り気のある髪が肩に落ち、僅かに滴が零れる。


「報酬が高すぎるって?別にそんなことは全くないぜ?いるかどうかも分からない物を広い世界の中から宛もなく探し回るんだ、正直言ってこれでも足りないぐらいだと思うぜ?」


るしは〈創世機〉を掴む片手をひょいと上げて、まるで当然のように言う。その仕草は軽いが、言葉の端々には確信がある。


「た、確かに?」


ドーンは苦笑しながら頷く。


「それにだ、うちのメンバーには結構やばい奴らも多いからな、〈創世機〉は一瞬の安全弁と機能するはずだし、そうでなくとも世界で最も強力なアイテムがお前の物になるんだ。それで…引き受けてくれるよな?」


るしが探るような視線を向ける。


「じゃぁ…いや、その前にるしが自分でやらない理由を聞いても?」


ドーンがじっと見つめると、るしは少しだけ目を伏せた。


「別に、大した理由じゃねぇさ。白のやりたい事に最後まで付き合おうと思ってな、問題解決!はいさよなら!じゃ薄情者すぎるだろ?」


「それは…そうだな」


ドーンは小さく息を吐く。


「それで引き受けてくれるのか?」


るしの声は落ち着いているが、どこか確信めいた響きを持っていた。ドーンはもう一度視線を彷徨わせ、答えを探すように唇を噛む。外では夜風が静かに窓を叩いていた。

最後の会話間の情景描写にAIの力を借りました。評判が悪くなければこっちでもちょくちょく力を借りようと思います。

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