表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第二章】呪われし国と無敵の天使
79/123

【76】魔王戦・後半

ちょっと長めです。

ギロリと肩越しこちらを睨む魔王の鋭い眼光にビビりながらも、振り返りながら振るわれた肘鉄を盾で防ぐ。


「ぐっっ!!」


ーーードンッ!


がしかし当然防ぎ切れる訳もなく、攻撃を防いだ盾ごと吹き飛ばされて地面に叩きつけられてしまった。


「カハッ……ゴホッゴホッ!」


…分かってはいたけど、しっかり盾で防いだ程度じゃ全然ダメージ軽減出来てない…普通に大ダメージ。レベル上げ前に戦ってたら今ので多分死んでた…それでもサイズ差とレベル差による威力補正を考えるとかなり弱いし、るしさんがここに来る前に言っていた通りめちゃくちゃなデバフがあいつにはかかっているんだろう。


道具生成(クリエイトアイテム)】で最もHP回復効果の高い〈命の薬水〉を生成、即座に使用して全回復させる。今はるしさんがヘイトをかっているしこの使い方は多少ポイントが勿体ない気もするけど、フリョンは金華達の方にいるし、わざわざ出張って来たのにこんなそうそうに退場したから気まずいし……


そんな事を考えるながら、傷が治ったのを確認して【道具生成(クリエイトアイテム)】で《浮遊板(フロートボード)》(浮いてるスノボー)を生成して装備する。


肘鉄もかなり大きなダメージだったけど、それによる地面との衝突ダメージもかなり大きかった、勢いに抗うことが難しい『反重力(アンチグラビティー)』弊害が出た形になる。それに対して〈浮遊板(フロートボード)〉は移動の制限が戦闘だとキツイが、その点ははるしさんに完全に前衛を任せればどうにか使い物にはなるはず…まぁ近接攻撃が出来なくなるのはちょっとアレな気もするけど、さっきの感じだと厳しい感じが否めないし、これは諦める他ない。


ま、まぁこの戦闘の本題は敵にダメージを与えることじゃなくて時間稼きだし……


そんな言い訳地味だ事を考えるながら〈浮遊板(フロートボード)〉で飛び上がり、自分が大ダメージを負った事で停止していた武器ゴーレム達に《人形劇の指輪(マリオネット)》を通して指示をだす。


再び無数『魔力の弾幕(マジックガトリング)』が放たれ敵を襲う、この魔術は半透明だからるしさんの邪魔にもなりにくいはずだ。


しかし、当然ながら敵もやられっぱなしにはなってくれない。るしさんに対して近接攻撃を叩き込みながら、こっちに向かって様々な魔法を打ち込んでくる『不の螺旋(ネキットスパイラル)』で運が低下するデバフをかけられ、無数の『暗黒の光線(ダークレイ)』で追い込み漁の如く追い立てられる。


浮遊板(フロートボード)〉を駆使して高速で空を飛び回りながら『短距離転移(ショートテレポート)』も駆使してどうにか攻撃を避け続けるけど…流石にMPの消費が激しい、さっきの感じからして今ある盾じゃ防げても一発が限度だろうからそう安易に使いたくない。


「…っ!?」


そんなことを考えていると、唐突に肩に激痛が走る!反射的に痛む肩を見るとそこでは玉虫色のエフェクトが散っていた。


エフェクトと傷口からして、今食らったのは『混沌の弾丸(カオスバレット)』か?攻撃サイズが小さいから飛んで来ているのに気がつけ無かった!というか『不の螺旋(ネキットスパイラル)』と合わせると結構不味……うぇ、し、視界が歪む…混沌属性の攻撃は低確率でランダムな状態異常発生させる…さっきの『不の螺旋(ネキットスパイラル)』で運が下がったせいで確率で発生するマイナス効果の発現率が通常より上がっているとはいえ、たった一発食らっただけで発現した上に回避に支障が出る状態異常を引くなんて運が悪すぎる…


視界が歪み、迫る『暗黒の光線(ダークレイ)』が歪んで見える、【魔力探知】で凡その位置は分かるもののそれはまだまだ視界に比肩する物で無く、魔法と魔術の応酬によって高濃度魔力の残滓が周囲に滞留していることも相まって攻撃を正確に見定めるのは困難だった。


道具生成(クリエイトアイテム)】で早く状態異常解除用のアイテムを作らないと。


しかし、当然敵はそんなスキを与えてはくれない。先程にもまして濃くなった弾幕必死こいて回避しながら、先程のような不意打ちにも警戒しつつ機会を待っていると、何処からか叫び声が聞こえる。


「██████!!」


るしさんだ、るしさんがなにかをこっち向かって言っているけど状態異常のせいで何も分からない。何だ?一体何を伝えようと……




そこまで考えた所で急にプツンッと、まるで部屋唯一照明の電源を切ったかのように急に視界が暗転する。


「ちょっちょっと!これ!大丈夫なのドーン!?ドーン?」


代わりに聞こえてくるのは慌てた様子の黒蓮の声…状況を理解するために意識を集中すると……どうやら迷宮核が大ダメージを負ったせいで全て迷宮機能が一時停止し、分体から強制的に本体である迷宮に戻され、迷宮は現在墜落中出あるらしい。


「こっちは何とか…大丈夫そうだ」


反重力(アンチグラビティー)』再発動し[大祭壇]で『飛行(フライ)』を使用して高度を、取り戻しつつ、なんで急にこんな大ダメージを負ったのか思い出す……


そうだ、あの魔王が出てきた大穴から飛んできた攻撃『魔力防護』を突き破ってコアにダメージを与えて来たんだった…魔王は出てきたし、もう呪いも吹き出して無いから、大丈夫だと思って全く警戒してなかった。一体何がこんな事を…


そう思い意識をそちらに集中させ大穴を【魔力探知】で重点的に探るとそこにいたのは、三本の悪魔の腕にタコを思わせる触手の足、人の胴体に龍の頭を持った異形の怪物だった。


怪物がこちらを向いて口を開けた瞬動、目に見える速度でエネルギーが収束し、正確にコアを狙ったブレス攻撃が放たれた!地上と上空、かなり距離があると言うのにいささかも減衰する様子を見せず、迫りくる炎のブレスを、先程の感じからして防御不可能だと判断して『短距離転移(ショートテレポート)』で回避し、直後に[儀式祭壇]から『聖なる光線(ホーリーレイ)』〈中祭壇〉から『大爆発(エクスプロージョン)』を放ち敵を攻撃する。


「ドーン!何が起こってるの?」


激しい閃光と爆発音が鳴り響くなか、金華が何が起こっているのか疑問に思ったのか聞いてくる。


「どうやら量より質に切り替えたらしい!…多分殺りきれないから構えておいてくれ!」


「分かった!」


そんなやり取りの直後、『聖なる光線(ホーリーレイ)』のすぐ横を、掠める様に高速で飛行する反応を【魔力探知】で確認し、攻撃をそちらに向かわせるが見た目に即わず俊敏に飛行する敵をしっかりと捉える事は出来ず、勢いを落とさずに迫り来る!


加重(ヘビーウェイト)』と[大祭壇]の『拒絶』で強引に距離を取らせようとすると、僅かに拮抗する様子を見せたものの容易くレジストしてそのまま突っ込んでくる!


長距離転移(ロングテレポート)』で分体を呼び戻し……おっと。


「ど、ドーン!?全然大丈夫じゃ無いじゃない!」


「ドーン!」


ボロボロのボロ雑巾みたいになっている自分を見て、慌てて心配そうに駆け寄る金華と黒蓮を見て少し嬉しい気持ちになりながらも、こちらに待機させていたフリョンを呼び出して分体を治療させる、ポイントを追加で注ぎ込んで初期と比べてかなり強化してあるしすぐに終わるはずだ。


しかし、二人が動揺しているからと言って敵は待ってくれない!コア目掛けてそのまま体当たりをかまそうとして来た敵を、待機させていたゴーレムを盾にしてどうにか防ぎ、そのまま残りも突撃させて強引に地面に叩きつける!


「来たぞ二人とも!」


「え、ええ」


「え、あ、はい!」


二人ともまだ同様が抜け切っていない様子しっかりと、敵の方を見て武器を構える。


ーーーGUGIIIIIIIIII!!!


敵はのしかかるゴーレム達を足の触手暴れさせて一瞬で一網打尽にし、おぞましい雄叫びをあげてその鋭い六つの目で二人を睨みつける。


「………【必殺・閃光一閃】」


僅かな空白の後、最初に攻撃を加えたのは黒蓮だった。なんと開幕から必殺技を発動し、全力の一撃が敵に放ったのだ!【必殺・閃光一閃】の名にたがわず、瞬きの間に消えた黒蓮は一瞬のうち敵を切り裂いて、敵を挟んで反対側に現れる黒蓮。敵は咄嗟に反応しこれを防ごうとし、結果割って入った無数の触手が切り飛ばされたものの致命傷には至らなかった。


ーーーGYAAAAAAAAAAAAAA!!!


そして黒蓮の必殺技の後隙を狙って、敵は無防備に背を向ける黒蓮にその鋭い爪で襲いかかる!

それを〈人形劇の指(マリオネット)〉で操る《浮遊人形(フロートゴーレム)の青盾》で防いで黒蓮を守る。


「【渾身一射】!」


そして金華が攻撃を防がれた事で動きが止まった敵の僅かな隙を見逃さずにに 弓矢で強烈な一射を放った!黒蓮の攻撃で触手を失い、攻撃に腕を使った敵にこの矢を防ぐすべはなく、深々とその頭に突き刺さって頭部を抉りとった!


しかし……


勝ったと思い安堵した次の瞬間!何と突然、敵の180度回転し、あの強力なブレスが再び放たれたのだ!


「金華!…いや、違う!!」


咄嗟に金華が危ないと思い二本の《浮遊人形(フロートゴーレム)の青大剣》を向かわせたが……違う、敵のそもそも狙い…目標は…!


「白ちゃん!!」


黒蓮の悲鳴の様な叫びをかき消す様に放たれたブレスら最悪な事に予想通り、金華の後方で今直()()を続けている白さんを襲う!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ