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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第二章】呪われし国と無敵の天使
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【72】嵐の前の静けさ

長距離転移(ロングテレポート)』を使用して山の向こうまで迷宮を一瞬で移動させる。迷宮の大きさと異なる領域への転移と言うこともあり消費された魔力の量は今までに無いくらい膨大な物だったものの無事に転移する事が出来た。


「随分と派手な登場だな、ドーン」


「大きいんだからしょうが無いだろ。…少し休んでも良いよな?」


「しょうが無いやつだな…まぁ魔法なんかでの疲労回復には限界には限界があるし、決戦は明日にするか」


何処か呆れた様子で言うるしさんにそう返しながら意識を身体の方に集中させ、ぐったりとした様子で地面に座り込む黒蓮と金華に近付き、飲み物を手渡す。


「二人ともよく頑張ったな」


「そうね…今回はその言葉、素直に受け取っておくわ。正直何度ももうダメだと思ったもの」


黒蓮が気だるげな様子でゆっくりと顔を上げると渡したボトルを受け取った。


「けど、どうにか出来ただろ?」


「はぁ〜それはそうなのだけど…」


ため息をひとつ着いた後不服な事を隠す様子も無く黒蓮が言う。まぁ本当はるしさんに止められただけなんだけど…


「ドーンはもっと私達を労うべきだよ!本当に大変だったし疲れたんだから!」


いつの間にか近付いて来て居た金華が寄りかかるように背中に抱きついてくる。口調こそいつも通りだが何処か声に張りがなく疲れた様子が拭い切れない。


金華にも飲み物を渡し、肩越しに頭を出して居てる頭を撫でると金華は嬉しそうにはにかみ、より寄りかかってくる。


「敵との決戦は明日になった、だから今日はもう休んで大丈夫だ。迷宮もこっちに持ってきたしそこでゆっくり休むといい…汗も流したいだろうしな」


「あっ」


「どうした金華?」


そういった直後、金華はなにかに気が付いた様子で恥ずかしそうな様子で自分から距離を取った。


「えっと…その、汗臭かった?」


そう言って金華は恥ずかしそうに若干顔を伏せながら頬を赤らめる。


「あ〜ごめん、デリカシーに欠ける発言だった。けど別に気にする程じゃ無いと思うぞ?」


「もう、そいう問題じゃないの!ドーン早く迷宮に連れてって!ほら、お姉ちゃんもボーッとしてないで行こ!」


金華に急かされるままにまだ地面に座り込んで居た黒蓮も連れて『長距離転移(ロングテレポート)』で迷宮内に戻った後、急いだ様子で去って行く金華と金華に引っ張られて行く黒蓮を見送った。


「よっと、ドーン今大丈夫か?」


二人を見送った後、頑張った二人に何かご褒美をあげたいな、金華ももっと労って欲しいと言っていたし。そんな事を考えていると近くの空間が歪みるしさんが白さんを連れて転移して来て話しかけてくる。


「…大して強くないとはいえ一応今は転移妨害が働いているはずなんだが」


「なに、あの程度俺にかかればちょちょいのちょいよ!それで今大丈夫か?あまり時間は取らないからさ」


「まぁ大丈夫だけど…」


なんでもないようにそう言ってのけるるしさんに少し呆れながらも、大丈夫だと答えるとるしさんは大事な話があるから少し待っていてくれと白さんに伝え、自分を連れ再び転移した、転移先は最初に白さんに出会った、美しい蓮の花が咲き誇る湖の辺にある教会だった。


転移後、るしさんに促されるままに教会の中に入り長椅子に向かい合うようにして座る。珍しく?真剣な表情でこちらを見るるしさんを見て緊張を覚えながら要件を待っていると、程なくしてるしさんは重々しく口を開いた。


「ドーンはこっちの世界に来てからどれぐらいたった?」


「えっと….確か多分1ヶ月ぐらいだったと思います」


「なるほど、俺と同じ頃にこの世界に来ていたのか。それじゃ来た時の状況は?」


「状況?状況は…金華に呼ばれて森の中で目を覚ましました、ドーンになっていてレベルスキル装備がリセット状態、種族と職業はそのままで…あ、見た目装備もそのままでした。」


「なるほど?目覚めた状況は殆ど同じ…大差なきように思えるが…ふむ、()に捉えられる」


「は、はぁ…」


「金華と黒蓮…あの二人と一緒に行動している理由は?」


「えっと、自分を起こしたのがあの二人だからっていうのはありますけど、余裕がある訳でも無いのに右も左も分からない自分の面倒を色々と見てくれたので…後、二人といると…楽しいですし」


「なるほどなるほど…おしっ!だいたい分かった、色々と答えてくれてありがとなドーン」


「ええっと、何が分かったのか自分にも教えて頂いても?」


「ああ、悪い悪い少し突っ走っちまってたな。もちろん良いぜ」


るしさんは悪びれた様子で頭をかいた後、何が分かったのか説明し始めた。


「まぁ説明する程のことに気がついた訳じゃないんだが、俺たちはまず間違いなく何者かの手によって意図的この世界に召喚された事が今の話でほぼ確定したってだけだ」


「ええ!?今の自分の話のどこにそんな要素が?」


「ん〜まぁただの偶然で片付けられなくも無いが…二人も似たような状況だと全然無くはない話だと思うんだよ」


「と言うと?」


「俺が目覚めたのはこの教会の目の前の湖の辺だ、それで目覚めた俺は目の前にあった教会の中に入ってそこで瀕死の重症で…あそこの祭壇の足元に寄りかかるように眠っていた白に出会ったんだ」


「それがどうして意図的に召喚された事に繋がるんです?」


「目覚めた時にピンチな状況の人がすぐ近くに居て、その後もずっとその人を助け続ける…あるいは協力し続けるとなると、まるでその人を助け守るために召喚されたように思えて来ないか?」


「思えなくもないですけど…」


「まぁ二人だけじゃ偶然で片付けられる範疇だわな。だからろもっと情報がいる」


「….他のプレイヤーにアテが?」.


「ああ、どうやら俺のメンバーもこの世界に来ているようだからな、あいつらを探し出して聞き出せば良い。場所は分からないけど基本的に遠慮とか知らない奴らだしまず間違いなく派手に動いてるから探せば直ぐに見つかるはずだ」


「ユグラドラシルのメンバーがこの世界に….」


「なんだ?緊張してるのか?まぁ気持ちはわからんでも無い、大陸を滅ぼしたやつもいるしな、けどさすがにゲームの時みたいにやばい行動を取るようなやつは居ないと思うぜ?…….たぶん」


「そこは言い切って欲しかったです」


「しゃぁねぇだろ?知っての通りやばいやつばっかりだからなうちのクラン」


「あはは…」


「それじゃ、俺からの話はこれでおしまい…ああいや、まだこれがあったな、ドーン明日の戦い魔王は吸収しないでくれないか?」


「それは…別に構いませんが一体どうして?」


「決着は当人同士で付けるべきだし…この亡国ご抱える問題と因果に完全かつ最終的な決着をらつけるには白が浄化する必要があるんだ」


「そうなのか…けど、それ大丈夫なのか?」


「ドーンにも受け持って貰ってたし、大丈夫なはずだ…….まっ明日はよろしく頼む、期待してるぜ?」





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