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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第二章】呪われし国と無敵の天使
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【67】〈運命の羅針盤〉

「ん〜いやー効いて無いなこれ、一匹隠密が得意なのがいてどっかに隠れてるパターンぽいな….ドーン!どっかに隠れてるやつは居ないか!?」


「パッと見それっぽいのは【魔力探知】には居ない…探して見るからちょっと待て…いや〈運命の羅針盤〉で事足りるか?」


そう言って〈運命の羅針盤〉を取り出し、目の前にいる敵の【繋がる命(ライフリンク)】と繋がる敵を指し示すように〈運命の羅針盤〉は輝きと共に前方を指し示した、その場所へと浮遊大剣のひとつを向かわせて見るが、そこにはそれらしい影はなにもなく、取りあえず指し示す場所に剣を突き立てて見るが何かに当たった感じは無い。


何らかのスキルで〈運命の羅針盤〉の追跡から逃れたのかここにはいなさそう…いや、指し示す先が少しだが動いている?完全に逃れられている訳では無い?これは直接行って確認した方がいい気がする。


三体いる敵のうち二匹の攻撃はるしさんが受け持っており、もう一匹は浮遊盾を警戒してか攻勢は牽制程度にとどまっており〈運命の羅針盤〉の指し示す場所に向かうのはそこまで難しく無いはずだ。


「見つけたかもしれない、見に行くから少し耐えててくれ」


「わかったわ」


浮遊盾で後方に攻撃してきている一匹を大きく押しのけてから〈運命の羅針盤〉が指し示す場所目掛けて疾走する。幸いな事に残りの二匹はるしさんに夢中だったこととそこまで遠い場所では無かったため容易くたどり着く事が出来た。


そして〈運命の羅針盤〉が指し示す場所を直接確認してみるが…ある程度予想はしていたもののやはり目視でもそれらしき姿は確認出来ない、当然【魔力探知】にもそれらしい反応は無い、しかし〈運命の羅針盤〉は確実にこの場を指し示している、間違っていない場合考えられるのは…


「上か下」


〈運命の羅針盤〉が指し示すのはあくまで方向…羅針盤という形状故に高低差は基本的に考慮されないからこういう場合は上下どちらかにある場合が多い。敵が狼である事とフィールドが森であることを考えると考えると恐らく木の上に…


そう思い〈運命の羅針盤〉が指し示す場所の真下に到達した直後…


ーーーズモモモ


「ッッ!?」


足元がまるで泥の様に融解していき、俄に濃厚な呪いの気配が周囲立ち込め始めた!?そして当然その真上にいた自分のからだはその沼に沈み始めていた。


沼に使った部分から焼けるような激痛が発され、思わず発されそうになった悲鳴を噛み殺しながら、慌ててその場から飛び退いた直後に先程まで自分がいた場所目がけて複数の泥の触手が叩きつけられて泥が周囲に飛び散る。


そういえば攻撃を仕掛けて来た三匹の狼も泥っぽかったな…とはいえまさか四匹目が完全泥だとは全く予想してなかった、武器を突き立てても当たった感じがしない訳だ。


「【重力(グラビティ)】」


こいつをるしさんが展開している領域に連れ帰ればダメージが通るようになるはずだ。


重力(グラビティ)】を発動すると地面に擬態していた泥沼のような抵抗するような素振りこそ見せたもののそこまで耐性が高くないらしくすぐに発動地点目がけて勢い吸い込まれた。


ーーーGuuG…G…G


「逃がしません!」


取りこぼさない様に気を付けながら急いでみんなのいる場所まで戻り、捕まえた敵をるしさんが展開する紋章の上まで移動させると敵達は目に見えて苦しみ初め、牽制をしていた狼が慌てて紋章の外に出ようとする動きを見せたが白さんが呼び出した騎士らしき霊が紋章の中に叩き戻しすと再び苦しみ始めた。どうやら隠れていたのは一体だけだったみたいだ。


その後の戦闘は消化試合と言っていいものだった【繋がる命(ライフリンク)】でダメージの無効化すると言う強力な能力を持っている故か他の能力は大したことが無く、メインウエポンだろう呪いも無効化され数でも劣るとなればこうなるのは必然か。


「よし!これで最後だな、思ったより手間取っちまったが全員大丈夫か?」


「…回復魔法で直せないような傷は全員負って居ないはず」


「それは良かった。あ、白【浄化】はもうしなくていい、ドーン頼めるか?」


全員の無事を確認したるしさんは、呪いを吹き出しながらグズグズにグズれていく敵の死体に近付こうとする白を手で制すと自分に吸収するように促してくる。


ゲームと同じなら呪いを吸収するには特別な肯定が必要になるから出来れば遠慮したいんだけど…こんないたいけな少女に、負担を押し付ける訳には行かないだろう。


敵の死体を吸収するといつものように青い粒子ではなく赤黒い粒子に変換されて自分に吸収される。


ーーー憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い憎い憎い憎い憎い苦しい苦しい苦しい苦しい!!!!


「ドーン大丈夫!?」


「うっ…思ったよりきついな。金華ありがとう、大丈夫だ」


呪いを変換し吸収した瞬間、どす黒い怨嗟の声が脳内で響き渡った、ある程度予想はしていたもののゲームの時とは比べ物にならない程に芯に迫ったその声に怯み、体のバランスを崩してしまった所を金華に支えられる。


「キツそうだな、その感じだとゲームよりやばいのか?」


「あぁ、正直比べ物にならない」


「今回はお願いしたが無理はしなくていいぜ。正直

お前が肩代わりしようがしまいが、白の猶予は殆ど変わらないだろうからな」


「例えそうだっとしても、こんな小さな子に負担を押し付ける訳には行かないだろう」


「思ったより気合いが入ってるじゃ、見直したぜ?そんじゃ先に進もうまだまだ先は長いからな」


こっちも見てニヤリと笑ったるしさんは、先導を再開して森の奥へと進んだ。


これはちゃんと対策用の設備をダンジョンに出した方がいいな…呪い系は滅茶苦茶コストが高い癖に特化してないと使いどろが滅多にないから出来れば後回しにしておきたかったけど仕方がない、そう何度も耐えられる気がしないし。



あれ以降特に先頭もなく目的地らしき場所にたどり着いた。目の前には見上げるほど巨大な砦が鎮座していた…


が、呪いの発生源に近付いているのだから同然だが、それは呪いによって犯され尽くしている事がパっと見で分かる程に変質しつくしており、呪いの根源の指向性を示すように巨大な砦の殆どが有機的で肉塊をら彷彿とさせるグロテスクな物に変質していてまるで砦に擬態した生物と勘違いしそうになるが、所々に残っている元の名残がそれを否定する。


「着いたぞ、この砦の中に目的地がある…が目的である魔王と戦うにはドーンはともかくそっちの二人はレベルが足りてないから今日はここを拠点にしてレベル上げを行い、明日魔王と戦う。何か質問は?」


「目標レベルは幾つだ?」


「ん〜まぁ第一階梯なら上限の60あればギリギリ戦えるはずだからそれを目標にしよう。階梯を上げてそこから更にレベルを上げるなんてやってたら間に合わなそうだらな」


「わかった」


「他に質問は?」


「はい!」


「金華だったよね?なにかな?」


「拠点にってあれ、中入っても大丈夫なの?」


「かなり物騒にはなっているが、建物としての昨日は失われてないから基本的には問題ないぜ、少なくとも取って食われたりはしないから、そこは安心していいぜ、あとは……


この後……幾つかの質問の後、本格的なレベル上げが始まった。

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