【66】繋がる命
「さ、顔合わせも済んだ事だし、早く宝物庫まで行って…是非のほど確認しようじゃないか」
「その事なのだけど…」
るしさんが皆の注目を集めて出発を促したがそこに黒蓮が待ったをかける。
「ん?どうした黒蓮」
「いえ、ちょっと、正直ここまで話を聞いたら…て言うほど聞いていないのだけど、報酬が大した事のない物でもなんだか断れる気がしないし…何より時間がないのでしょう?ドーンは貴方のことを信用しているみたいだし、それは後で構わないわ」
「おお!良いのか!?いや、実はさ、宝物庫がある古城って目的地である呪いの発生源たる悪魔王が封印されてる場所間反対の場所にあるから確認に行く作業は正直省きたかったんだ!本当におんに着るよ!」
「え、ええ、それはよかったわ」
るしさんは本当に嬉しかったのか黒蓮に勢いよく駆け寄ると、両手をとって感謝を示すように激しく上下に振った、見様によっては感動的な場面な気もするが二人とも胸がとても大きいから、揺れてぶつかって潰れて…うん。
一頻り感謝を示した後、るしさんは少し疲れた様子で黒蓮の手を離した。
「ふぅ…それじゃ行くか!付いて来てくれ」
神秘的な雰囲気が漂う湖の辺を後にし、先導するるしさんに続いておどろおどろしい雰囲気を放つ森の中へと入った。森の中へは恐らく林道と思われる道を通って進んでいるが…長らく未整備なのかあるいは呪いの影響か、林道は草木にかなり蝕まれてしまっており、視界が比較的開けていて道に迷う心配が無いから森を突っ切るより多少マシかな?程度という悲惨な有様だ。
「…敵がこっちに向かって来てる、多分…三匹」
そんな事を考え、足元に注意しながら進んでいると【魔力探知】にこちらに向かって一直線に森を駆け抜けくる存在を発見した、呪いの影響かはっきりとその姿を捉えることは出来そうにないが、そこまで強そうな感じはしない……もちろん魔力的にはだけど
「どっちだ?」
「左前方、北北西」
「あっちか……」
るしさんに方向を聞かれて答えると、そう呟きながらるしさんは左手を敵がいる方向に向け、それと同時に一筋の光がその手から放たれた。るしさんのレベルはかなり高そうだしこれは出番は無さそうだと思ったが……数発同じ攻撃を放ったるしさんは渋い顔を浮かべている。
「【繋がる命】持ちか?面倒なのが来たな、倒しきれそうに無いから全員戦う準備をしてくれ」
そう促されて全員が武器を構えてバフを掛け戦闘態勢に入った直後、木々をなぎ倒しながら三匹の赤黒い狼が林道に飛び出してきた!
「なに…こいつ」
敵の出現と共に周囲に漂い始めた漂う悪臭に顔を顰めながらそう呟く黒蓮。
三匹の狼に毛皮は無く、代わりにヘドロの様な物を身にまとっており、時折膨らんでは弾けるそのヘドロからは悪臭ともに目視できる戻に濃厚な呪詛が放たれていて対策も無しに近寄れば如何なる強者と言えど苦戦は免れないだろう事が伺いしれた…がそんな物よりも目立つは三匹の狼を繋ぐ陽炎のように揺らぐどす黒い鎖だろう。呪い系はのスキルや魔法は詳しく無いけど…るしさんの言った【繋がる命】はあれの事かもしれない。
「こいつらは【繋がる命】のせいで三体に同時攻撃しなきゃダメージが通らなくなってる!範囲攻撃が継続ダメージ系で責め立てるろ!」
るしさんがそう言って再び手をかざすとるしさんの足元をら中心として天使輪と翼をかたどった紋章が広範囲に浮かび上がった。紋章からは敵が何らかのリアクションをするよりも早く聖属性の光の柱が立ち上り、光に晒された敵は目に見えて怯んだ様子をみせ、さらには纏って居た呪いが僅かながら浄化されて言っているのが見て取れる。
「金華【環境改変】で聖属性を強化して【天候改変】で天候を聖光に変更してるしの攻撃を補助するんだ」
「あ、わかった!」
今までとはまるで違う異形の敵に、金華は若干怯んでいた様子だったが、直ぐに【環境改変】【天候改変】のスキルを発動した、すると程なくしておどろおどろしく、不気味な雰囲気が漂う呪われた森には相応しくない清らかな陽の光が鬱蒼と生い茂る木々の間を通り抜けて辺りに降り注ぎ、周囲にはこの場の属性の比重が聖属性に大きく片寄った事を示すようにクリーム色の粒子が漂い始め、敵の足元から立ち上る輝きが目に見えて強くなった。
「うっ……あんまり持たないかも」
「無理はしなくて良いからな?」
ここら一体が半ば異界化している上に夜、そんな浄化対で反対属性を隆起させるのはほぼ特化しているとはいえ第一階梯の金華では無理があったか、弓矢を放つ余裕は金華には無さそうだ。
「【狐火】!」
黒蓮が敵全員を巻き込むように広範囲に【狐火】を放ったが敵は自身の強みを生かした戦い方を熟知しているらしく、二匹は攻撃を回避するために大きく距離をとったが一匹だけ真正面から突っ込んで来た!とはいえ黒蓮もある程度こうなることは想定していたのか、余裕を持って飛びかかって来た攻撃を回避した……が敵が着地した瞬間その泥の体周囲に盛大に飛び散り辺りを呪われた泥が汚した。
これは…本来なら厄介なダメージゾーン展開なのかもしれないが全員呪い対策の装備をしているし、環境効果のおかげで飛び散る泥には殆ど呪いは含まれて居ないためさほど脅威ではないが…
「『加重』」
飛び散る泥がかかる前に『加重』を発動して強制的に地面に叩き落とした、まとまって落ちたせいでちょっとした水溜まりのようになってしまったけれど泥を被って視界が塞がれる可能性もあった訳だしそれよりはマシなはずだ。
「『反重力』で『重力』」
そして続けざまに、今度は敵に攻撃を同時に当て易くするために魔法を発動したが、敵のレベルと階梯は自分が自分の想定よりも高かったらしく『反重力』はレジストされ、『重力』も効きが悪く殆ど吸い寄せられていく様子も無い。
「『降霊・反逆騎士』」
白さんがそういうと何処からともなくボロボロの鎧を身に纏い、馬にまたがった半透明の漆黒の騎士が現れ、槍を構えて素早く敵に突進して行った!その動きは森の中…ひいてはボロボロな林道で馬に乗って行っているとは思えない程に縦横無尽かつ俊敏
なものでその驚異敵な技術によって瞬く間に三体の敵を切り付けたが、同時攻撃かと言われると微妙な所々なきが……いや、るしさんが同時にダメージを与え続けているから今ならどんな攻撃しお仕事でもラダメージが通るのか?
左右に黒蓮の攻撃を回避していた敵の内一方が先頭に居る上に、恐らく致命的であろう攻撃を今もし続けているるしさんに、通常の動物であれば間違いなく口が裂けているであろうレベルで大口を開けてるしさんに迫ったがるしさん【パリー】でこれを容易くしのぎ切り、【カウンター】【追撃】のコンボでノックバックさせて退けて見せる。
しかし範囲スキルを展開しながらタイミングが滅茶苦茶シビアな【パリー】【カウンター】【追撃】のコンボを決めるとは…さすがはるしさんと言わざるおえない、無敵の二つ名はやはり伊達では無いし、異世界でも現在みたいだ。
最後の一匹は素早く隊列の背後に周り混むと、一番後ろにいた自分に飛びかかって来たがこれは新造した《浮遊人形の青盾〉》で【防御指示】込で防ぎ切り、隙を晒している敵目掛けて《浮遊人形の青大剣》2つを振るうが仕留め着るには至らず引かせるにとどまってしまう。
「ちょっとるし!これほんとに効いてるの?敵全然ピンピンしてるんだけど??」
「ん〜いやー効いて無いなこれ、一匹隠密が得意なのがいてどっかに隠れてるパターンぽいな….ドーン!どっかに隠れてるやつは居ないか!?」




