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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第二章】呪われし国と無敵の天使
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【64】ドーンVS黒蓮&金華

自分に近寄るのは難しいの判断したらしい黒蓮は矛先を変えて金華と金華を追跡する大剣の間に割って入り【居合】【大切断】と組み合わせて放ち、金華を追い掛けていた大剣を弾き飛ばし手見せたのだ!


「ちょっと!なにやってるのよドーン、こっちを狙いなさいよ」


「防御力が低い方、面倒な方を優先的に攻撃するのは当然だろ」


金華を追いかけている間【攻撃指示】を出していたこともあってもろ黒蓮の攻撃を食らった大剣の耐久値はそれなりに減ってしまっており、これ以上耐久値を減らされることを嫌って、黒蓮に吹き飛ばされてバランスを崩した大剣を制御して今度は黒蓮と相対させる。


黒蓮は連撃が得意なタイプじゃないし刀の耐久値は低い方、【防御指示】の効果が大剣には乗っているからこのまま打ち合わせても刀方が先に折れるはず。


「【鎌鼬】【追矢(チェイスアロー)】!」


「『重力(グラビティー)』」


黒蓮が庇ったことでフリーになった金華が【鎌鼬】で牽制しながら【追矢(チェイスアロー)】を横に曲げて放ってきた。それを『重力(グラビティー)』で吸収して無効化… 【追矢(チェイスアロー)】が多少抗ってはいたが影響下から抜け出すには威力が足りていみたいだ、まぁ金華のステータスは魔力よりだと思われるしこんなもんだろう。


「くっ」


攻撃を防がれた金華は僅かに悔しそうな様子を見せたが、そこで気を落とさずにすぐさま射線が『重力(グラビティー)』の範囲と被らない位置目掛けて移動を始めた。


ーーーガキンッッ!!


「……」


流石に2人同時に相手にするのは厳しかったか、金華の相手をしている間、対応が多少おざなりになっていた黒蓮が隙を着いて黒蓮と打ち合っていた大剣を半ばから打ち砕き、立て直す暇は与えないと言わんばかりに一呼吸もおかずに黒蓮が即座にこちらに迫ってくる!


これは…ちょっとまずいな。


「【命の生(クリエイトオブ)「【即斬】!させる訳ないでしょ!」くっ」


このままやるとジリ貧で負ける気がしてきたため【命の生成(クリエイトオブライフ)】を使用して追加の生体武器を作り出そうとしたが、近付いて来ていた黒蓮が【即斬】を発動してまだ十分に空いていたはずの距離を一瞬で詰められ、発動を咎められてしまった。


済んでの所で黒蓮の攻撃を回避し、再び射線を確保した金華が放った矢を、防御の為に待機させていたた大剣で防ぎつつ『重力(グラビティー)』でもう金華の一度射線を塞ぎ、【納刀】を完了し放たれた黒蓮の【居合】を念の為腰にぶら下げておいた鋼鉄製の直剣でなんとか防ぐことに成功した。


ーーーピシッ


が、なんの特殊効果も無い普通の直剣で希少級(レア)の《結晶樹の刀》を素で防ぐのは無理があったらしく使い古しの物とはいえたった一撃大きなヒビが入ってしまった。


「ふっ!」


しかしそこで引かずに思い切り押し切るように剣を振るった!当然鍔迫り合い状態になっていた剣はそれに耐えきれずに砕け散り破片が辺りに撒き散らされ、遮るものが無くなった刀が迫ってくるが、いくら距離が近くてもこうなってしまえば躱すのは容易い。


上体を逸らして振り上げられた刀をコンパクトに回避し、折れた直剣を投擲し黒蓮の喉元に突き刺した!


「がぼっ!!!」


黒蓮は目を白黒させた様子で刀を手放して折れた直剣が突き刺さ首元に手をやり、目を白黒させながらこっちと首元を交互に見て混乱した様子を見せている。

ゲームでも喉をやられるのは痛覚が無くても慣れてないと結構きついんだらそんな経験が無いであろう黒蓮には一入(ひとしお)だろうが…まぁそう言うのを気にする余裕が無いぐらい二人が強かったて事で許しては…まぁくれないよな、何かに詫びの品を用意して置かないとな。


「今、楽にしてやる」


練習の趣旨から少し外れてしまうため今まで使っていなかったがこうなってしまえばもはや雌雄は決したも同然だろうということで『加重(ヘビーウェイト)』を範囲で発動して二人行動を完全に防ぐ。無駄に抵抗しても苦しい時間が増えるだけだしな。


飛んでくる矢を防いでいた大剣を動かし、地面に倒れ伏す黒蓮のことを勢いよく深々と切り裂くと、しっかりと一撃で倒せたようで一瞬の間の後、光と共に消滅した。


それを確認した後『加重(ヘビーウェイト)』を解除すると、黒蓮がのそのそと起き上がる。


「その、お姉ちゃんは大丈夫…なんだよねドーン?」


「勿論、あそこに…倒れてるな」


不安そうに震える声でそう聞いてくる金華を安心させるように大きく頷いて黒蓮が出現した場所を指さすと…なんと黒蓮が倒れていた。擬似戦闘だし、報酬も無いから、死んでも特に何も起こらないはずなんだが…


「本当に大丈夫なんだよね!?」


「そのはずだが…一旦止めるか」


「そうだね!」


不安が勝り、金華の同意を取って降参して試合を終了させると、今回の戦闘で消耗した魔力や武器を含めた全てが開始時の状態に戻り、空中にでかでかと黒蓮、金華 、WINと表示される。


それを知り目に金華は武器も放り投げて黒蓮に駆け寄る。自分も追従するように黒蓮近寄り〈解析の虫眼鏡〉で状態を確認するが…状態は気絶でそれ以外の物は見当たらないし生命力や魔力も問題なさそうだ。


「お姉ちゃん!」


「落ち着け金華」


「でも!お姉ちゃんが!」


「びっくりして気絶してるだけだから大丈夫だよ」


「ほんとう?」


「本当だ」


そう言って涙目の金華に〈解析の虫眼鏡〉を手渡し頭をグリグリと撫でつつ【道具生成(クリエイトアイテム)】で気付け薬を生成して黒蓮にそっと嗅がせる。


「ごほっ!ごほっ!な、なに!?なんなの!」


「お姉ちゃん!」


大きな咳とともにがぱっと勢いよく起き上がり混乱した様子起き上がり、それを見た金華が嬉しそうに黒蓮抱きつき、黒蓮は混乱しながらも金華を抱き締め返した。


「私は…」


「大丈夫そうだな」


「ひっ」


声をかけると黒蓮は明らかに怯えた声を上げ、体を強ばらせ、顔からはサァーと血の気が引いて行く。


「…あぁごめん黒蓮。怖かったし、苦しかったよな、戦いはもう終わったから安心していい、お疲れ様」


腰を下ろして黒蓮と視線を合わせ、怖がらせないように、安心させるようにゆっくり黒蓮の頭を撫でる。ビクリと怯えた様子をみせたが、金華が居るおかげか、暴れたり振り払われるような事も無くこれは受け入れられ、最初は緊張からか強ばっていたがそれも徐々に解けて行き、次第に穏やかな顔を付きに変わっていった。


「落ち着いたか?」


「……えぇ、そうね……2人とも取り乱してごめんなさい」


「気にしなくていい、誰だって初めてはそんなもんだ」


ーーーなでなで


「お姉ちゃんはよく頑張ったよ?」


ーーーなでなで


「それでも情けない所を見せたわ…あんた達いつまで撫でてるのよ!」


何時もの調子で拒絶してきた黒蓮に安堵感を覚える自分の成長に僅かに感動を覚えながら。二人にもう一度謝まり、今回の件について反省や振り返りは休息のため後日と会うことになった。



「失敗したな…」


どしん、と誰も居ない自分の部屋のベットに勢い良く寝転がる。


完全にゲームの時のノリでやって完全に失敗してしまった…そもそも〈決闘書〉がゲームと同じ働きをする確証なんて微塵もなかったのに、()()までやるのは完全にやり過ぎだった。一応るしさんが蘇生がこの世界でもできる旨のことを言っていた筈だからそれを言い訳には出来るけど、あの人がいくら有名人だからって本当の事言っているとは限らない訳で……やっぱり今回のはめちゃくちゃ軽率なる行動だった。


後は金華と黒蓮、二人と自分の意識の乖離を甘く見過ぎていたと考えざるおえない。ゲームの中のこととはいえPLである自分は幾千幾万の死や死線を乗り越えて来ている、言ってしまえば死の価値…あるいはハードルと言うべき物が著しく下がっていて……異世界といえどゲームの力がほぼそのまま振る…振るえるようになって来たというのもあって異世界とゲームの主観的な差異が無意識の小さくなっていたのかもしれない。


取り返しが着く段階でこの事に気が付けて良かったと思って置こう、本当に注意しないと。





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