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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第二章】呪われし国と無敵の天使
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【61】階梯とドーンの真価


「ね、ねぇ!ドーンこんなことができるなら……アイツについて行くこともできたんじゃないかしら?」


迷宮の構成があらかた終わり、人心地付いて二人を落ち着かせていると不意に黒蓮がそんな事を言い出した。


「だってこれ……飛んでるわよね?陸路が分からないからアイツが戻ってくる待つことになった訳だけど、こうして飛べるならついて行った方がよかったんじゃないかしら?」


「ああ、そのことか。それは俺も考えたけど現状のこれは殆ど張りぼてと言っていい代物、目の間の巨大な山脈をこれで越えるなら軽く一週間以上かかる、ドラゴン数体ならともかくドラゴンの巣を突破出来るほどの防衛設備は無いから強行突破は危険すぎる」


ちなみにるしさんに『反重力(アンチグラビティー)』でついて行かなかったのは、現状オンオフしか出来ないうえワンミスで即死する可能性があって危険すぎるから提案しなかった。


「そうなのね…というか薄々感じてはいたけどドーンってすごく強かったのね」


「強かったんだじゃ無くて、強くなっただけだ。二人もこの調子で続けて行けば同じくらい強くなれるはずし、そうなるよう俺も手伝う」


「本当!?」


金華が嬉しそうに言った。


「ああ、当然だろ?」


「ありがとうドーン!正直、いつかドーンがいなくなっちゃうじゃなかって不安だったから安心した!」


「そうだったのか?俺がそんな白状なことする訳ないだろ」


そう言いながら金華の頭を安心させるように、この言葉が嘘偽りない自分の本心である事が伝わるように撫でると、金華は嬉しそうに元気な笑みを浮かべ、嬉しそうに尻尾も可愛らしくパタパタと振る。


「本当にそんなことできるの?私には到底…この調子で強くなって行ったとしてもここまでのことが出来るようになるとは思えないのだけど……」


そうやって金華の頭を撫でていると黒蓮が何処か不安そうに疑念を投げかけて来た。こうやって疑問を呈してくれると説明しやすいから本当に助かる。


「種族と職業の階梯を上げれば、レベル上限とステータスの上昇量が上がって二人も同じレベルの事を出来るようになるはずだから安心して良い」


「レベルって上限があるものだったの?」


黒蓮が首を傾げる。


「言ってなかったか、最初…第一階梯は60が上限、ひとつ上に上がる度にレベル上限が5上がる。第十階梯が上限だからレベルは150まで上昇させられる」


「そうなのね、今の私達のレベルは…」


「大体40ぐらいだ じゃないか?」


「思ったより高いわね」


黒蓮が驚いた様子で言う。


「キャリーがあったとはいえあれだけ格上と連戦を重ねれば当然だ。よく頑張ったな」


「そ、そうなのね…なんだかドーン素直に褒められるとむず痒いものがあるわね」


黒蓮が僅かに頬を赤らめて俯き照れた様子を見せる。


「ドーンも、よく頑張ったね」


金華がにっこりと笑みを作りながら笑いかけてくれる。ドキリと心臓がなるのを感じ、この程度のことで狼狽えそうになる精神に内心で悪態をつきながらも外面を取り繕い話題を変える様に言葉を発する。


「金華もね。さて2人とも強敵との連戦続きで疲れただろ、部屋を用意したから案内する」


そう言って二人を要塞内部へと先導する。


「本当!実は結構疲れてたんだよね!」


「ああそうだ、全員分の部屋を用意したから安心していいぞ黒蓮」


「そうなのね……あ、それは良かったわ、あんたと同じ部屋で何度も眠るなんてごめんだもの」


そんな話をしながら全員が要塞内部に入ったのを確認して入口を閉じ、二人を案内しながら自分の意識を迷宮全体へ広げて行く。


ん〜なんというか出来そうな気がしたからやってみたら出来た…けど変な感じがする。 視界にが二つある…と言うとは違うな迷宮の方は視界がある訳じゃ無いしこれは……思考が複数ある?こうして迷宮の確認をしながらも上の空だったり適当にはならず二人とちゃんと会話で来てるからそれが正しそうか。


ゲームでこういうことが一切出来なかった事と、感覚的に精神分裂や二重人格なんかの副作用がありそうな気もするけど…今んとこそんな感じはしないし技術的問題で出来なかっただけの可能性も全然あるし、何より便利だからこのまま続行して大丈夫だろう。



【魔力探知】を使用して周囲を探る。移動迷宮という〈ドーン〉の()()と圧倒的な()()()()が合わさり【魔力探知】の効果範囲は今までの数倍近くまで広がっており、精度こそ今までと大差ないものの今のレベル帯でこの索敵範囲は規格外と言っていいレベルだ。


(…やっぱり来てるな、二人を下がらせて正解だった)


【魔力探知】で無数のこっちに向かって来ている魔物が探知できた。まぁこんなバカでかいものが強大なら魔力反応を放ちながら突然出現したらどんな奴だって警戒するし、強い奴は自分の縄張りを侵されたと思って攻撃を仕掛けに来るだろうと思っていたけど…想定より数が多い、空を飛べない奴がそれなりにいるのはいいとしてこれは……木っ端が多いのか?この程度連中なら怯えて逃げ出しそうなものだけど…


疑問はあるがここら生態系なんて殆ど知らないし、そもそもるしさんの言っている事が本当ならここは〔呪われた土地〕すぐ近くだしこれぐらいの異常行動ぐらい別に不思議じゃないはずだ、ガチ勢じゃない上に自分のコンセプトとかけ離れてるからあんまり呪い関係の仕様は詳しく知らないけど。


とにかく敵が攻めて来ている事に変わりない、雑魚がいくら増えてもの移動迷宮(本体)で戦えば種族差が露骨に出るはずだから殆ど戦局には影響を与えないだろうし、俺も疲れているからさっさと片付けてしまおう。


そんなに事を考えながら周囲の魔物に向け【加重(ヘビーウェイト)】を放つと有象無象は耐え切れずに潰れ、そうで無いもの達も大半が移動不能の状況に陥らせる事に成功、前とは違い空を飛んでいる個体も地面に叩き落とせているので迷宮が空中要塞である事もあって安全は確保出来ていると言えるはずだ。


「この分なら二人に襲撃の話はしなくても大丈夫そうだな」


ーーーガンッッッ!!!!


そう言った次の瞬間、まるでその言葉が合図になったかの様になにか鋭く固いものが着弾し音が鳴り響いた!


フラグ回収が早すぎる……着弾位置は底面で刺さっているのは…矢?いくらハリボテとは言え流石にただの矢が刺さるほも迷宮の外壁は脆く無いし、そもそもそれなりの高さに浮遊している事を考慮するとスキルを使用して矢を飛ばして来たと考えるのが妥当だけど…刺さり方的に飛んで来たのは森がある方向っぽいけどパッと見それらしき反応は無いな。


意識を矢が飛んで来たと思われる方向に集中させる。少なくとも『加重(ヘビーウェイト)』には居ないからその外側を…ちょっと待てよ?『加重(ヘビーウェイト)』はかなりの広範囲に影響を及ぼしている、にもかかわらずその外側から放った矢が迷宮に突き刺さる程の高い威力を保持しているという事は他とは比較にならないレベルの強敵が現れたという事になるのでは?


強敵との戦闘となると黒蓮と金華に相談した方が良いかと一瞬思ったけど、敵の射程を考えると二人に出来るこは無いし、そもそも今二人は自分の部屋で休んでいる筈でそれを邪魔するのも忍びないからさっさとと一人で片付けてしまおう。射角的に本体たる迷宮核に敵の放った矢が当たる事はないはずだからそこまで危険な状況ではずだし。


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