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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第二章】呪われし国と無敵の天使
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【59】巨大芋虫


ーーーGGYAAAAA!!!!


砂煙の向こうで咆哮を上げたワームは、大口を開けてこっちに……こっちに……


「なんかでかくないか!?」


砂煙のせいで遠近感がバグってたらしく思ったよりもだいぶ遠くいた巨大ワームは、モグラはもちろん四人全員を一飲み出来そうなほどに大きな口を開け地面を食うのも気にせずに突っ込んできた!!それを見て慌てて武器を飛ばして迎撃に向かわせたもののその巨体故に止めるのは難しく、更にはその巨大に見合った能力値を持っている様で直ぐに倒す事は出来そうに無い。せめてそっちに気を向けてくれればとも思ったけれど巨大ワームは痛覚が鈍いのかはたまたこの程度なんとも無いのか体を切られいるというのに変わらず突っ込んできている!


慌てて武器を引き戻しつつ【防御指示】に切り替えながら横に大きく飛び退き巨大ワームの突撃を回避した、巨大ワームは襲いかかって来ていたモグラ諸共先程までいた場所の地面を喰らいながらながら通り抜け、少し進んだ所で地面に潜って姿をくらませた。三人もちゃんと回避し、被害はワームが通り過ぎた事で砕け散った石の破片が飛んで来た程度で三人には【防御指示】の効果があるからその程度ではダメージにならないし自分もこの程度ならフリョンの回復があるから問題はない。


逃げたって感じじゃなかったしまた突っ込んで来そうだな…それに自分の【魔力探知】では全く探知出来ない辺り隠密系のスキルを持っているのは間違いないし、ワームであの巨体だと三、四階梯はありそだしレベルも消して低くはない筈だ。幸か不幸かさっきの一幕で襲いかかって来ていたモグラの殆どはやられたっぽいしそうでない個体も逃げ出したようだから


「次あいつが来たら俺が止めるから、攻撃の準備をしてくれ」


何処から来るか分からないワームを警戒していると空中に浮かび上がって突撃を回避していたるしさんが降りてきたてそう言った。様子からしてかなり自信がありそうだが、るしさんが持っている盾はもちろん武器すら持っていないのにあの巨体を止められるとは……あぁいや、そういえばるしさんの戦闘スタイルは攻撃を無効化する事に重点を置いていると聞いた事がある、ん〜あの巨体を止められそうならスキルは……


そんな事を考えながらもるしさんの指示に従って【攻撃指示】に切り替え、【魔力探知】に意識を集中させ巨大ワームを待ち構える。そして程なくして巨大ワームは……るしさんの()()の地面を食い破りながら現れた!


るしさんはとっさに回避するために再び飛び上がったが僅かに遅く片足に食いつかれ、なんとそのまま食いちぎられてしまった!るしさんは苦悶の表情を浮かべながらも、それで動きを止めることはなく体を上下反転させて魔法…恐らく『聖なる十字(ホーリークロス)』と思われる魔法を発動し、出現した聖なる十字架を巨大ワームに突き刺し貫通させて地面に突き刺した。


「今だ、やれ!」


あのるしさんの足が噛みちぎられるという予想外の呆気に少々取られてしまったがるしさんの一声で我を取り戻し、一足先にスキルを交えながら攻撃を始めた金華と黒蓮の邪魔にならないように自分も巨大ワームに攻撃を加える。


「【納刀】ドーン!こいつ傷がすぐに治るわよ!?」


巨大ワームに与えた傷口がみるみるうちに塞がって行く様子を見て黒蓮が少し不安そうな声を上げた。攻撃を加えた傍から巨大ワームに与えた傷は目に見える速度で回復して行ってしまい、更には巨大ワームは自分達の攻撃を嫌がる様子も見せないためまるで効いていないように見える……が【魔力探知】で確認したところ魔力を消耗していため再生にも限りがあるはずだ。


「再生能力持みたいだな、回復する分だけ魔力は減ってるからそのうち倒せる、攻撃し続けるんだ」


「そうなのね…分かったわ【抜刀】!」


十字架による拘束から逃れようと身を捩る巨大ワームに攻撃しながら黒蓮にそう返し、黒蓮が攻撃にはいった戻ったのを確認してるしさんの方を見る。るしさんは… 『聖なる十字(ホーリークロス)』による拘束から巨大ワームが抜け出さないようにしつつ、食い千切られた足を治すのに手一杯らしく攻撃をしてくれそうな感じはしない、先程から金華と黒蓮も全力で攻撃してくれているが…やはり階梯の差は如何ともし難いらしく、このままだと相手のHPを削り切る前にこっちの方が先に息切れしてしまいそうだ。それに見た目に違わぬ膨大なHPを持っているらしく【攻撃指示】の固定ダメージもあまり意味を成していなさそうだ…ここは対策アイテムを生成するべきか。


武器生成(クリエイトウエポン)】で『回復阻害』の効果を持った短剣を生成。グルンと尻尾を振り回したテールアタックを跳躍して回避し、外れないように拘束されている頭目がけて短剣を突き刺した。すると短剣は効果をしっかりと効果を発動し巨大ワームの再生速度が目に見えて低下した。


「よし、これで」


ーーーブチブチブチ!!


どうにかなりそうだと安堵したのもつかの間、巨大ワームはこのままでまずいと判断したらしく、なんと拘束されている頭部を引きちぎって青い血を撒き散らしながら拘束と『回復阻害』から脱し、その驚異的な再生能力をいかんなく発揮して瞬時に再生された頭部で齧り付いてきた!!



「ドーン!!」


これから起こるであろう惨劇を想像したのか、悲鳴のような声で自分の名前を呼ぶ金華。

近くにいたせいでまき散らされた血をもろにかぶってしまっており視界が悪く、《浮遊人形(フロートゴーレム)の青大剣》に庇わせるにはタイミングが悪く、何より巨大ワームとの距離が近すぎる。るしさんの足を食いちぎった牙を自分が耐えられるとは到底思えないし、生成系も恐らく間に合わない……


結局、少しでも距離をとるために、切り離された巨大ワームの頭部を盾にするように飛びのこうとしたがやはり距離が近すぎたらしく、巨大ワームの凶牙が自分の体を丸吞みする……直前、なんと先ほどまで少し上で浮いていたはずのるしさんが巨大ワームと自分の間に割り込むように急に現れた。しかし巨大ワームはそんなこと気にも留めず、るしさんごと飲み込もうとした直後!るしさんが持っている盾から閃光を思わせる水色の輝きがほんの一瞬だけ発せられたかと思うと今にもにも丸吞みにされたしまうほど近くにいたはずの巨大ワームはまるで何かにはじかれたように体を勢いよくのけぞらせたかと思うとそのまま体勢を崩して地面に崩れ落ちた。


「大丈夫かドーン?」


「あ、ありがとうごさいます、ホント、助かりました」


こっちに振り替えりながら自分の無事を確認するるしさんに冷や汗をかきながらも無事を伝える。


「それはよかった。あと余計なお世話かもしれないが、何かアクションを起こすときはそれに対して相手がどういう行動とる、あるはとりえるのか、そしてそれに対してどういう対応をするべきか……なんかの先読みをしながら戦う事をおすすめするぜ」


「はは、そうですね……頑張ります」


戦闘中は基本的に戦う事に必死で相手の対応まで気を回す余裕はないんだけど……それができなかったから今死にかけたわけだし自分も頑張らないと…


「さて、いい感じに怯んでるし、体力も削れてる、これで終わりにしよう。【剣の断章・第一節・植物】」


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