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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第二章】呪われし国と無敵の天使
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【58】出立

「やっと話し会いが終わったみたいだな、結構待ちくたびれたぜ。それで依頼の話は…その感じだと前向きに考えてくれてるかな?」


二人との話し合いを終え、外で待たせているるしさんに会うためにテントの暖簾をくぐって外に出ると…何とすぐ目の前にるしさんがいた!

もし勢いよく外に飛び出していたらぶつかってしまうような、すぐ近くの位置に居たるしさんに自分が驚き固まってしまうのはるしさんの想定通りだったのか、特に同様する様子も見せずそう言った。


「ちょっと急に止まらないでよ、ぶつかりそうになったでしょ」


そう言いながら黒蓮もテントから出て来てそれに続いて金華も出てきた。


「おお、この二人が例のドーンの仲間だな。初めまして俺の名前はるし、これからよろしくな!」


「うん!私は金華!よろしね」


「私は黒蓮よ、よろしく」


るしさんはテントから出てきた二人を見つけるとそっちに視線を向けて自己紹介をして、二人もそれに返すように自己紹介をした。


「それで依頼の話は…取り敢えず報酬を見てから決める事にしたんだけど、問題ないか?」


「ああ、もちろん問題ないぜ、話を持ちかけた時にそう言ったしな。それじゃ早速行こうぜ呪われし亡国[エンバー]に」


るしさんはまるでこれから起こる事を期待するように…あるいはこちらの期待を煽るように手と翼を広げ元気よくそう宣言した。


「それは構わないが…どうやって行くんだ?」


「そりゃもちろん空を飛んで……あ〜その感じもしかして飛べない?」


「……まぁ向こうの山までは無理だな」


「あーそうかー……ん〜困ったな〜」


るしさは考えて無かったと言うふうに手を頭の後にやって頭をがりがりとかいて考える素振りを見せる


「もしかしてその国、空を飛べないと入れないのかしら?」


「ん〜いや、別にそんな事はなかったはず……あ!そうだそうだ!」


黒蓮の質問に何処か上の空な様子で返答していたるしさんは急に何かを思い出した様子で大きな声を上げる。


「使った事無いから忘れてたが確か一箇所だけ外に通じてそうな場所があった気がする!確か最後の聖域の奥に…」


「あ〜歩いても行けそうか?」


「ああ!どうにかなりそうだ、案内するからお前達の準備が出来たら出発「グウゥゥゥ〜」…あ〜そういえば朝飯食ってなかったな、食べてからにしようか」


るしさんが意気揚々と、テンション高めに出発の音頭取ろうとした次の瞬間、場にお腹がなる音が鳴り響いた。自然と視線が音の発生源に向かうとそこには恥ずかしそうに顔を真っ赤に染めた金華の姿が有り、恥ずかしそうに直ぐに俯いてしまった。


「…そうだな」


「///ご、ごめんね?」


「気にする事ないぜ?生きてりゃ基本腹は空くものだからな。別に特別急いでる訳でも、大事な場面だった訳でもねぇしな。まぁ出鼻をくじかれた感は否めないが…まぁ粗末事だし気にしなくていいぜ」



と、言うわけでるしさんを交えてた四人での朝食を終え〈簡易拠点〉も片付けていよいよ出発の時が来た。朝飯は【道具生成(クリエイトアイテム)】で生成した料理本を見ながら作った物で…まぁ出来は初めてなのとスキルが無いのもあってイマイチだったが十分に食えるレベルだったからセーフだろう。3人からの評判も悪く無いし。


「よし、今度こそ大丈夫だな?」


「ああ、道具も全部しまったし大事だ」


「そんじゃ行こう、出来れば日が沈む前に到着したいしな。あっちの方だ」


振り返ってこっちの様子を確認したるしさんに、自分がそう返答するとニコッと笑って前に向き直りスっと指を指した。るしさんが指し示した場所は…るしさんの翼が邪魔で若干分かりにくいが自分達が目指していた場所に近い、まぁあんなでかい山脈を超える道が幾つもあるのはおかしい気がするしそんなものだろう。


意気揚々と指し示した方向に向かって歩き始めたるしさんの後を追って深層の奥…そのさらに奥にある山脈を目指して歩き出した。


そして深層での移動は思っていたよりも簡単で現状は順調そのもの。飛び抜けて強いるしさんを恐れているのか、既に深層に入ってしばらく経ったというのに魔物の襲撃は散発的なものだけで群れで襲いかかって来る事はまったく無く、一匹だけならレベル上げの甲斐あって2人も比較的余裕を持って対処出来ている。


「終わったわ」


「お疲れ様」


襲いかかってきたリザードマンを倒し戻ってきた黒蓮を労う様にそう声をかけると黒蓮は隊列に戻る前にスススっと自分に近付いて来て耳打ちをしてくる。


「ねぇドーンあの人何者なの?ちょっと…強すぎじゃない?」


空から迫ってきた岩石鳥に「次は俺の番だな」といってるしさんが手を向けた瞬間、岩石鳥の首が落ち地面に落下する。


「一体どうなってるの…あれ」


「何者かは前に説明しただろう?あれは多分時空間魔法の『断絶』とスキルの【無詠唱】の組み合わせだと思う」


「私が聞きたいのはそう言う事じゃないのだけど…まぁいいわ」


そう言ってため息をつき隊列に戻ろうとする黒蓮を呼び止める。


「なに?」


「もし怯えてるなら大丈夫、るしさんはそんなことするような人じゃ無いはずだし、同じぐらい強くなれば気にならなくなる」


「ハァ…別に彼女に脅えていた訳じゃないわ、ただ…あんなに強い人が助けを求めるレベルの場所に行くというのが気になっただけよ」


「そこは出発する前も言ったけどレベルを上げればある程度は追いつけるから大丈夫だ」


「ある程度….ね」


そう何処か含みを持った言い方をしながら黒蓮は一番後ろに戻って行った。少々納得のいかない反応だけど…まぁ黒蓮はずっと力について懐疑的だし今回も目にし体幹すれば理解してくれるだろ。


そんなやり取りを挟みつつも順調に奥へ奥へと進み、少し前まで遠くに見えていた山が見上げなければ全長を捉えられないぐらいまで近付いてところでるしさんが待ったをかけた。


「こっから山だから出てくる敵が少し強くなるから注意しろよお前ら」


ーーーゴゴゴゴゴゴ!!!


るしさんがそう言ってこちらに警戒をうながした次の瞬間、地面が轟音とともに揺れ始める。


「あ〜悪い、フラグだったかもしれん。来るぞ」


ーーーボコッボコボゴホ!


砂埃が辺りを覆うのと同時に何かが硬い地面から飛び出してくる音が響く。飛び出して来るまで【魔力探知】に引っかからなかったという事はそれなりの隠匿系スキルが使える魔物の筈だが…どうやらそれは地中限定であったらしく多少分かりずらいがしっかりと探知できる。形状から察するに恐らくモグラ

魔物だろう。


襲いかかって来た数は恐らく3匹…せっかく砂埃で撹乱しているというのに3匹は馬鹿正直一番先頭にいるるしさんに襲いかかって……いや、まて、これは…


「後ろだ黒蓮!」


モグラ達が掘った穴…その道の幾つかが背後へと伸びて居ることに気が付き、瞬時に黒蓮に警戒するように声を発した。


「クッ【居合】!」


警告を発したすぐ後、黒蓮の足元近くの地面からモグラが二体同時に飛び出して黒蓮に襲いかかったが警告が間に合い黒蓮はこれを間一髪の所で回避しそのまま近くの金華に飛びつこうとしているモグラ目掛け黒蓮が【居合】を発動してモグラを切りつけ、それによって発生する【攻撃指示】の固定ダメージと合わせて一撃で絶命にいたらしめた。


見た事無い魔物だったったがまだ十分に対処出来るレベルのようだ。とはいえ、咄嗟の一撃だった事を踏まえても黒蓮の攻撃が先程までより効いていなさそうだった事を考えると敵のレベルは確実に上がっている、仮にこのまま表層〜深層までのような調子で敵が強くなるのだとしたら結構早くまともに攻撃が通らなくなりそうだ。固定ダメージを付与出来るスキルがなかったら苦戦は免れなかっただろう……とはいえこれも七、八階梯レベルになってくると100ダメ追加されたぐらいじゃ倒せなくなってくるから過信してはいけない…


ーーーGITITTTTT!!


「新手!?」


そんな事を考えていると地面を吹き飛ばしながら細長い何かが地面から飛び出して来た!


「こいつは…少しでかい気がするがロックワームか?」


モグラを倒し終えたるしさんが飛んで来た石塊を盾で弾きながら、砂埃の向こうに見える細長い影を見てそう言った。るしさんを信じていないわけじゃないけど、ワーム系は種族別の際が殆ど無いからこんな砂埃舞い散る環境で正確な見極めが出来るとは思えない警戒しないと。



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