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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第一章】始まり
55/122

【52】精霊結晶

side ドーン


「タロさん!」


「きゃぁぁぁぁ!!」


タロさんを追って風に巻き上げらること数秒、『軽重(ライトウェイト)』を使った事もあってすぐに追い付いた….が、タロさんは突然の事にバランスを取れなかったのか空中でグルングルン回転してしまっており、むやみに近付こうものなら容易く突き飛ばされてしまうことは想像に固くない。彼女はこっちに気が付いていないみたいだし!


なにかこう言う場面で役に立ちそう魔法かスキルは……


「【水の精霊】!彼女の姿勢を安定させながらこっちに引き寄せるんだ!」


水の精霊を召喚すると水色の光を纏った水の体の女性が現れ、その女性から一本の水の鞭のようなものがタロさんに伸びてその腕に絡み付き、こっちに向かってタロさんを引き寄せてくれる。


「ドドドドドドドーンさん!?」


「大丈夫ですから暴れず、落ち着いてください」


「は、はぃぃ!」


こっちに引き寄せられたタロさんをしっかりとキャッチするとタロさんは目をまん丸に広げながら驚愕を露わにし、手をワタワタさせ始めたので落ち着くように言うと今度は逆にひしっと全身で抱きついてくる。ん〜まぁ落ちにくそうだしこれでいいか。


「しっかしこれまた随分と高く打ち上げられましたね。ほらあの背の高い中層の大樹よりもかなり高い位置いますよ」


「こ、怖くて下なんて見れません!」


そう言ってタロさんをよりいっそう強く抱きついてくる。そんなタロさんを安心させるように頭を撫でながらこれからどうすれば助かるのか思考を巡らせる。


このまま何もせずにこんな高所から落下したら自分はともかくタロさんはまず間違いなく即死…それは避けなくてはならない。今はもう風に吹き上げられていないから飛行可能になるアイテムを使えばこの場は持ち直せそうだけど、それだって無限に飛べる訳じゃないし、今後の事を考えると今も下で吹き荒れるあの強風に打ち勝って飛べるレベルのアイテムは生成したくない。


あんぱいなのは上昇の勢いが死んだタイミングで『反重力(アンチグラビティー)』を発動して落下を封じて金華と黒蓮があの上位精霊をどうにかする事に期待て待機して、終わったら〈浮遊人形(フロートゴーレム)の青大剣〉に捕まって降りる事だけど…果たして大丈夫だろうか?


黒蓮がまた属性飛竜(エレメントワイバーン)にであった時の為と言って金属属性の適正を上げてたから相性有利は作れるだろうからダメージは通りそうだけど、風の精霊って基本的に移動速度がかなり早いから攻撃を当てられるかどうか……被ダメージついても心配だ、【環境改変】と【防御指示】があるからかなり被ダメージは軽減されるはずだけど万が一まともに食らったとしたら、相手がこの規模の影響を及ぼせる相手である事を考えると普通に即死しても可笑しくない……


一応…覚悟はしておくべきか


そんな自分の悲壮な決意とは裏腹に、はるか上空にタロさんを追い掛けて打ち上げられてから数分後には、眼下で激しく揺れてい大樹とその枝葉ががその動きを止め始めていた。恐らく下での戦いに決着が着いたのだろう。



掴まっている〈浮遊人形(フロートゴーレム)の青大剣〉に指示を出してゆっくりと森の中に降り立ち目にしたのは…必死に回復魔法を使う金華とぼろぼろの状態で地面に倒れ伏す黒蓮の姿だった。


「金華!黒蓮!」


「ドーン!お、お姉ちゃんが!お姉ちゃんが私を庇って!」


慌てて二人のいる方に駆け寄る。二人の周囲の地面には切り裂かれたり、えぐり取られてような跡が残っており、それらがこの場で起こった戦いの激しさを物語っているうだった。


金華の回復を使って使い続けているお掛けが黒蓮に傷らしい傷は見当たらないが切り傷や打撲による物と思われる出血が体には残されており、金華がまた大袈裟に言っている訳ではなく本当に黒蓮が重症を負っていたであろう事が伺いしれた。


「脈は….あるな、良かった。状態は…気絶だけだな、これなら数分安静にしてれば目を覚ますはずだ」


「本当に!良かった〜」


そう伝えると金華は目に見えてほっとし、安堵した様子を見せる。


「あ、そうだ!これ、さっきのやつが落としたやつなんだけどね、どうしたらいいと思う?」


「これは風の属性結晶か?見た感じ純度も高くてかなりいい物……そうだな、これ素材にするなら放った矢が落下したり風の影響を受けたりしない弓を作るか、あるいは飛行アイテムを作るのがいいだろうな」


「そうなんだ!それじゃ…弓はちょっと前に新しくしてもらったばっかりだし、飛行アイテムを作って欲しいな、それならお姉ちゃんと兼用出来るだろうし!」


「そうだな、それじゃ「あ、あの!」あ、すいませんタロさん、どうしましたしたか?」


「あの、精霊樹…触っても大丈夫ですかね?さっきみたいに爆発したりしませんよね?」


「あー」


そりゃ心配だよな、さっきは触った途端に光ったと思ったら爆発しては吹き飛ばされて、そのままはるか上空まで風に巻き上げられたんだから。


「どうだ金華?」


「ん〜もう精霊宿って無さそうだし多分大丈夫」


「だ、そうですよ」


「ほっ良かったです、それじゃ採取を初めますね」


そう言ってタロさんはいそいそと精霊樹によじ登り始めた。精霊樹は周囲の大樹と違ってかなり低い位置から枝葉が沢山生えているので登るのはそこまで難しく無さそうだだけど…その分枝の一本一本が細いから折れないかかなり心配だ、一応精霊樹は頑丈な部類だし小さな女性一人乗った程度じゃ折れはしないと思うけど……


「タロさん、なにか手伝いましょう?」


「あ、お気遣いありがとうございます!大丈夫です!」


そんなやり取りの後、タロさんが落下してこないか心配しながら見守っていると、背後で呻き声が上がる。振り返ると黒蓮が頭を押えながら起き上がっており、気絶から目覚めた様子だった。


「お姉ちゃん!」


「金華…」


金華は感極まった様子で黒蓮に抱き着き、黒蓮はまだ状況が把握しきれていないようすだがそれでも金華に答えて優しく優しく抱きしめ返した。


「終わりました!」


美しき姉妹愛に見とれていると、いつ間にか袋をパンパンにして降りてきていたタロさんがそう伝えてくる。


「ほらみてくださいドーンさん、精霊樹の葉がこんなにいっぱい取れました!」


そうやってタロさんが広げて見せてくれた両手の平に乗るぐらいの大きさの袋には確かに瑞々しい精霊樹の葉が詰め込まれていた。


「良かったですね」


「はい!皆さんのおかけで、おじいちゃんの代から続く悲願が叶えられそうです!」


「それは良かった」


精霊樹の葉と悲願…薬屋ってことを考えると薬関係なんだろうけど…ん〜、消費アイテムはあんまりくわしく無いからよく分からないな、何かあったっけ?


ちょっと悔しいけど直接聞けばいいか。

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