表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第一章】始まり
54/122

【51】風の精霊

side 金華


「ド、ドーン!?」


風に乗って勢いよぬ飛んで行ってしまったドーンを見て呆気に取られた様子をお姉ちゃんが見せてるけどそんな事に構っている余裕は私には無かった。


精霊樹が纏っていた淡い薄緑色の光が急速に一点に集まり現れたの()()()()()()……薄緑色の風で構成された5、6メートルどの大きさをした巨大な鷲の姿をした精霊だった。その異様と放つ力は同じ上位精霊のはずのウインディとは比べ物にならないほどの強烈な物で…戦いの雰囲気を多分に滲ませていた。ら


ーーーKEEEEEEE!!!


「お姉ちゃん!来るよ!」


「わかってるわ!」


敵がその身を強く輝かせたかと思うと刃を思わせる形をした薄緑色の光が私達の方に向かって無数に放たれた!


お姉ちゃんが【環境改変】の外に出ないように注意しながら体を機敏に動かして隙間を掻い潜る様にこの攻撃を回避…


「うぐっ!」


「お姉ちゃん!?」


「…大丈夫よ、【環境改変】と【防御指示】の大した傷じゃないわ」


「本当?」


「本当よ金華!くっ!そんな事より次が来るわ!」


お姉ちゃんに『回復(ヒール)』を飛ばしつつ、弓に矢をつがえ【三連射(トライアロー)】を発動して矢を放った。放った三本の矢は寸分の狂いもなく敵に命中したけどその身体をすり抜けて行ってしまい余り聞いてる感じはしない。


「はぁっ!」


お姉ちゃんは敵の攻撃が収まった瞬間を逃さずに素早く敵に迫り【居合】のスキルを発動してその刃を抜き放ち敵を切り裂こうとしたけど、その直前に敵垂直に上に()()されて回避されてしまった。


「……お姉ちゃん私にも【属性付与】をお願い」


「…わかったわ、飛ばれちゃ私は殆ど何も出来ないし【属性付与・金属】」


「ありかとっ【三連射(トリプルアロー)】!」


お姉ちゃんにお礼を言って即座にスキルを使って敵に攻撃してみると…予想通り敵はさっきと違って回避行動を取った、やっぱり属性攻撃以外効果が無い可能性が高いかもしれない。


「なんなのあいつ動き!すっごく気持ち悪いんだけど!」


敵は完全に慣性を無視した飛行方法で私が放った矢を回避仕切り、その様子を見ていたお姉ちゃんが悪態をつく。敵は鳥の様な見た目はしているけど実態は風の上位精霊….ドーン曰く意志を持ったエネルギーの塊のようなもので実態を持っている訳では無い、その事を証明するかの様な動きだった。


「【狐火】!」


お姉ちゃんが苦し紛れに【狐火】を放ったけどそれは風によって明後日の方向に飛んでっちゃった。

これは闇雲に攻撃しても当たらなさそう…属性だめーじが通るって確証も無いし、この状況でドーンが【防御指示】から【攻撃指示】に変えるとは思えないからその時はちょっと不味いかも……


ーーーヒュォォォォォォ!!!


周囲を吹き荒ぶ風の音が一弾と強くなり、それに呼応するように敵の輝きが強まり今度はそれを先程違い膜のよつに薄く広げ面で押し潰すような形で薄緑色の光を放った。


「ッ金華!」


お姉ちゃんが私の事を庇うように前に出た直後膜が直撃し、全身を衝撃と砂埃が襲った。


「お、お姉ちゃん!」


「…今のは、流石に痛かったわね」


お姉ちゃんが庇ってくれたおかげ、私は大したダメージを追わなかったけどもろに食らったお姉ちゃんはもちろんそうは行っていなかった。頭から血を流し、地面に片膝をつくような重症を追ってしまっている。


慌ててお姉ちゃんに『回復(ヒール)』を使い傷を回復させようとした直後……


「えっ」


お姉ちゃんに強く突き飛ばされその直後に再び緑色の膜がお姉ちゃんに直撃して砂煙が巻き上げられる。私はお姉ちゃんが突き飛ばしてくれたおかげで大した傷は負ってない…けど、あんな傷をおっている所にあんな無防備な状態でもう一度食らったりなんてしたら………


「お前ぇ!!」


溢れ出る激情に任せ、続け様に三度目を放とうとしている敵に向かって矢を放った。放たれた矢は敵に命中しそのまま貫通して行った…けど最初違ってちゃんと()()()()感じがした。


お姉ちゃんが倒れているであろう場所目掛けて『回復(ヒール)』を飛ばしながら敵に攻撃の隙を与えないように矢を放ち続ける。


放たれた矢()()()()()()()()()()し凄まじい勢いで敵を削って行く。

もしこの場を第三者見ていたら、まるで敵の動きを全て把握しているかのような人間離れした神業じみた金華の射撃に気味の悪いもの感じていただろう。


ーーーKiiiiiiii!!


「【三連射(トリプルアロー)】!」


そして敵はすぐにこの矢を回避出来ないという不可思議な事象を察したのか、攻撃を食らう事も厭わず、甲高い鳴き声を響かせながら力を溜め込むかのようにその場に留まりその身の光を強め初め……その直後に金華が発動した【三連射(トリプルアロー)】によって放たれた三本の矢によって正確にエネルギー体の核、あるいは中心と言われるような場所を寸分違わず撃ち抜かれ、溜め込まれた力は制御を失って周囲に全てを吹き飛ばすような強風を撒き散らしながら霧散した。


風が止むとそこには先程の被弾と自爆が余程痛手だったのか随分と小さくなった敵の姿があった。そしてその見た目の変化に違わず本当に弱っているのか地面に着した敵にトドメを刺そうとした次の瞬間…


《我を過剰なエネルギーによる暴走から()()「死ね!」ぬぅ!?》


敵がまるで先程まで正気じゃ無かったと言わんばかりに世迷言を言い始めた。何を言ったって、どんな境遇だったとしたって、こいつが私達を殺そうとした事に変わりはない…ならこいつは敵で、敵は殺すべき!敵は敵で、敵に慈悲も情けも要らない!あの晩ドーンが私に教えてくれた事!


《お、おい話をっ》


「【狐火】【三連射(トリプルアロー)】」


【狐火】は予想通り風の障壁によって容易く受け流されたけど、それによってその火はその風に沿って薄く長く敵と私を分ける壁の様に広がり、続け様に斜め上に放った【三連射(トリプルアロー)】によって放たれた三つの矢の全てか再び敵の核を撃ち抜いた。


《待ってくれ、制御出来なかったとはいえ攻撃して悪かった!だからどうか話を!》


小鳥ほどのサイズまで小さくなった風の上位精霊が怯えきった様子で懇願するが…


「死ね」


金華の反応は至極あっさりとした、そして一貫したものだった。話を無視して放たれた矢は随分と小さくなった風の上位精霊を刺し貫き…それと共に薄緑色の光は完全に霧散して声も聞こえ無くなり、矢が刺さる場所に薄緑色の結晶が残るだけとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ