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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第一章】始まり
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【43】犠牲者

「ちょっと待て…お姉ちゃん!アイツが殺られてたって事は今頃村が大変な事になっちゃってるよ!早く「金華だまって!」お、お姉ちゃん…」


黒蓮の剣幕に金華が驚いた様子を見せる。


「それ以上は言わないで、私は金華の事を嫌いなりたくないわ。もうあの村と私達は何の関係も無いし、もし滅んでたとしてもただのざまぁとしか思わないし、こんなに嬉しい事はないわ」


「……嘘」


「嘘じゃ無いわ、むしろどうして今まであんな扱いを来てきたクズどもの心配をして、あまつさえ助けになんて行かなくちゃ行けないのよ金華!!」


黒蓮が目に見えて激昂した様子で金華に詰め寄る。この話題については完全な部外者である自分でも分かるぐらいの激昂ぷっり。正直口調はきついけど結構優しい黒蓮がここまで怒れる事に驚いてる自分がいる。


「嘘だよ!もし本当にそんなふうに思ってるんだったらあんなに複雑そうな表情するわけないもん!!」


「………仮に!私が彼奴らの不幸を喜んでなかったとして、だった金華はどうしたいの?金華の言う通り助けに行ったとしてもあいつら私達の施しを素直に受けると思う?」


「それは……で、でも」


「十中八九追い返されるし、借りに受け入れられたとしても恩を仇で返して来るに決まってるわ!」


「さ、さすがにそんな事は……」


「んなわけないでしょ!い「ちょっといいか?」ドーン?あなたには関係無いことでしょ!だまってなさい!!」


「それは出来ない、それに俺も全く関係無い訳じゃ無いし」


「なんですって?」


…幸いな事に黒蓮は取り敢えず聞く姿勢にはなってくれた、とはいえ場の空気は変わらずピリピリしてるし、出鼻をくじかれたのに黒蓮の怒りが減衰する様子も無く余程根深い恨みがあると見える……しかしそれでも何処か相手を憎みきれて居ないのは黒蓮の生来の優しさ故か。


まぁそんな事は今はどうでもいい、チャンスは恐らくこの1度だけ、失敗したら怒りの矛先がこっちに来そうだし失敗は許されないし。黒蓮と金華、二人の関係に大きな亀裂が入りが入りそうなこの不毛な言い争いを止めなくては。


出来るだけ自然体である事を心がけて言葉を紡ぐ…


「一応俺も二人の仲間だからな(掴みは….ギリギリ大丈夫そうか)俺の意見…というか推察を話しても良いか?」


「………いいわ、話しなさい」


黒蓮はだいぶ渋い反応だったが許可をくれた。こう言う相手を納得させたい時は話の主導権を奪わないのが大切だ…と思う。


「まず、村はまず間違いなく助けを必要として居ない」


「ドーン!?」


金華がこの自分の発言に驚いた様子で声をあげる。多分金華は自分が黒蓮を説得するのを手伝ってくれると思っていたんだろう、実際話の割り込み方的にそういう流れだった気もするし、けどそうはしない…いや、()()()()()()()


「くだんの人物が何者か俺は知らないが、まず間違いなくその村は()()()()状態にある」


「…どういう事?」


結論から言ったのが黒蓮の様子が怒りから疑問へと推移して行くのを感じる。多分、一から説明していてはこうは行かなかった…と、思う。


属性飛竜(エレメントワイバーン)の強さ、そして破壊規模と執念深さを思い出してみてくれ。仮にあれがその村に現れたとして何か残ると思うか?」


「それは…確かにそうね」


「で、でもドーン、村にはとっても強い人達が沢山いるんだよ!私達でも倒せたのにあの人達そんな事許すとは思えないよ?」


「俺はスキルの使い方も知らない奴らがあのレベルの相手に太刀打ち出来るとは到底思えない」


「あ、そういえばそうだった!最近当たり前みたいにスキルを使ってるからすっかり忘れてた、でもそうすると……」


金華が落ち込んだ様子を見せる。


「そのくだんの人物が村の外に出た時に襲われたんだとしたら逆に村は無傷だと思う」


「そっか」


そう言うと目に見え金華は喜んだ様子を見せたが、やはりと言うべきか逆に黒蓮が複雑な表情な表情浮かべる………ん~二人のこの()は一体何なのだろうか?同じ村出身どころか姉妹でここまで村に対する対応というか印象が違うことあるか?村そのものにここまで悪印象を持っなんてよっぽどの状況だと思うが……


「二人の会話とあの属性飛竜(エレメントワイバーン)からの類推だからあまり確度が高くないような気もするけどこの二つからはそう大きく外れて居ないはずだ」


「そう…そうね。帰りましょうか」


これにて一件落着……青、赤、紫、それぞれの光を放つ三つの砕けた月とその夜風に乗って漂う魔物の血肉の匂いに見送られながら大樹の頂点を後にして街に戻り、一晩ぐっすり眠って朝になったらまた依頼を受けて………とは、残念ながらならなかった。



三つの月と共に星々が強く輝き始める深く暗い夜の刻、1つの重要な魔力反応が【魔力探知】の範囲外に出た感覚で目を覚ました。


「金華…」


このタイミングで誰にも伝えずに街を離れた理由…そんなのくだんの村が心配だから見に行ったとしか考えられない。一人で夜の森に向かうなんて心配だし様子を見に行きたいけど自分はその場所を知らない、黒蓮を起こして案内させるのが一番安牌そうだけどややこしい事が起きそうな気もするし……ここはアイテムの力に頼ろう、幸い属性飛竜(エレメントワイバーン)を倒し、死体もポイントに変換出来たおかげて今までにないぐらい余裕があるし。


ポイントを消費し【道具生成(クリエイトアイテム)】で〈運命の羅針盤〉を生成する。〈運命の羅針盤〉は使用者と間接的、直接的問わず縁の深い任意のものを指し示すアイテムであり、クエストマーカー的な役割を担うことが出来るアイテムだ。


「〈運命の羅針盤〉よ、金華の事を指し示せ」


そう告げ、〈運命の羅針盤〉を使用すると湯気のような赤い光を零しながらその羅針をぐるぐると回転させ始め、少し待つと一際強く赤い光を発して一方を指し示した。


「金華がいるのはあっち… 属性飛竜(エレメントワイバーン)に襲われた方か」


多少もったいないと感じつつも、追いつくなら速度も必要だしもしもの時の事も考えてい()()の装備を作り出し宿屋を忍び出て金華の後を追った。


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