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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第一章】始まり
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【38】樹上の攻防 中編

…とはいえあのままでは先程までと同じ速度でのぼるのは厳しいだろう、位置的金華の回復魔法の射程外だし、結構なピンチ…だが打開策はある。


「フリョン、黒蓮を治して来てくれ」


ーーーぷるん


懐にしまっていたフリョンにそう命じると、フリョンは垂れ下がるロープを自身の体にめり込ませ、こう…ギュルルルッて回転するような感じでかなり高速でロープを登って行く。…普通に俺より早いな。


「お姉ちゃんまたっ!」


「っ!」


金華の警告に促されるままに黒蓮から視線をあげてさらに上を見てみると再び枝葉が降って来ている上に、先程のそれよりも枝葉は太く、数も多そうだった。あんなのを無防備勝つ傷だらけの状態で食らったら黒蓮だってただじゃ済まないし、仮にフリョンが間に合っても……そうか!


「黒蓮!精霊を呼んで防がせるんだ!」


「!わかったわ!【水の精霊】私の身を守りなさい!」


黒蓮がそういうと黒蓮の傍に水の体をもつ少女の姿をした水の精霊が出現し、その水の精霊が腕を振るうと水の膜が黒蓮を覆うように出現し、その直後に落下して来ていた大きくて大量の枝葉と衝突する……


「お、おお…すごいわね」


黒蓮は驚きと感嘆が混じったような声を上けだ。水の膜はしっかりと黒蓮の事を守り切り、黒蓮の事を襲った枝葉は左右へ逸れ地面に落ちて行った。

そして呼び出した水の精霊と水の膜が消えるのと同時に黒蓮の元にフリョンが到達してその傷を癒した。


そして攻撃を防いだからか、はたまた金華が敵を牽制した甲斐あってか三度目の妨害を受ける前に黒蓮は金華と同じところまで登切り…


ーーードシンッ!


それと同時に上からフォレストスネイクが降り立ち登り切ったばかりの黒蓮に飛び掛り強襲を仕掛けてきた!


これを黒蓮は咄嗟に身を翻して枝から落ちるように降りてロープへと戻ることで回避して見せ、強襲して来たフォレストスネイクには金華が放った矢が突き刺ささり咎めるが…


「あっっぶない!なぁもお!」


同じく降りては来ていたものの少し上にある枝に巻きついた状態で待機していたフォレストスネイクが巻きついていた枝葉の一部をへし折って金華目掛けて投げつけて来たがこれを寸での所で身をかがめることによって回避した。


「ドーンも早く上がって来なさい!」


「分かった」


黒蓮はロープから枝の上によじ登りながら、矢を放ってきた金華の方を気にする強襲してきたフォレストスネイクの不意を付いてその刀で刺し貫いてトドメし、早く自分も登って来いと催促してくる。


「……」


先程、ロープを登っている時の黒蓮があった目を思い起こし若干恐怖に震える心に気が付かないフリをして、急いでロープをよじ登って行く。時折上から攻撃が来そうな気配はあるが黒蓮と金華が戦ってくれているおかげか想像していたほど激しいものでは無く無事に自分も登りきる事が出来た。


「やっと来た…遅いわよ!」


「悪い」


「敵はまだまだ残ってるからキリキリ戦いなさい!」


早速『下位減速(レッサースロー)』と『加重(ヘビー)』……の方はこっちに来た時枝が折れるかもしれないからやめておいて、『下位減速(レッサースロー)』を広域にばら撒いて敵の行動を阻害し『次元収納(インベントリ)』から短弓と矢を取り出す。


今足場にしている枝は周囲の枝に比べて比較的太いし広い方だが、それでも2人並んで戦える程じゃ無いので前衛は黒蓮に任せて事前の取り決め通り弓矢で援護しする事にした。


()()()()()が手に入れば…というか戦闘スタイルが出来るようになればもっと効率的に援護出来るはずだけどまだまだそれを生成するには全くポイントが足りないんだよな……武具一体型のアイテムな関係で一番弱い物でも生半可なマジックアイテムじゃ比べものにならないぐらいポイントを要求されるからまだまだ無理そうだけど。


そんな事はさておき敵への牽制は金華に任せて弓矢で前衛である黒蓮に援護射撃を行い戦闘をこなして行く。距離を詰めて来る個体は黒蓮が一刀の元に切り伏せて処理し、枝葉を放り投げて攻撃を仕掛けようとしてくる敵や、迂回して下から急襲してきた個体を自分と金華で処理、牽制をする。時折複数匹が一斉に飛びかかって来て抑えきれない時もあったが、黒蓮の【属性付与】と金華の【魔物鑑定】のおかげで常に敵の弱点属性で攻撃出来ているおかげで枝が重みに負けてへし折れる前に早急に処理出来ている。


本当は範囲攻撃で敵を一掃出来たら良かったんだけど木の上で【狐火】なんて使ったら燃えて大変な事になりそうだし、精霊はあまり射程が長くないから範囲殲滅には向かないし……という訳でこうして迫り来る敵を地道に処理してるんだけど……


ーーーバキ!バキ!バキ!バキ!


ーーー……………


ーーーシュルルル……


「な、何?」


「なんだ?」


如何に大木と言えど、これだけの数のフォレストスネイクがいったい何処に隠れていたんだと、言いたくなる様な数のフォレストスネイクを倒してなおまだ終わりが見えないことに辟易し始め、横からオレンジ色の光が差し込み始めた頃…俄に上の方が騒がしくなる。


こちら動揺なお構い無しに襲いかかってくる…….かと思われたフォレストスネイク達も同様に上を見上げたかと思うと攻撃を仕掛けるのを辞めて見渡す限りにいたその全てがこちらに背を向けるのも厭わず上へ登って行った。


「……とりあえず一息着けそうだな……黒蓮大丈夫か?」


フォレストスネイクが去った途端、疲れた様子で片膝を付いて滲んだ汗を拭う黒蓮。軽く数時間…しかも不安定な足場の上で前線張って戦ってたんだ、その疲労は察してあまりある物だろう。


「ええ、何とかね…けどまさこんなに数がいるなんて思いもしなかったわ」


「なんか他の木から援軍が来てたみたいだからね」


「え?」


「まじで」


同じく黒蓮を心配して近付いてきた金華の発言に驚かされる。戦闘中だって【魔力探知】は切らしてなかったけどそんな感じは…いや、まだ熟練度はそこまで高くないし範囲もそこまでだ。フォレストスネイクは隠密系の能力を持っているみたいだし、普通の木ならまだしも、この木の大きさを考えれば範囲外から来たりするのも十分に有り得る話か。


「そんなことよりこれからどうするの?襲いかかってきていたフォレストスネイクは、急に騒がしくなった上を目指して移動して行ったけど、目的の木の実は上にあるし……」


「そう…そうね」


「【魔力探知】の範囲外らしく、この枝をへし折る激しいの音の発生源は分からないが…フォレストスネイクがこんなに同族を殺しまくった俺たちより、やばいやつが来たって判断したから俺たちの事を放置して上に行ったんだろうから……もし引き続き上に行くつもりなら強敵戦を覚悟した方が良いだろうな」


このチームのリーダーである黒蓮に情報と考察を提供し判断を待つ。黒蓮は乱れる呼吸を整えながら、思考を巡らせる様なに瞑目し…決断したように立ち上がる。


「決めたわ、私達は……


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