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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第一章】始まり
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【27】思ったより

「んっ!」


取り敢えず素早く近寄って来たフォレストスネイクに槍を突き刺そうと攻撃を仕掛けるがフォレストスネイクの鱗は思ったよりも頑丈で突き立てた槍は鱗に突き刺さる事は無く滑りいなされてしまった!

槍で突き刺されそうになったフォレストスネイクはその攻撃の隙を見逃さずに大口を開けてその鋭利な牙を突き立てんと飛びかかって来たがこれをどうにか盾で防いで弾き返す。


そして再びフォレストスネイク五匹の足並みが揃ったとこで再び2人から【狐火】が飛びその動が再び鈍くなる。


「『下位回復(レッサーヒール)』ドーン!大丈夫?」


「ああ、大丈夫だ。回復かありがと」


金華の回復に例を言いながら黒蓮と共に【狐火】に燃やされて凍え、動きの鈍ったフォレストスネイクに追撃を仕掛ける。先程適当に槍を突き刺そうとした時はその頑丈な鱗に阻まれてしまったが目や口内なんかの急所に当てればある程度防御や相性を無視してダメージを与えられるはずだから、動きが鈍くなったフォレストスネイク相手なら今の装備でも簡単に倒せるはず。


さっき噛み付こうとしてきたヤツの目玉を狙って槍を突き出す。一撃目こそ避けられてしまったが動きは先程と比べて格段に遅くなっており、二撃目は回避されることもなくしっかりと命中してフォレストスネイクの目玉を潰し、そのまま押し込んで反対側まで貫通させる。突き刺されたフォレストスネイクは最初こそ自分に巻き付こうと体を動かしていたが貫いた瞬間にビクビク!と跳ねて動かなくなった。


黒蓮は思っていたよりも刀の熟練度が高いらしく、黒蓮に噛み付こうとフォレストスネイクが鎌首を持ち上げた瞬間にその首目掛けて素早く刀を振るい、自分のように鱗に阻まれるような事もなく鱗ごと首を切り裂いた。反撃を気にしてか踏み込みが甘かったため頭を落す程では無かったがそれでもかなりの出血を強いており、痛みのせいで体をうねらせて暴れているのでこの個体はそう遠く無いうちに死に至るだろう。


金華は倒す事よりも自分や黒蓮に近づこうとして来ている個体を優先して攻撃してくれているのでフォレストスネイクを倒してこそ居ないもののおかげでかなり戦い方安いし、矢も鱗を壊して突き刺さっているので自分よりダメージ出てそうだな……あれ?金華より自分の方が多分レベル上だと思うんだけど金華の方が攻撃力が高いのか?自分も近接戦闘職って訳じゃないけどそれは金華も同じだし階梯はこっちの方が上だからこっちの方が能力値は高いはずなんだが……くっこれが熟練度の差か。


そりゃもう何年もやってるだろう2人と数日前に始まったばかりの自分じゃ熟練度に差が出るのは仕方ないと思うけど…ゲームで熟練度による補正値ってこんなに差があっただろうか?


…まぁ仲間が強いのはいい事だし、自分も熟練度を上げる予定は元々あったしそこまで気にするべき事じゃ無いか。


その後も弱ったフォレストスネイクを三人で順調に処理し終え…休む間もなく次が来た。


「…本当に表層まで深層の魔物が来るのね」


僅かに震える声で()()()()()()そういう言う黒蓮を横目に木々の隙間から出てきた魔物に目をやる。そこにいたのは全長5m以上にも達する岩のような羽を持った岩石鳥(がんせきちょう)と呼ばれる怪鳥だった。その重そうな見た目とは裏腹に悠々と空を飛んでこちらを見下ろしており…


「ッ来るわよ!」


黒蓮がそう言った次の瞬間、岩石鳥がけたたましい鳴き声をあげたかと思うと茶色い光が放たれ、周囲に複数の拳ぐらいの大きさをした岩の塊が出現し、雨のように降り注ぎ始めた。


予想外の範囲攻撃に慌てて大きく退避して石雨の範囲外に移動しようとしたその時、岩石鳥が再び鳴き声を発したか思うと茶色い光と共に今度は巨大な岩が一つ出現して…移動しようとしている金華を狙って勢い良く射出された!


「『加重(ヘビーウェイト)』!」


慌てて金華に向かって飛んで来ている岩石に『加重(ヘビーウェイト)』をかけて金華にぶつかる前に落下させる、その時岩石鳥も効果対象に含めてたがいったいどういう理屈で飛んでいるのか多少ふらつく様子こそ見せたものの岩石鳥落ちてくる事は無く、金華もすぐさま反撃の矢を放ったが簡単に回避されてしまい、また大量の石礫が上空に展開される。


「『重力(グラビティー)』」


だが今回は先程と違い、こう言う攻撃があることを知っているので慌てずに冷静に対象することが出来た。『重力(グラビティー)』の効果によって上空から降り注ごうとしていた石礫は『重力(グラビティー)』の中心へと勢いよく吸い込まれて行き……その中には予想外なことに岩石鳥の姿もあった。


この感じ……『加重(ヘビーウェイト)』の効果が薄かったからてっきり岩石鳥も自分のように『重力魔法』が使えるのか思ったがどうやらそうではなく、あの岩の様な重そうな見た目に反して軽かったから『加重(ヘビーウェイト)』の効果が薄く、落ちて来なかったと言うだけらしい。


岩石鳥は『重力(グラビティー)』よって吸い寄せられた自身が出した石礫に突きされ、押しつぶされて行き…その後行われた追撃も合わさって『重力(グラビティー)』の効果が切れると石礫と共にボロボロになって落下してきた。


「「「……」」」


「……なんか思ってたよりあっけなく終わったな」


「もしかして…私達って思ったより強い!?」


「そう…ね」


「まぁ今回は相性有利の敵が多かったから調子には乗らないようにな」


地面に落ちた岩石鳥に近寄って見つめた後、こっちに目を輝かせてそう言いながら振り返る金華に今回は相性が良かっただけだと、調子に乗らないように釘をさすと、ブスっと不満げな顔でこちらを見つめくる。


「そんなの分かってるよぉドーン」


「ごめんごめん」


気を削がれて不満げな金華の頭を丁寧に撫でて謝り。一頻り撫でて金華が満足した辺りで先程からずっと岩石鳥を見つめて何かを考えている黒蓮の方に目をやると、黒蓮もその事に気がついたようでこっちに目を向けた後話始めた。


「岩石鳥はドーンが吸収して頂戴」


「え、いいのか?深層の魔物だし換金したら結構な額になりそうだが…」


「良いのよ、私達の傭兵ランクで深層の魔物の素材を持って行くと、傭兵に無茶をして欲しくない傭兵ギルドの心象が悪くなりそうだし…そもそもこんなにボロボロじゃ…ね?」


「確かに岩石鳥の主な換金部位はこの〈岩羽〉だけど、殆どがへし折れてたりボロボロで血まみれだしあんまり高くはならなそうだよね」


「それなら傷の比較的少ないフォレストスネイクやオークの解体に時間を割いた方が良さそうでしょう?」


「そうだな、なら岩石鳥は俺が吸収しよう」

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