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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第一章】始まり
27/122

【24】主導権

「そんなことはないわ、ただ……その、私って…二人の足を引っ張ってばかりじゃない?……だから折角治してもらったけど……一緒にいない方がいいんじゃないかと思って」


「別にそんなことは……」


「私はジャイアントベアに襲われた時真っ先に逃げ出したし、ゴブリンから矢が放った矢をたった一発くらっただけであのざま……指揮能力や状況判断能力はもちろん戦闘能力だってあなたに劣るわ……」


「黒蓮…そんなこ「そんなことないよ!!」金華?」


突然、自分にひしっと抱き着いて来ていた金華が声を上げた。金華はぴょんっと自分の腕の中から飛び降りると黒蓮の目の前に近づくとドン!と胸を張って話始めた。


「いいお姉ちゃん?私はね、お姉ちゃんが強いから一緒に村を出よう!って誘ったわけじゃないし、当然だけど姉妹だから誘ったわけでも、憐憫を感じて誘ったわけでもないんだよ!私はお姉ちゃんと外の世界を見てみたい!そう思ったから誘ったの!弱いとか足を引っ張るとか馬鹿とか関係ない!お姉ちゃんがお姉ちゃんだから誘ったの!」


「きん…かぁ」


金華のその言葉を聞いた黒蓮はボロボロ涙を涙を流しながら金華に縋り付いて泣き崩れ、金華に抱きしめられた。泣き崩れる黒蓮の事を微笑みながら優しく抱きしめてる金華は、窓から差し差し込んで二人を照らす朝日も手伝ってとても感動的な美しさを醸し出しており、ある種の神々しさを感じさせられた。


どうなるかと思ったけどこれにて一見落着。二人の邪魔をしたら悪いし滅茶苦茶眠いから一旦自分の部屋に戻ろう。空気を読んでそっとこっちによって来ていたキュアスライムを回収し、音を立てないように細心の注意を払いながら二人の部屋を後にした。



「うーん」


ーーーグゥゥゥ


空腹で目を覚ますと、太陽は既に頂点近くにまで達しており、意識して匂いを嗅いでみれば料理の香ばしい匂いが漂って来ておりお昼時の時間であることが察せられた。


体を起こして服装を整えて居ると、一晩中戦っていた事で付いた体の汚れが綺麗さっぱり落ちている事に気が付いた。眠る前に体を拭いた記憶は無く不思議思っていると視界の端にキュアスライムが映った…もしかしてこいつが綺麗にしてくれたのだろうか?まぁそういうスライムのお話しはいくつか読んだ事あるし多分そうなんだろう。


「そういえばお前にも何か例をあげた方が良いよな。そうだな自由わ…え、いらない?お前今俺に絶対服従なんだけどそれでも?まじて良いの?いいのか…そうか。それ以外だとそうだな…なに?名前が欲しい?お前ネームドになりたいのか?随分と大きく出たものだな……まぁ今はお前しかいなし役に立ってくれたから別にいいか……それじゃお前は今日から()()()()な。よろしく」


フリョンと名ずけたキュアスライムを…連れて部屋をでて1階にある食堂で取り敢えず量が多い物を注文し腹いっぱい食べてはらぺこの腹を満たす、思ったよりでかくなった出費と残り残高に気を揉みながら食べていると見知った二人…金華と黒蓮が同じ席に座った。


「すごいいっぱい食べるのね…」


「そりゃ昨日の朝食から今まで何も食べて無かったからな。それでもう大丈夫なのか黒蓮」


「ええ、お陰様でね」


「それは良かった。それで次はどうする積もりなんだ?この後またあの洞窟に行くのか?」


「そうね、出来ればこの後すぐはやめて欲しいわ…足の調子も確認したいし」


「それもそうか」


「それでその…ドーン大事な話があるのだけど…」


「どうしたんだ改まって?」


「その、、ドーンにこのパーティーのリーダになって欲しいの。私より強くてとっさの判断能力も高くて度胸もあるから私がこのままやり続けるよりよっぽど良いと思うのだけ…どうかしら?」


「あ〜なるほど」


意識の強さを感じる黒蓮のお願いを聞いて僅かに逡巡した後、金華の方を見ると期待した目でこちら見ていた。


「俺はそういうの向いて無いから引き続き黒蓮がやったほうが良いと思う…」


「そんな事ないわ、ジャイアンベアの時も、洞窟の時もドーンの判断があったからこそ生きて帰って来れたのだもの」


「それは…そうかもしれないが、俺には黒蓮の様に人を引っ張っていく力…リーダーシップが無いから黒蓮が引き続きリーダーをやった方が上手く行くはずだ。それに意見や判断なんてリーダーじゃなくても出来るだろ?俺も意識して意見を言う様にするからさ」


「……わかったわ、無理やりリーダーにしたってしょうがないものね。ただちゃんと…色々教えてよね?」


黒蓮は悩む様子を見せたがこっちを見て何か思ったのか覚悟を決めた様子で頷いてくれた。


「わかってるよ」


「……それじゃ早速聞くけどこれからどうすればいいと思う?」


「これまた随分とぶっ込ん出来たね」


「しょうがないでしょ!正直もう…何をしていいのか分からないもの」


「一回死にかけただけだしそこまで気負わ無くてもだ「何言ってるのドーン!死んだら終わりなんだから、もっと慎重に行かないと!」それはそうなんだけど…」


フォークで食べかけの肉を刺したまま食い気味に話しかけてきた金華をなだめながら次に行うべき事を考える。順当に考えればまだ期日に達していないわけだから、引き続き洞窟奥にある水の魔結晶を手に入れるために動くのがただしいはずだ。けどそれを実行に移すには色々と足りない物がある事が前回のことで身に染みてわかった訳だし…先にそれらを手に入れるために動くべきなはずだ。


具体的には敵の位置を一方的に知るための探知系のスキルと隠密系のスキル、あるいはそれらの効果をもつアイテムを手に入手。これは今後の事も考えると是非欲しい能力だし最優先で問題ないはずだ。他にも黒蓮のスキル練習や情報収集も現状だと優先順位が高く筈で、次点だと技術力向上のための特訓とお金稼ぎが優先されるべきなはずだ。


「取り敢えず、また不意を打たれてやられない様にする為に探査系と隠密系の能力を習得した方がいいと思う。これに付いて俺がやるから…黒蓮にはスキルの練習をして欲しい」


「そ、そうよね、やっぱり使えた方がいいわよね…」

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