【23】怪我と治療
「ドーン…あなたその怪我…」
「ああ、これぐらい寝れば治るから気にしなくて「眠ったぐらいでそんな大怪我がなおる訳ないでしょ!気にするなって無理に決まってるでしょう!」そう怒鳴ら無いでくれよ、びっくりするだろう?」
「あ、ごごめんない」
そう言って黒蓮は深々と頭を下げた。
「あ、いや、別にそこまでちゃんと謝らないても「ドーン!怪我、怪我治すから早く入って、今度は、ちゃんと治す、治せるからね、ね?お願いしますしますぅ」いや、こんな怪我よりも先に…わかった、それじゃ頼む」
異常に必死に回復魔法を使って自分の怪我を直そうとする金華の勢いと、断ろうとた時の死にそうな顔を気圧されて治療を了承する。本当はちゃんと黒蓮を治せる黒蓮が治せるか確認した後に、せっかく大怪我をおっているからゲームの時みたいに眠ったら全回復出来るのか確認しようと思ってたんだけど…どうも金華の様子がおかしいし下手に刺激しない方かもいい筈だ。
必死に自分の怪我を治してくれている様子のおかしい金華からは一旦目を逸らして黒蓮に話しかける。
「一体何があったんだ?」
そう聞くと黒蓮腹一瞬だけ逡巡するような様子を見せたあとすぐに話し始めた。
「別に…何も無かったわ。ただ…貴方の置手紙を読んだだけ」
「それだけでこう…なるのか?」
「少し昔の事を……ね」
そういう黒蓮の顔はとても辛そうで正直見てられなかった。
「そうっか、言いづらいなら無理に言わなくていい」
「……感謝するわ」
「金華もう治ったから回復は大丈夫だ」
「あ、いや、でも」
もう全回復したにも関わらず魔法を使い続ける金華にそう伝えるが、なおも不安げな様子で回復魔法を自分にかけ続ける。
「ありがとう金華、もう大丈夫、おかげで助かったよ」
金華が安心出来るように…出来るだけ優しく、柔らかくを心がけて声をかけその頭をゆっくりと撫でる。
「ほ、本当に?本当に大丈夫なの?痛くない?」
「うん金華が直してくれたおかげで全く痛く無いよ」
そう伝えると金華はじっとこちらを見つめたあとににぱっと笑って、ぎゅうっと抱きついてくる。
「えへへ…良かった、本当に良かった…私ドーンも居なくなっちゃうじゃないかって恐くて……お願いだからもう居なくならないで…」
「わかった、心配させてごめんね」
より一層強く抱きついてくる金華を抱き抱えて黒蓮の方に近く。すると黒蓮は何かを察したかのようにこちらを見て何処か安堵した様子だったのを一変させ緊張した面持ちで見つめ返してくる。
「か、覚悟は出来てるわ、なんでもどんとこいよ!」
「そんなに緊張しなくても大丈夫だぞ?……金華、一回降りてくれるか?」
「やっ!」
ーーーぎゅぅぅぅ
「ま、まぁ別に片手が塞がって大丈夫か…【命の生成】」
スキルを発動し予定通り特殊技能の【手術】を持ったキュアスライム生成する……すると武器や魔道を生成した時とは比べ物にならない量の青い粒子が辺りに充満したかと思うと渦を巻きながら一箇所へ収束して行き、全ての粒子が収まった場所に真っ白な頭ぐらいの大きさのスライムが洗われた。
「す、スライム!?へ、変態!」
黒蓮は起こった出来後に驚き呆気に取られていたようだが、次第に顔が赤くなり始めたかとともうと急にそんな事を言い出した。誠に心外である。
「……何か勘違いしてないか?こいつに黒蓮の足を治して貰うんだ」
「あ、え、あ、そ、そう…べ、別にエッチな勘違いなんてしてないわ!」
「「…………」」
「あ……」
「そ、そうか……まぁとにかくこいつに黒蓮を治して貰う、多少…というかかなり痛いと思うけど我慢出来るか?」
「私だって傭兵の端くれよ、痛いぐらいで騒いだりしないわ」
「そうかそれは頼もしい限りだな。やってくれキュアスライム」
そういえば切開するんだから麻酔があった方がいい……というか無くちゃだめだよな?いくら身構えて覚悟を決めていたとしても矢が太ももに刺さってあんなに痛がってた黒蓮が宣言通り我慢しきれるとは思えないし。ポイントは……ギリギリ足りてる。【道具生成】で麻酔を生成して……使い方とか分からないのでキュアスライム渡すとキュアスラムは麻酔を飲み込んだ。麻酔飲み込んで大丈夫なのか?
そんな此方の疑念もつゆ知らずキュアスライムは患部に覆いかぶさるように体を広げ、黒蓮の体に馴染ませるように暫く体を震わせいたかと思うと、唐突赤い小さな筋がキュアスライムが覆っていた患部の一部にはしりその中にするりするりキュアスライムは体を滑り込ませていった。
「ね、ねぇドーンこれホントに大丈夫なの!?切られてるのに全然痛くないしこいつ私の体の中に入ってきてるし!」
「大丈夫…なハズだ」
「ちょちょっと!もっと自信ありげにいいなさいよ!ううぅ……」
不安そうに体内に潜り込んでいくキュアスライムを見ている黒蓮を少しでも安心させようとその手を握って事の成り行きを共に見守る…………そしてキュアスライムが黒蓮の中に潜り込み始めて一分が立とうとしたその時、キュアスライムがひときわ大きく脈動したかと思うと小さく切開されている部分が大きく口を開きそれと同時にその奥ら複数の黒い破片が吐き出され始めた。
「なに……これ、こんなのが私の中に?」
思ったよりもたくさん出てる矢…主に砕けた矢じりの破片らしき物に戦々恐々としながら見守り続けたが特に何か問題が起こるようなことも無く黒蓮の体内にあった異物の全てが取り除かれキュアスライムが出てくると取り出すために切開された部分も綺麗に塞がった。念のため【解析】の効果が付いた虫眼鏡で黒蓮の事を確認してみればしっかりと状態の欄から《異物》の表記は無くなっており、麻酔のせいで《弱マヒ》になって居るがそれも数分待てば消えるようなので完治したといっても差し支えないだろう。
「なおった……の?」
「ああ、治ったはずだ。あと数分もすれば麻酔の影響も抜けて普通に歩けるようになる」
「あ、ありがとうドーン!こんなの…感謝してもしきれないわ。でも…その、もう何でもするて約束しちゃったし……私には何もあなたに返せるものがないわ……」
「俺たち仲間だろ?仲間を助けるのは当然の事だからそこまで気負わないい。ただまぁ……感謝してくれたらうれしい」
「そんなの、当然じゃない!本当に本当にありがとうドーン!おかげで…………おかげで……」
黒蓮が勢いよく感謝を伝えてきたかと思うと急に失速してしょぼんとして何かに良くないことに気が付いてしまったかのように元気な様子から一変して目に見えて落ち込んでしまった。
「どうかしたのか?もしかしてまだどこか痛むのか?」
「そんなことはないわ、ただ……その、私って…二人の足を引っ張ってばかりじゃない?……だから折角治してもらったけど……一緒にいない方がいいんじゃないかと思って」




