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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第一章】始まり
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【15】スキル

「あ、ちょっとまってドーン…忘れる所だったわ、休む前にスキルについて教えてほしいのだけど」


ああ、そう言え黒蓮はその話に興味を持ってたっけ。まぁ別に今じゃ無くてもって感じはするけど強くなるには絶対に必要なことだしな。


「あぁそれについてか…スキルはさっき言った通り基本的には種族と職業の兼ね合いで取得取得出来る。二人だったら【狐火】とかかな?」


「…それは本当の事なの?今までそんな話、村にいた頃でも聞いた事無いわ」


「私もなーい」


「そうなのか?」


【狐火】の取得条件は狐系の種族のレベルが5以上だけで他に条件も無いし、ジャイアントベアと戦ってた感じからしてLv5は超えてそうなものだが…


「ん〜おかしいな、種族スキルは取得自体は自動だし…スキルの名前を宣言すること、発動するスキルの内容を理解していること、あとは魔力がたりて入ればスキルは簡単に発動出来るはずなんだが……ん?」


「….…」


「……」


そこまで言った所で冷たい視線を感じ、悩む時の癖で下を向いていた視線を二人の方に向けると国連と金華は2人揃ってジト目こちらを見ていた。


「え、何か俺変なこと言ったか?」


「最初から最後まで変だったわよ、ねぇ金華」


「そうだね〜ねぇドーン一体どうやって自分が使えるスキルの名前と効果を知るの?」


「え、そんなのステータスを見れば……あ」


あんまり確認するタイプじゃないからすっかり忘れてたけどそう言えばこの世界ステータス画面とかメニュー画面はもちろんインベントリも無い、システム的な要素が表示されない不親切世界だった。


いや、そもそも。ちゃんと検証した訳じゃないしこの世界がゲームと同じ法則で動いてるのかは謎のままなんだった、自分が普通にスキルや魔法を使えるから完全に失念してた。まぁでもこれはいい機会かもしれない。


「ステータスって何?」


「2人してそんな疑念の眼差しで見ないでくれ…ちょっと待ってて」


そう言って【道具生成(アイテムクリエイト)】を発動して【解析】の効果を持つ虫眼鏡を生成する。


「これのレンズを通して…10秒ぐらい自分の体を見てれば表示されるはずです」


「……やるだけやってあげるわ、ドーンよ言ってる事が正しければ儲けものだし」


そう言って黒蓮は虫眼鏡を受け取り、そのレンズを通して自分の体を見始めた。ん、ん〜これで何も起こらなかったら2人からの自分への信用が完全崩れ去るのは火を見るより明らか…ダウジングは正常に機能したしダメってことは無いと思うけど…絶対はないし……


そんなふうに不安に苛まれながら黒蓮の反応をまっていると黒蓮の体が唐突にビクッと跳ね、自分にかざした虫眼鏡に顔を近づけてまじまじと見始めた、そしてそれから少し置いた後に金華も呼んで確認し始める。


「あの〜どう…でしたかね?」


「……まぁそうね、確かにドーンの言う通りこれ(虫眼鏡)には【狐火】と書いてあったし説明もあった…けど!まだ真実と決まったわけじゃないわ!」


「確かにそうだけど…なんでそんなに疑うんだ?」


「だってスキルなんて欠片も聞いた事無いんだもの」


「そ、そう」


別に魔法も魔道具も魔物もいる世界なんだ自分的にはスキルぐらいあってもおかしくない気がするんだけど、スキルの話しを聞いた二人の反応は前世で言う所の魔法や超能力の使い方聞いた人が見せるような反応が近い気がする……まことに心外である。


「それじゃ街の外に出て出来るか試して見るか?」


「いいわ、やってやるわ!」



「クッどうして私は出来ないのよ〜!」


天高くで煌々と照っていた日は彼方へと落ち始め、青かった空が赤く染まり夜の気配が辺りを蝕み始めたころ……街の近くにある草原で黒くて赤い獣人の女性が膝から崩れ落ちてうなだれており、そのすぐ傍には同じく獣人の金と白の少女と灰と青の人間の男性が心配そうにしていた。


先の獣人の女性とは黒蓮のことで、後の獣人の少女は金華の事、その後の人間の男性はドーンの事である。


悲しさからか無力感からか膝をついてうなだれたまま立ち上がる様子を見せない黒蓮を心配して近付いた。


「お姉ちゃん、その…そんなに落ち込まなくても大丈夫だよ、今日はもう暗いし一回休も……あれ?」


そう言って金華が黒蓮の傍にしゃがみこんでその手を握るって…金華は小首を傾げた。


「どうかしたのか?」


「お姉ちゃん…眠っちゃってる」


そう言われて慌てて黒蓮に駆け寄って確かめてみると金華の言う通り黒蓮に意識が無かった。汗を大量にかいている様子だったから多少心配だったが呼吸も脈拍も安定しているから多分大丈夫だろう。


「……本当だ、まぁ金華に早々に先を越されてからはかなり頑張ってたもんな」


「そうだね…今日はもう帰ろっか!あ、お姉ちゃんはドーンが運んでね?」


「え、いや別に俺は良いんだけど…良いのか?それ」


「狭いベット一緒に寝た中なんだからお姉ちゃんだって気にしないと思うよ!それに私が連れて帰ろうと思うとどうしても身長の関係で足を引きずっちゃうし…」


「あーえっとじゃ…」


背負って帰るの一番楽そうだけどそうするとその…黒蓮ばかでかい胸が背に当たってヤバそうだし、抱っこも似たようなもんだし…ん〜それしかないか。


うつ伏せで倒れる黒蓮の身体をひっくり返して仰向けにした後、脇辺りと膝裏辺りに腕を腕を通して持ち上げる。多分お姫様抱っこってやつ、一番マシそうだったからこうしたけど…めちゃくちゃ恥ずかしいし普通に…うん。とはいえ今更下ろす訳にも行かないしこのまま…宿の部屋まで運ぶしかないよな。


「ドーン」


黒蓮を抱き上げて夕闇に染まった草原に染まった草原を宿屋を目指して歩いて要ると後ろから着いてきていた金華が話しかけてきた、その声は何時もの元気いっぱいの声とは打って変わって不安げに震えていた。


「どうかしたか?」


「お姉ちゃんはどうして【狐火】が使えなかっただろう」


「どうして…か」


ポイントが底を着いたせいでそれ用のアイテムを作れず黒蓮の詳細なステータスは見れないが【狐火】はそこまで消費魔力が大きいスキルじゃないし魔力が足りなくて発動出来なかったなんてことは早朝の戦闘ではもちろん肉の仕分け中もそれ以降も魔力を使った様子はなかったしそもそも【狐火】を発動しようと試行錯誤していた時間の事を考えるとその間に【狐火】が使えるレベルまで魔力が回復してないのはおかしい。黒蓮も金華同様【狐火】のスキルを持っていたし他に理由があるとすれば……


そこまで考えた所でポツリと金華がこう呟いた



「お姉ちゃんには才能がないのかな………





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