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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
【第一章】始まり
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【8】宿屋……あっ



ジャイアントベアを倒し、二人に要望の武器を渡した後、随分と暗くなった森の中を街を目指して三人で移動した、日が落ちて来たことで魔物の活動が活発になって来ているのか何度か魔物による襲撃を受けたものの、木製の武器で余裕だった相手に多少視界が悪くて敵が凶暴になったからと言って大きく苦戦するはずもなく、時間の関係で死体を回収出来なかった事は悔やまれるものの無事街に街に帰ることが出来た。


結局当初の目的であったマジックマッシュルームは手に入らず、ただめちゃくちゃ危険な目にあった上に普通に死に掛けるという今後が心配になるような散々な探索だったけど、結果的にポイントがそこそこ手に入ってまともな武器を二人に渡せたし及第点と言えなくはない筈だ、マジックマッシュルームの採取依頼は今日が期限じゃ無かったしね。


「なるとか無事に帰って来れたわね」


門をくぐりその殆どが暗闇に沈みつつある街を見ながら誰に聞かせるでもなく黒蓮は人心地着くようにそう言った。


「そうだな、これも二人が助けに来てくれおかげだ」


「それはもういいわ、助けられたのは私達も変わらなし…それじゃ今日はここでお開きにしましょ」


「あーそのことなんだけどちょっとお願いがありまして」


「何かしら、武器の事もあるし多少の事なら聞いてあげるわ、ただし手短にね」


「え〜とその、黒蓮がくれたお金で泊まれる宿を教えてください」


「あぁ、そういえばそうだったわね」


そう言って黒蓮は忘れていた、という雰囲気で頭をかきながら言葉を発しようとした寸前、金華ビシッと元気よく手を上げた。


「急にどうしたの金華?」


「私達と一緒に寝ればいいと思います!」


「は?」「え?」


自分と黒蓮は金華の突拍子もない…というか予想外の発言に意表をつかれ間抜けな声をあげてしまった。


「だってさ!お姉ちゃんがドーン渡したのって銀4、5枚でしょ?そんなんじゃ共用の質の悪い所にしか泊まれないし、私達の持ち金を合わせても新しく部屋を取れないでしょ?ドーンは一番の功労者だしやっぱりちゃんと休んでほしい!」


「それはそうかもしれないけど流石にそれはだめよ!男と女が同じ部屋で一晩過ごすなんて!」


「うぅそれはそうだけど…」


「俺は別に雑魚寝でも…「ダメだよドーン!雑魚寝宿なんかに泊まったら絶対酷い目に会うよ!」え、そんなに治安悪いのかこの街?」


この街の事は門から傭兵ギルドのある場所までの道から見えた物や光景知らないけど、雑魚寝したら何か起こるほど治安が悪そうには…見えなかったが……


そんなふうに考えていると黒蓮が言いずらそうに言葉を濁しならがらも説明してくれた。


「この街は薬で発展した街らしくてね、仕事自体はそれ関係で沢山有るから金に困っている人はそう多くないようだけど、魔物は強いせいでうだつの上がらない人は多いらしくて…その、ね?わかるでしょ」


「確かにそういう感じだと新人には当たりキツそう感じするな」


「そうじゃないんだけど……まぁいいわ」


はて、黒蓮がなにか残念な物を見るような目でこちらを見て来ているんだけど何か間違えただろうか?


そんなふうにに疑問に思い、悩んで居ると金華に手を取られグイグイと引っ張られる。


「だから一緒に寝るべきだよ」


「俺は別に良いというか嬉しいんだけど……」


そう言って黒蓮の方をみる。

最初の「私達と一緒に」という言葉的に黒蓮と金華は多分一緒に寝ていている訳で……心情的にはとても有難い申し出だけど倫理的に年端も行かぬ少女達と寝るなんてダメだろという気持が強い。しかし…好意を受ける側がそのような理由で好意を無碍にしていいものなのだろうか?ここは黒蓮が反対するのに従う様な形で断る事にしようさっき金華が一緒に寝るように行った時にダメだって言ってたし今度もそういうハズ。


「いいよね、お姉ちゃん?」


「…分かったわ」


え、いいの?


「やった!」


……何となくこの姉妹の力関係がわかったような気がする。



2人が泊まっている宿屋に辿り着き、店主に自分が

泊まる追加料金を私て2人が泊まっている部屋に入った。後ろの方で何やらざわめきが起きていたような気がするが気の所為に違いない。


それぞれ持って居た荷物を下ろし、部屋の様子を手際よく確認して行く二人を入口でぼ〜と眺めめているとずしずしと黒蓮が近付いて来た。


「ちょっとアンタ、じっとこっちをみてる暇があるなら受付に行って手拭いと桶を貸してもらってきてくれない?」


「お姉ちゃん、私がある程度治したとはいえジャイアントベアの攻撃を食らってドーン結構な怪我をしてるんだよ?もうちょっと優しく…」


「…ッ!」


「あ〜えっと…なんか…ごめん?」


「ドーンは謝らなくて良いよ!全部お姉ちゃんが悪いんだから」


「…金華さすがにそれはゆる「確かに黒蓮の言う通りだ」はぇ?」


「実際宿を借りている身の上で何もしないのは不誠実だと思うし、何より金華が治してくれたおかげでまったく痛く無いからそこまで心配しなくて大丈夫だよ」


「そう…なの?」


「うん、金華のおかげでね、ありがとう」


「そっか…そっか……えへへー」


そうお礼を言われて嬉しそう破顔した金華は耳をくてっとさせてて尻尾もフリフリしててとても可愛ー


ーーーぐいっ


「ん?どうかしたのか黒蓮?」


「え、あ、えっと…そう!私もお礼、お礼を言わなきゃって思ったの!ジャイアントベアの件は…色々と助かった本当にわありがとう……あと、逃げてごめんなさい」


「どういたしまして…けど謝らなくていいんだよ?二人で逃げるように促したのは俺だしね」


「それでも…ごめんなさい」


そう言って頭を下げる黒蓮を見て森で自分が黒蓮に対して「それでもありがとう」と言ったのを言ったのを思い出して…


「ふふ、ククッ」


思わず笑いがこぼれてしまった。


「ちょ、ちょっと笑わないでよ」


そういう黒蓮は文句ありげにこちらを見ていたが笑われて恥ずかしかったのか頬は赤らみ、耳はピンッと立ち、尻尾を足に絡めて可愛い…というか胸な


ーーーギンッ!


「ごめんなさい…」


怒ってるけど可愛いと思ったのがバレたのか、はたまたその大きな胸し視線をやったのがバレたのか、キツく睨まれてしまった。


「全く…私がもらってくるから二人は休んでて良いわ」


「あーその事なんだけど俺が生成しようか?」


「ドーンはそういうのも作れるの?……今回は止めて起きましょう、それはポイント?とやらを消費するのでしょう?武器や魔道具をそれで作れるのだからそっちを優先して貯めて置いた方が良いと思うの、今はお金を払えば借りられる訳だしね」


「なるほど…確かに一理ある」


「でしょ?」


そう言って部屋を出た黒蓮を見送った。


「……」


「……」


なんとなく気まずい空気が自分と金華の間に流れる。そう言えば今まで会話は基本的に黒蓮がメインで金華とはあまり話してなかったような気もする。黒蓮も居ないし何でこんなに優しくしてくれるのか聞くいい機会かも……


「ドーン…ほんとに怪我は大丈夫なの?」


「ん、ああ全然大丈夫だ、ほら」


「あっ」


そう言ってペラっと自分の服をも持ち上げるとそこには……


普通にとんでもなく大きな痣があった


「……」


「……」


再び二人の間に沈黙が流れる…


「えいっ」


沈黙を破るように金華が軽快な声を上げたかと思うとその小さな手を自分の方に伸ばして痣の中心部をぎゅっと押し込んだ


「ッ」


すると先程まで何とも無かったのに切り裂くような強い痛みが触られた場所に感じられてッ!


「ほら、やっぱり痛いんでしょ」


「いや、そんな事は「じゃぁグリグリしてもいい?」あ、はい痛いです」


「まったく、ちゃんと次から素直に言ってね?私達仲間なんだから!」


「わ、わかった…ていう俺、仲間で良いのか?最初の約束だったまともな武器も渡したし俺も魔物と戦えたから長くても明日までかと……」


「えぇ…






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