待ち人来らず
しばらく待った。
腕時計を確認して、時間が過ぎていくのをただただ眺めている。
5分、10分、30分……
もうちょっと、もしかしたらと思ってまだ待ってみる。
1時間、2時間と過ぎていき、気が付けば4時間も過ぎていた。
日はすっかりと暮れて、夜になり、私の心も暗くなる。
誰も来ない、今日はもうあきらめて帰ろう。
でも、もう少し、もう少しと思ってあきらめきれない。
初めてできた彼、それが今日は会ってみたいといってきてくれた。
それが諦められない理由。
ただ、もう時間だ。
明日もある。
彼のことはあきらめよう。
私は泣きそうになる空を見上げ、かすれている夜空を眺めながら帰った。